こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。
筆者近影 作品「遠い約束Ⅱ」と共に
さて、鉛筆画はシンプルな道具だけで始められるアートとして、多くの人に親しまれています。特に風景を描くことは、自然の美しさやリアルな雰囲気を表現する楽しさがあり、初心者の人にもオススメです。
この記事では、初心者の人でも簡単に取り組める風景画の描き方を、具体的なコツやステップを交えて解説し、最初の一歩として手軽に挑戦できる方法や、リアリティーを高めるためのポイントも網羅します。
それでは、早速見ていきましょう!
初心者が鉛筆画で風景を描く際の一番重要なこととは?
日美展 大賞(文部科学大臣賞/デッサンの部大賞) 誕生2023-Ⅱ F30 鉛筆画 中山眞治
初心者の人が、鉛筆画の風景に取り組む際には、最初から色々なことを考えないことが極めて重要です。 本章では、初心者の人が最初に取り組むべき心づもりについて解説します。
最初は楽しんで描くことが最も重要な理由
どなたでも、最初に描いた作品は、うまく描けないことが当たり前です。そのようなことよりも、あなたが描いてみたいと思える風景に、楽しんで取り組むことが最も重要です。
多少歪んでいようが、いびつになっていようが構いません。あなたが描きたい作品を描きたいように取り組みましょう。最初から「構図及び構成や構想を練るなど」を考えてしまうと、挫折してしまうからです。^^
5作品ほど描き進んでみる
まずは、描くことに慣れることが重要なのですが、ここでいきなり戸外へスケッチへ行くことはやめましょう。その理由は、慣れていない状態で描き始めても、天候がいつも良好である保証はありませんし、気象条件は刻々と変化するからです。
そこで、初心者の人に最適なのは、「いままでに撮りためた画像及びネットからのダウンロードやスクリーンショット」で描き始めることです。
想像してみてください。天気のあまりよくない日や、風のある日に戸外でスケッチができますか?当初から戸外でのスケッチは、初心者の人には向いていないのです。筆者も避けて通ってきました。
あなたにオススメなのは、前述のような方法の中で「良い画像」で描き始めるということです。天候や時間帯に左右されませんし、通行人に「じろじろ」みられることもありませんよね。^^
描き進んでいくに従って、徐々に鉛筆の握り方や鉛筆の削り具合も分かってくるものです。また、練り消しゴムを練って、いろいろな形状に変化させて使えることや、「消しカス」が出ない便利さにも気づけるでしょう。
制作に慣れてこられましたら構図を研究しましょう
シンプルなモチーフを選び、陰影や構図の工夫を取り入れることで、初心者の人でもリアルな鉛筆画の風景を描くことが可能です。あなたの自宅近くの公園及び駅や街並みなど、描きやすいモチーフから挑戦して、徐々に技術を磨いていきましょう。
モチーフとしての風景は手掛けやすくて、また取り組んでみたくなるモチーフですよね。「今までに撮りためた画像及びネットからのダウンロードやスクリーンショット」は時間を気にせずに、ゆっくりと取り組めてしっかり練習できます。
そして、鉛筆で絵を描くことは初めてでしょうが、特別なことをしているわけではないので、それほど違和感もないはずです。
難しいことではないですよね。今まで学生時代からお馴染みの筆記用具ですし、シャープペンも同じようなものですから。
やがて、描き進んでいく内に、「何となくまとまりが悪い気がする」「どうすれば見映えが良くなるんだろう」「画面を引き立てる方法は何かないのだろうか」と、やがて気になってくるはずです。それを解決してくれるのが構図です。
次の筆者の作品では、黄金分割という位置に主役の「街灯」をおいて、その灯(あかり)を頂点として「中空の三角」という構図で制作しています。構図の件については、この後で触れます。
国際美術大賞展 マツダ賞 静かな夜 2023 F10 中山眞治
描くことに慣れてこられたら構図を研究すべき理由
構図とは、先人の築き上げてきた美の構成に裏打ちされた、バランス・緊張感・力強さ・躍動感などを伝えることができる技術です。
構図は、作品に動きやリズムを生みだすための重要な要素であり、対角線なども活用することで、作品に緊張感や力強さを生みだすことができます。また、バランスや躍動感を意識することで、作品に活力を与えることもできます。
次の筆者の作品では、黄金分割の位置に主役のモチーフである植物の芽を置き、「抜け」の部分でも黄金分割線を使い、斜線の効果及び「生と死の対比」や「明暗の対比」などを使って描いています。
尚、「抜け」とは、制作画面上で外部に抜ける部分(窓などでもOK)があると、観てくださる人に「息苦しさ」を感じさせない画面構成ができます。
国画会展 入選作品 誕生2006-Ⅱ F100 鉛筆画 中山眞治
構図と聞くと、何か難しいことのように聞こえるかもしれませんが、簡単なものもたくさんありますので、構図のたくさん載っている本を一冊購入しましょう。
構図の選択は、鉛筆画の作品を成功させるためには重要な要素なので、各種構図の種類や技術を学び、継続的な練習と自身の感性を磨くことが重要になります。それは同時に、他の作家の構図の使い方を研究することにも通じてきます。
このように構図を導入できることによって、あなたの作品には観てくださる人へ「あなたの感動や強調」を伝えるられることにつながります。そして、そのような魅力的な構成の作品であれば、「公募展への出品」も現実的になってきます。
構図の導入では、順番にあなたの描きたいモチーフを組み合わせることで、モチベーションアップにもつながります。
また、あなたの描きたいモチーフとの組み合わせを考えるだけで、次から次へとイメージが「汲めども尽きぬ泉のように」湧きあがり、モチベーションアップにもつながるでしょう。^^
名作と言われる作品には、必ずしっかりとした構図が導入されています。
初心者が風景の鉛筆画を始めるための基本ステップ
駅 2021 F6 鉛筆画 中山眞治
風景の鉛筆画を始めるには、基礎を押さえることが大切です。初心者の人でも取り組みやすいステップを順を追って実践することで、確実にスキルを磨けます。
本章では、モノトーンの鉛筆を用いた風景画制作の基本ステップを解説します。
シンプルな風景のモチーフを選ぶ
最初に取り組む風景のモチーフは、あまり複雑すぎないものがオススメです。例えば、一本の樹、山並み、海岸線など、形状がシンプルでわかりやすいものを選びましょう。
描く対象が明確であれば、モチーフの形や構図に集中しやすくなれます。初心者の人は細かいディテール(詳細)を追いかけるよりも、まずは大きな形をつかむことに専念してください。
構図を決めて大まかな輪郭を描く
風景画で重要なのは、全体の構図を決めることです。前述していますように、あなたが5作品ほど描いて、描くことに慣れてこられましたら、簡単な構図を導入していきましょう。
具体的に黄金分割線は、画面の横の寸法を実際に測って、÷1.618で得られた寸法を画面の左右から測って2本の線を描きます。
また、画面縦の寸法も測って、÷1.618であられた寸法を画面上下から測って2本の線を描きます。それ以外にも、画面の縦横の2分割線も描きましょう。左右の対角線も必要です。そうして出来上がった、黄金分割構図基本線は次のような状態になるはずです。
このような状態の各種ポイントとなる部分に、例えば前述の山を描くとすれば、⑤や⑥の黄金分割線を中心とするように山を描き、その山裾の配置部分は⑧や⑦に据えて、 斜線を暗示できるモチーフを配置していくという手法があります。
そうして、この場合には、描きたいモチーフの配置をスケッチブックや紙に軽く鉛筆でスケッチし、大まかな輪郭を描きます。この段階では、人指し指・中指・親指で優しく軽く力を入れすぎずに鉛筆を握り、Bや2Bで自由に描いてください。
前述の「黄金分割構図基本線」に、地平線や主要なモチーフの位置を決めることで、全体のバランスが取りやすくなります。
尚、筆者の、同じような構図の作品を掲載しておきますので、参照してください。作品では、よく見えていませんが、画面左下角に地面を割って出始めている植物の芽から少し成長した画面⑤の位置の植物の芽と、画面⑥の位置に立つ主役を置いています。
そして、鑑賞者の目を画面右上の角へ導くべく、画面右端には「タバコの吸い殻」を置いています。また、この主役の「生」を強調すべく背景には、枯葉を置いて「生と死の対比」を行っています。尚、地平線が丸いのは、「大地の広がり」を意味しています。
こんな風にも、描くことができるということです。
国画会展 入選作品 誕生2001-Ⅱ F80 鉛筆画 中山眞治
どうです?それほど難しくはありませんでしょう。簡単な構図を使うだけで、こんなにも全体がまとまってくるものなのです。
明暗を意識して立体感を加える
モノトーンの鉛筆画でリアリティーを出すためには、光と影の表現が重要です。光が当たる部分は薄く、影になる部分は濃く塗ることで、立体感が生まれます。
初心者の人の場合、最初は単純なトーン分けから始めると良いでしょう。影の濃淡を強調することで、風景の深みや奥行きを表現できます。
風景の鉛筆画を描く基本ステップは、シンプルなモチーフを選び、構図を決め、大まかな輪郭から明暗を描き分けて進むことです。画面上で、一番濃いトーンのところから描き、徐々に明るい部分へと描き進むことで、描きやすさが増します。
この流れを守ることで、初心者の人でも自然で魅力的な風景を描くことが可能になります。まずは試してみて、自分だけの風景を描き出しましょう!
簡単に描ける風景モチーフの選び方と例
坂のある風景Ⅰ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治
初心者の人が、風景の鉛筆画を始める際に適切なモチーフを選ぶことは、描画プロセスをスムーズに進めるための重要なポイントです。
シンプルな構造の風景を選ぶことで、形や光の捉え方を練習しやすくなります。本章では、簡単に描ける風景モチーフの選び方と具体例を解説します。
シンプルな自然物を選ぶ
初心者の人には、形状が分かりやすい自然物をモチーフにするのがオススメです。例えば、孤立した樹、波のない湖、遠くに見える山々などは、複雑な構図を考えずに描けます。これらのモチーフは、線や影の練習にも最適です。
また、自然物には直線や曲線が含まれているため、基本的な鉛筆の使い方を学ぶのにも適しています。
身近な風景から始める
遠出をせずに、身近な風景をモチーフにするのも効果的です。例えば、公園のベンチと樹々、小さな庭、窓から見える街並みなどは、簡単かつリアリティーを感じやすい題材です。
フクロウのいる風景 2019 F1 鉛筆画 中山眞治
身近な場所は観察しやすいため、細部までじっくり描く練習ができます。また、あなたがよく知っている風景を描くことで、作品への愛着も生まれます。
天気や時間帯を限定する
初心者の人が風景を描く際には、晴天の昼間など光と影がはっきりしている時間帯を選ぶと描きやすくなります。夕焼けや霧のある風景は美しいですが、陰影が複雑で難易度が高くなるのでやめておきましょう。
まずはシンプルな条件の下で描き、陰影の基本を学びましょう。また、明るい時間帯の風景は、モチーフがはっきりと見えるため、形を捉える練習にも最適です。
初心者の人が鉛筆画で描く風景のモチーフを選ぶ際には、シンプルな自然物や身近な風景、わかりやすい天気や時間帯を意識することが大切です。
描きやすいモチーフを選ぶことで、成功体験を積みながら基礎スキルを磨くことができます。まずは簡単なモチーフから始め、徐々に挑戦の幅を広げてみましょう!
場合によっては、図書館の「写真集」を色々探す中で「これだ」と思えるもので描くという手段もあります。尚、その場合には、画像の中の一部分を描くなどすれば、著作権などのトラブルも回避できます。
風景画のリアリティーを高める構図と遠近法のコツ
坂のある風景Ⅱ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治
モノトーンの鉛筆画で風景のリアリティーを表現するには、構図と遠近法を上手に活用することが鍵です。
これらを正確に理解し、適切に使うことで、立体感と奥行きのある魅力的な作品が生まれます。本章では、具体的なコツを解説します。
上の作品では、奥へと続く道路の「消失点」を画面の縦の寸法に対して√2の位置に据えることで、バランスを取っています。√2とは、画面の縦の寸法に対して÷1.414で得られた寸法です。構図は、こんな風にも活用できるのです。
構図の「三分割法」を活用する
構図を決める際には「三分割法」も使うとバランスの取れた風景画を描きやすくなります。紙面を縦横それぞれ三分割し、交点に主要なモチーフ(樹、山、建物など)を配置すると視線が自然に集まります。
また、地平線や水平線を、中央ではなく上下の三分割ラインに合わせることで、構図に動きが生まれます。このシンプルなルールを守るだけで、初心者でもプロらしいレイアウトを作れます。次の画像を参照してください。画面縦横の2分割線と2つの対角線も入っています。
- 黄色の線:3分割構図基本線
- 緑色の線:3分割線
- 青色の線:「抜け」に使うための線
- ピンク色の線:モチーフで3角を構成する線
ミヒカリコオロギボラのある静物 2022 F4 鉛筆画 中山眞治
遠近感を出す「重なり」と「縮尺」の工夫
遠近法を活かすためには、手前の物体を大きく、奥の物体を小さく描くことで距離感を表現できます。また、物体同士を部分的に重ねると奥行きが強調され、リアリティーが増します。
例えば、手前の木を大きく、奥の山を小さく描くことで、自然な遠近感を出せます。鉛筆の濃淡を調整して、遠くのものほど薄く描くとさらに効果的です。筆者の次の作品を参照してください。3本の樹によってリズムを作りながら遠近感を出しています。
国画会展 会友賞 誕生2013-Ⅱ F130 鉛筆画 中山眞治
画面深度を出す簡単な方法をお伝えしておきます。前景を「薄暗く」中景を「暗く」遠景は「明るく」描くことで、その効果を出すことができます。上の作品は、その効果も取り入れています。
視点の高さを意識した構図作り
視点の高さは、風景画の印象を大きく左右します。低い視点では広がりを感じる風景を、高い視点では俯瞰的で奥行きのある風景を描くことができます。
次の筆者作品では、まさに低い視点からの作品です。画面右下のカエル目線ともいえます。尚、丸い地平線は「大地の広がりを表す構図」でもあります。マクロの視点では、地平線は丸くなっていますよね。それです。
国画会展 入選作品 誕生2002-Ⅱ F100 鉛筆画 中山眞治
初心者の人は、目の高さと地平線が一致する「水平視点」を選ぶと描きやすいでしょう。この視点では遠近感が自然に表現されやすく、バランスの良い構図を作れます。
風景画でリアリティーを高めるには、三分割法などで構図を整え、遠近感を意識した重なりや縮尺の調整、視点の高さを工夫することが重要です。
これらの技術を組み合わせることで、初心者の人でも奥行きのある魅力的な風景画を作り上げることができます。あなたもこれらのコツを活用して、リアルな風景を描き出してみましょう!
光と影を活かした鉛筆画テクニックで風景を表現
第1回個展出品作品 昼下がりの桟橋 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
モノトーンの鉛筆画で風景を描く際、光と影を巧みに活用することでリアルさと奥行きを表現できます。特に、光源を意識しながら影を描き分けることで、風景全体の魅力が格段に高まります。
本章では、具体的なテクニックを解説します。
光源を明確にする
風景画を描く際には、光源の位置を明確に確認しておくことが重要です。太陽が右上にある場合、影は左下に伸びます。
このように光と影の関係を明確にすることで、画面に一貫性が生まれます。初心者の人は、シンプルな光源設定から始め、影の方向及び位置や濃さと長さを揃える練習をするとよいでしょう。これにより、自然な立体感を作り出せます。
鉛筆画では、正確なデッサンと適切な陰影の描写が生命線です。そのためにも、光がどこからきて、どのように対象物に当たり、どのような影ができているかをつぶさに観察することが極めて重要です。
濃淡を使い分けて影を描く
鉛筆の濃淡を駆使して影を描くと、風景画にリアリティーを加えられます。例えば、近くの影は濃く、遠くの影は薄く描くことで、奥行きが強調できます。
また、柔らかい影には軽いタッチを、くっきりした影には力強い線を用いると効果的です。濃淡のグラデーションを意識して描くことで、自然な影を再現できます。
ハイライトを残して光を表現する
光の表現では、スケッチブックや紙の白さを活かした「ハイライト」が重要です。光が直接当たる部分を描かずに残しておくことで、光の強さを表現できます。
例えば、葉が生い茂る樹や水面など、光を反射する部分をハイライトとして強調すると、画面全体に明るさが加わります。「練り消しゴム」を使って光の表現を強調することは効果的です。
光と影を効果的に活用することで、鉛筆画の風景は驚くほどリアルになります。光源の設定、濃淡の使い分け、ハイライトの活用という3つのテクニックを組み合わせることで、初心者の人でもリアリティーのある風景を描けます。
これらのポイントを押さえて、魅力的な風景画を完成させましょう!
初心者でも成功する風景デッサンの仕上げのポイント
青木繁記念大賞展 奨励賞 郷愁 2001 F100 鉛筆画 中山眞治
風景デッサンは、最後の仕上げで全体の完成度が大きく変わります。初心者の人でも少しの工夫で作品をグレードアップできるポイントを押さえることで、満足度の高い仕上がりを目指せます。
本章では、仕上げに役立つ具体的な方法を解説します。
全体のバランスを見直す
仕上げの前に、デッサン全体を離れた位置から見直して、バランスが取れているか確認しましょう。例えば、暗い部分と明るい部分の配分が適切であるか、視線がどこに集中するかをチェックします。
バランスが悪い場合、影を足したり、明るさを調整したりすることで修整できます。細かい部分に集中しすぎず、全体を客観的に見ることが大切です。
ハイライトの明るさが足りない場合には、そのハイライトと隣接している部分のトーンの濃さが足りていない場合が多いものです。もう一段濃くしましょう。
線の強弱を活かしてディテールを調整する
モノトーンの鉛筆画では、線の強弱がディテール(詳細)の質を大きく左右します。重要な部分には力強い線を使い、背景や目立たせたくない部分は軽いタッチで描くことで、メリハリが生まれます。
また、輪郭線をぼかすことで自然な雰囲気を演出できます。これにより、風景全体に奥行きや動きを加えることが可能になります。
最後に消しゴムでハイライトを追加
消しゴムを使ってハイライトを追加すると、作品に光の表現が加わりリアリティーが増します。例えば、樹の葉や水面に反射する光を練り消しゴムで拭き取ると効果的です。
道Ⅱ 2022 F4 鉛筆画 中山眞治
練り消しゴムを使って微妙な明るさを表現すると、仕上げの質がさらに向上します。この作業は、風景画に立体感と自然な輝きを与えます。
初心者の人でも風景デッサンを美しく仕上げるには、全体のバランスを確認して、線の強弱による調整を行い、消しゴムでのハイライト追加といったポイントを押さえることが重要です。
これらの工夫を実践すれば、簡単に完成度の高い風景画を描き上げることができます。ぜひ試してみてください!
まとめ
国画会展 新人賞 誕生2007-Ⅱ F100 鉛筆画 中山眞治
鉛筆画で風景を描くことは、初心者の人にとって楽しみながら挑戦できるアートになります。以下では、簡単に風景画を描くための重要なポイントを整理しました。これらを活用すれば、初心者の人でもリアリティーのある作品を完成させることが可能です。
初心者が鉛筆画で風景を描く際の一番重要なこと
- 最初は楽しんで描くことが最も重要な理由:いろいろなことを考えてしまうと、楽しんで描くことができなくなるので、最初は楽しんで描くことだけを考えて制作を進める。
- 5作品ほど描き進んでみる:描くことに慣れることを優先する。この時点では、鉛筆の握り方や練り消しゴムの扱い方も同時に学んでいける。
- 制作に慣れてこられたら構図を研究する:作品をより見映えのする仕上がりにすること及び、まとまりのある仕上がりと、公募展への出品にも対応できる内容にできる。
風景の鉛筆画を描く基本ポイント
- シンプルなモチーフを選ぶ
初心者は、一本の樹や地平線などシンプルなモチーフから始めよう。 - 光と影を活かす
光源を確認して意識しながら、濃淡を使い分けることで立体感とリアリティーを表現する。 - 遠近法を利用する
近くの物は大きく濃く、遠くの物は小さく薄く描いて奥行きを強調する。
仕上げで完成度を高めるコツ
- 全体のバランス確認
作品全体を見直し、明暗や構図の偏りを調整する。 - 線の強弱でメリハリをつける
主題を強調し、背景は柔らかく描くことで作品に深みを与えられる。 - 消しゴムでハイライトを追加
光を反射する部分にハイライトを入れることで、作品の輝きを演出する。
初心者が失敗を避けるための注意点
- モチーフは、できるだけ単純なものから取り組む。
- 光源の方向を統一する。影が同じ角度でできていることを再度確認する。
- ディテールに集中しすぎて全体のバランスを崩さない。全体の輪郭を描き、少しずつ全体的に詳細を描き込んでいく。
おすすめの練習方法
- 身近な風景を観察し、少ない対象物で簡単なスケッチから始める。
- 三分割法を使った構図でバランスを意識して描いてみる。
- 同じモチーフでも、光の当たる角度(時間)を変え、複数回描いて線や影の表現を繰り返し練習する。
これらのポイントを押さえることで、鉛筆画での風景デッサンは初心者の人でも簡単に楽しめます。練習を重ね、自分だけの風景作品を描き出してみましょう!
ではまた!あなたの未来を応援しています。
筆者の場合には、絵画教室で習い始めましたが、並行して自宅でも好きなものを好きなように描いていました。