人物デッサン初心者が最初に練習すべき顔の描き方7ステップ

 どうも。プロ鉛筆画家の中山眞治です。

           筆者近影 作品「月のあかりに濡れる夜Ⅳ」と共に

 さて、人物デッサンで、最初につまずきやすいのは「顔」です。輪郭が歪んだり、目の位置がずれたり、描けば描くほど不自然になってしまうことも少なくありません。


 ですが、顔は感覚で描くのではなく、「順番」と「観方」を知ることで、鉛筆画やデッサン初心者の人でも、確実に上達できるのです。

 この記事では、人物デッサン初心者の人が、最初に練習すべき顔の描き方を、7つのステップに分けてわかりやすく解説します。


 難しい表現に入る前に、まず押さえるべき基本を整理して、自然な顔を描ける力を身につけていきましょう。

 それでは、早速どうぞ!

Table of Contents

顔を描く前に知るべき「全体の比率」の基本

 人物デッサン初心者の人が顔を描くときに、最初にぶつかりやすい壁は、「なんとなく描き始めてしまうこと」です。

 顔は、目・鼻・口という主要な要素があるため、つい部分から描き込みたくなりますが、それでは全体のバランスが崩れやすくなります。

 自然な顔に見せるためには、まず全体の比率を整えることが何より大切です。

 本章では、人物デッサン初心者の人が、最初に身につけるべき顔全体の捉え方を整理します。

顔のアタリを最初に取る理由

 顔を描く前に、まず大まかなアタリを取る習慣をつけることが大切です。

 アタリとは、顔全体の配置及び形や傾きを、簡単な線で暫定的に捉える作業のことです。これをせずにいきなり輪郭や目を描くと、途中で位置がずれても修整が難しくなってしまいます。

 最初は、顔全体を卵型や楕円形として単純に捉えるだけでも充分です。大切なのは、「細部ではなく、全体のまとまりを観る」ことです。

 頭の傾きや向きも、この段階で意識しておくと、後から自然な顔に仕上がりやすくなります。初心者の人ほど、最初の数分を慎重に始めることで、その後の作業が格段に楽になります。

縦横比を意識する基準線の入れ方

 顔は、なんとなく描くと縦に長くなったり、横に広がったりしやすいものです。これを防ぐために、最初に縦横の基準線を入れることが重要です。

 まず、顔の中心を通る縦の線を引きます。これが鼻筋や口の中心を決める基準になります。次に、目の高さの目安となる横線を入れます。一般的な正面顔では、顔の縦の中央付近に目の位置がきます。次の画像を参照してください。

 ただし、ここで大切なのは「教科書的な比率をそのまま当てはめる」のではなく、観ている対象に合わせて調整することです。人によって額の広さや顎の長さは違うのです。

 基準線は、正解を決める線ではなく、ズレを防ぐための補助線だと考えましょう。この段階で全体の縦横比を整えておくと、後から描き進めても大きく崩れにくくなります。

左右のバランスの崩れを防ぐ観方

 鉛筆画やデッサン初心者の人が顔を描くと、左右の目の高さが違ったり、鼻が中心からずれたりすることがよくあります。これは「片側だけを見て描いてしまう」ことが原因になります。

 顔は、左右対称に近い構造をしていますが、描くときに片側ずつ進めると、どうしてもズレが生じます。そこで大切なのは、常に左右をセットで比較しながら見ることです。

 たとえば、左目を描いたら、すぐ右目を描くのではなく、「左右の高さ」「目頭の位置」「眉との距離」を見比べます。鼻も、片側の小鼻だけを見るのではなく、左右の広がりをまとめて確認しましょう。

 また、途中でスケッチブックや紙を少し離れて観ることも効果的です。近くで観ていると気づきにくいズレも、少し距離(2~3m)を取ると、全体がよく見えてくるのです。

 顔は、細かい部分ほど気になりますが、自然に観えるかどうかは、実は全体のバランスで決まります。

 尚、余談ながら、「見る」と「観る」の違いは、前者が漠然と見るのに対して、後者では、意図をもってしっかりと観察することを指しているのです。^^

最初に描き込みすぎない重要性

 人物デッサン初心者の人が、失敗しやすい最大の原因の一つが、「早い段階で描き込みすぎること」です。

 最初から濃い線で輪郭を決めたり、目だけを細かく描き込んだりすると、後で全体とのズレに気づいても直しにくくなってしまいます。

 顔は、最初の段階ではあくまでも、「配置確認」が目的です。この時点では、2Bなどの柔らかい鉛筆で、線を軽く何度でも消せる程度にとどめることが大切です。

 とくに、輪郭や髪の生え際は、後から微調整が必要になる部分なので、決め打ちしないことが重要になります。

 また、初心者の人ほど「描いた量=進んだ感覚」になりがちですが、人物デッサンでは、最初に慎重に観察した結果が、仕上がりに大きく影響します。最初の比率を整えることは、顔全体の土台を作る作業なのです。

 ここを丁寧に行うだけで、目や鼻を描く段階での迷いが減り、自然で安定した人物デッサンに近づけられます。

顔の上達は、細部の技術よりも、まず全体を観る力から始まるのです。

鉛筆画が上達しないと感じるときは、才能ではなく「練習の方向」と「見直すべきポイント」がズレていることが少なくありません。

何を直せばよいのかを整理したい方は、まずは無料講座で全体像をつかんでみてください。

※メールアドレスのみで登録できます。いつでも解除可能です。

 顔の比率がうまく取れないと感じる方は、
人物デッサンで比率が狂う原因とは?正しい比率感覚を身につける練習法もあわせて確認してみてください。

輪郭を自然に見せるための捉え方と描き方

 顔の印象を大きく左右するのが輪郭です。目や鼻を丁寧に描いていても、輪郭が不自然だと全体が似て見えず、違和感のある人物デッサンになってしまいます。

 とくに初心者の人は、顔の外側の線を「記号」のように覚えて描いてしまいがちです。しかし、輪郭は単なる線ではなく、骨格・筋肉・脂肪の厚みが作る立体の境界です。

 本章では、人物デッサン初心者の人が、自然な輪郭を描くために必要な観方と手順を整理しましょう。

顔の外形を単純化して観る方法

 鉛筆画やデッサン初心者の人が、輪郭を描くときによくある失敗は、「最初から細かいカーブを追いすぎること」ではないでしょうか。

 頬の丸み、顎のライン、額のふくらみを全部一度に描こうとすると、線がさまよいやすくなり、結果的に不自然な形になります。最初に大切なのは、顔全体を大きな形として捉えることです。

 たとえば、顔を卵型、逆三角形、やや四角い形など、大まかな印象で観ます。これは、正確な輪郭線を描くための準備です。大きな形を先に押さえることで、細かい調整がしやすくなります。

 この段階では、まだ「似せる」ことを意識しすぎなくて構いません。大切なのは、制作画面全体における顔の配置位置、頭の傾き、顔幅、顎までの流れを把握することです。

 最初に大きな面を意識できると、その後の細かい線も自然につながるのです。輪郭は、細部の積み重ねではなく、まず全体の流れから作るものだと考えると、描きやすさが大きく変わります。

頬・顎・額の形の違いを観るコツ

 自然な輪郭を描くためには、顔のパーツごとの特徴を分けて観ることが重要です。顔全体を一つの曲線として処理すると、平坦で特徴のない顔になりやすくなります。

 まず額は、顔の上部で比較的なだらかな面です。人によって丸みの強さや広さが違うため、額のラインを丁寧に観察するだけでも印象が変わるのです。

 次に頬は、頬骨の張りや肉付きによって形が大きく変化する部分です。頬骨の位置を意識すると、顔の立体感がつかみやすくなります。

 顎は、初心者の人が、最も崩しやすい部分です。尖りすぎると不自然になり、丸くしすぎると幼い印象になります。顎先だけを観るのではなく、耳下から顎にかけての流れとして観ることが大切です。

 輪郭を自然に見せるには、「顔の外側の線をなぞる」のではなく、「どこで面が変化しているか」を感じ取る意識が必要です。顔の構造を意識して観る習慣が、輪郭の説得力を高めてくれます。

線を硬くしすぎない工夫

 鉛筆画やデッサン初心者の人の人物デッサンでは、輪郭線が必要以上に濃く、硬くなってしまうことがよくあります。

 これは、「輪郭=顔の境界線」と思い込んでいることが原因です。しかし実際には、顔の輪郭は光や角度によって、観え方が変わる柔らかな境目です。

 自然な輪郭に見せるには、最初から一本の濃い線で決めないことが重要です。最初は軽いタッチで何本か探るように描き、形が見えてきましたら、不要な線を練り消しゴムなどで整理します。これだけでも、線の硬さはかなり減ります。

 また、輪郭全体を均一な濃さで囲まないことも大切です。たとえば、光が当たっている側は線を薄くし、影側は少し強めると、顔に自然な立体感が出ます。輪郭線は「囲むための線」ではなく、「立体の境界を伝える線」なのです。

 さらに、首や髪とのつながりも意識すると、顔だけ浮いて観えるのを防げます。輪郭は顔単体ではなく、頭部全体の一部として捉えることが必要になります。

角度による輪郭の変化を理解する

 人物デッサン初心者の人が顔を描くときには、正面顔の感覚のまま斜め顔や横顔を描いてしまうことがあります。これが輪郭の不自然さにつながる大きな原因です。

 顔の輪郭は、角度によって大きく変わります。たとえば、斜め顔では、手前の頬は広く見え、奥側の輪郭は圧縮されて見えます。顎のラインも、観る角度によって鋭く見えたり、柔らかく観えたりします。

 ここで大切なのは、「知識で補う」のではなく、「観えた形を素直に追う」ことです。初心者の人ほど、「顔はこういう形」という思い込みで描きがちですが、実際には視点によってまったく違う印象になるのです。

 角度のある顔を描くときには、まず頭全体の傾きと奥行きを意識し、その中で輪郭がどう変化しているかを観るようにしましょう。耳の位置や首とのつながりも、角度を把握する大きな手がかりになります。

 輪郭は、人物デッサンの土台です。ここが自然になるだけで、顔全体の印象は大きく変わるのです。

細かいパーツを整える前に、まず顔の外形をしっかり観察し、立体として捉える力を育てることが、上達への近道になります。

 横顔の描き方をさらに詳しく知りたい方は、                      人物デッサン初心者が最初に練習すべき“横顔”の描き方7ステップも参考になります。

目を自然に描くための配置と立体感の考え方

 人物デッサン初心者の人が、最も気になりやすいのが「目」です。

 目は、顔の印象を決める重要なパーツなので、つい丁寧に描き込みたくなります。しかし、目だけを意識しすぎると、かえって不自然な顔になりやすくなります。

 目を自然に見せるために大切なのは、形を覚えて描くことではなく、「顔全体の中での位置」と「眼球の立体」を理解することです。

 本章では、初心者の人が、人物デッサンで失敗しやすいポイントを踏まえながら、自然な目の描き方を整理します。

目の位置はどこで決まるか

 鉛筆画やデッサン初心者の人が、目を描くときによくある失敗は、「なんとなく顔の上の方に置いてしまう」ことです。その結果、額が狭くなったり、顔全体のバランスが崩れたりします。

 人物デッサンでは、まず顔全体の縦の長さを観て、目の高さを決めることが大切です。

 一般的な正面顔では、目は顔の縦の中央付近に位置することが多いですが、これはあくまで目安です。人によって額の広さや顎の長さが違うため、制作対象を観察して調整する必要があります。

 大切なのは、目だけを単独で観るのではなく、額・鼻・口との位置関係の中で捉えることです。たとえば、「目から顎までの距離」「眉との間隔」「左右の高さ」をまとめて確認することで、顔全体が安定するのです。

 目の位置は、顔の印象を支える基準です。最初にここを落ち着いて確認するだけで、後のズレを大きく減らせます。

左右の目の距離の基本

 人物デッサン初心者の人が、目で失敗しやすいもう一つの原因は、左右の目の間隔です。目を描いているうちに、気づかないうちに寄り目になったり、逆に離れすぎたりすることがあります。

 左右の目の間隔を見るときは、「目そのもの」ではなく、「目と目の間の空間」を意識することが大切です。

 一般的には、左右の目の間には片目一つ分程度の間隔があることが多いですが、これもあくまで目安です。人物によって印象は違います。次の画像を参照してください。

 大切なのは、左右の目頭・目尻の位置関係を比較しながら観ることです。片方だけ先に描き込みすぎると、もう片方を合わせにくくなります。最初は左右を同時進行で軽く配置し、距離感を整えることが大切です。

 また、顔の向きが少しでも斜めになっている場合には、奥側の目が狭く見えることがあります。正面顔の感覚で無理に左右対称にすると不自然になるので、観え方をそのまま受け入れることが重要になります。

 目の間隔は、顔の自然さを支える大きな要素です。ここを丁寧に観る習慣をつけるだけで、人物デッサンの完成度は大きく上がるのです。

まぶたと眼球の立体を理解する

 鉛筆画やデッサン初心者の人が目を描くときに、目の形を単なるアーモンド型の記号として捉えてしまうことがあります。しかし実際の目は、球体である眼球の上にまぶたがかぶさっている立体構造になります。

 これを理解して描くと、目の自然さが大きく変わります。まず意識したいのは、「白目の部分も平面ではない」ということです。

 眼球は丸いので、光の当たり方によって陰影が生まれます。白目だからといって真っ白に塗り残すと、不自然に浮いて見えてしまいます。

 また、まぶたは眼球に沿ってカーブしています。上まぶたは特に厚みがあり、影を落としやすい部分です。

 この厚みを意識すると、目に奥行きが出ます。下まぶたも線一本で描くのではなく、面として捉えると柔らかい印象になります。次の作品を参照してください。

      第1回個展出品作品 人物Ⅲ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 まつ毛や二重線を描く前に、まず「球体の上に乗ったまぶた」という構造を理解することが大切です。人物デッサンでは、目を“描く”のではなく、“立体を観察する”意識が上達につながるのです。

黒く塗るだけで終わらせない描き方

 鉛筆画やデッサン初心者の人の、人物デッサンでは、目を印象的にしたいあまり、瞳やまつ毛を必要以上に黒く塗ってしまうことがあります。しかし、目だけが濃すぎると、顔全体から浮いてしまい、不自然な仕上がりになります。

 自然な目に見せるためには、「強く見せる部分」と「抑える部分」の差をつけることが大切です。たとえば、瞳の中心や瞳孔は比較的濃くしてもよいですが、白目や周囲の線まで全部強くすると硬い印象になるのです。

 また、目の印象は、黒さよりも「周囲との関係」で決まります。眉、鼻筋、頬の陰影とのつながりを意識することで、目だけを強調しなくても自然に存在感が出ます。

 さらに、光の反射を少し残すと、目に生命感が生まれます。ただし、これも描きすぎると不自然になるため、全体とのバランスが大切です。次の作品を参照してください。

       第1回個展出品作品 人物Ⅳ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 目は、顔の中で最も目を引く部分ですが、人物デッサンでは「目だけうまく描く」ことが目的ではありません。

顔全体の中で自然に調和する目を描けるようになることが、本当の上達につながります。

 目の配置やバランスで違和感が出る方は、
顔が似ない原因がわかる!人物デッサン上達のための練習法とは?も参考になります。

 目の描き方をさらに詳しく学びたい方は、
鉛筆デッサンで目の描き方を上達するためのテクニックやコツと練習法も参考になります。

鼻と口を違和感なく描くための観察ポイント

 人物デッサン初心者の人が、顔を描くとき、目の次に悩みやすいのが鼻と口です。

 目は、印象的なため注意して描く人が多い一方、鼻や口は「何となく」で処理してしまい、結果として顔全体に違和感が出ることがあります。

 鼻と口は、顔の中心にあり、表情や立体感を左右する重要な要素です。ただし、ここでも大切なのは、線で形をなぞることではなく、「顔の面の変化」を観察することです。

 本章では、人物デッサン初心者の人が、自然な鼻と口を描くために必要な観方を整理します。

鼻を線で描きすぎてはいけない理由

 鉛筆画やデッサン初心者の人が、鼻を描くときによくある失敗は、鼻筋や小鼻を輪郭線のように強く描いてしまうことです。すると、顔の中心に不自然な線が浮きあがり、平面的で硬い印象になってしまいます。

 実際の鼻は、顔の中心から前に出ている立体です。つまり、鼻は「線」で存在しているのではなく、「光と影」で形が見えているものです。この考え方がとても重要です。

 まず鼻を描くときは、鼻筋の一本線を決めようとしないことです。鼻筋は、額から滑らかにつながる面の変化として観ます。

 正面顔では特に、鼻筋の線ははっきり観えないことも多いため、無理に線を描かなくても構いません。

 小鼻も、輪郭を囲うのではなく、左右の広がりと下側の影を観ることが大切です。鼻先の丸み、小鼻の張り、鼻の付け根の陰影を観察すると、自然な立体感が出ます。

 鼻は、描き足すほど良くなる部分ではありません。むしろ、必要以上に線を入れない勇気が、人物デッサンの自然さにつながるのです。

鼻筋と小鼻の陰影の観方

 自然な鼻に見せるためには、鼻の構造を大まかに理解しておくことが大切です。鼻は、単なる三角形の突起ではなく、複数の面が組み合わさってできているのです。

 鼻筋は、正面から見ると比較的平らな面として観えます。その両側には、少しずつ角度の変わる側面があります。この面の違いが、光によって明暗差を生みます。

 鉛筆画やデッサン初心者の人は、鼻筋を一本の線で描きたくなるでしょうが、実際には明暗の差で立体を表現する方が自然です。

 鼻先は、光が当たりやすく、丸みを持つ部分です。小鼻の下や鼻の穴の周辺には影が入りやすいため、ここを丁寧に観ると鼻の存在感が出ます。

 ただし、鼻の穴を黒く描きすぎると強調されすぎるので注意が必要です。鼻を観るときには、「どこが前に出ていて、どこが奥に引っ込んでいるか」を意識しましょう。

 面の向きの変化を感じ取れるようになると、線に頼らなくても鼻の立体感を自然に表せるようになります。

口角と唇の厚みの捉え方

 口も、初心者の人が記号的に描きやすい部分です。口の輪郭をはっきり囲んだり、唇を強く塗ったりすると、不自然に目立ってしまうことがあります。

 まず大切なのは、口は「一本の線」ではなく、「上下の唇が合わさる境界」だということをしっかりと意識しましょう。

 口の中央の合わせ目は、比較的濃く見えますが、端にいくほど柔らかく見えることが多いため、均一な強い線を描かないことが大切です。

 上唇は光が当たりにくく、やや暗く観えやすい一方、下唇は光を受けやすく、明るく観えやすい傾向があります。この違いを意識すると、自然な立体感が出ます。

 また、口角は表情を左右する重要な部分です。少し上がるだけで微笑みに観え、下がると疲れた印象になります。口角の角度を慎重に観察することで、表情の説得力が大きく変わるのです。

 唇を描くときは、形を追うよりも、「厚み」と「面の向き」を観ることが大切です。人物デッサンでは、口もまた立体として捉えることが重要になります。

表情を自然に見せるコツ

 鼻と口を自然に描くためには、それぞれを単独で観るのではなく、顔全体の流れの中で捉えることが大切です。

 鉛筆画やデッサン初心者の人は、鼻を描いてから口を描くというように、部分ごとに進めがちですが、それでは表情のまとまりが失われやすくなります。

 たとえば、鼻の下から口までの距離、口から顎までの長さは、顔の印象を大きく左右します。ここが少し違うだけで、年齢や性格の印象まで変わって観えることがあります。

 また、鼻と口の位置関係を観るときは、正面だけでなく、横からの奥行きも意識することが大切です。鼻先がどの程度前に出ているか、口元がどれだけ引っ込んでいるかを見ると、顔全体の立体感が自然になるのです。

 さらに、口元は感情が最も出やすい部分です。ほんのわずかな角度の違いで、穏やかさ、不安、緊張感などが変わります。

 だからこそ、形を覚えて描くのではなく、「今この人がどんな表情をしているか」を観察する姿勢が重要です。鼻と口は、顔の中心で印象を支える土台です。

 ここを自然に描けるようになると、人物デッサン全体が、一気に落ち着いて見えるようになります。

なかやま

細部を描き足す前に、まず面と位置関係を観る力を育てることが、確かな上達につながるのです。

 鼻の描き方を基礎からしっかり理解したい方は、
鉛筆デッサンで鼻を描く基本ステップ!初心者が知るべきポイントもあわせてご覧ください。

顔の立体感を出す陰影の基本

 人物デッサン初心者の人が顔を描いたときに、「形は合っているはずなのに平面的に観える」と感じることは少なくありません。その原因の多くは、陰影の捉え方にあるのです。

 顔は、額・頬・鼻・口元など、さまざまな面の集合でできているため、光の当たり方によって立体感が生まれます。

 ところが、鉛筆画やデッサン初心者の人は、影を「暗い部分」としてしか見ず、何となく塗ってしまいがちです。自然な顔に見せるには、陰影を“面の変化”として理解することが重要なのです。

 本章では、人物デッサン初心者の人が、最初に身につけるべき陰影の基本を整理します。

光源を最初に決める重要性

 人物デッサンで陰影を自然に見せるためには、最初に「どこから光が来て、光りが人物のどこに当たっているか」を意識することが極めて大切です。

 これを曖昧にしたまま描き進めると、顔のあちこちに不自然な影ができて、立体感が失われてしまいます。

 たとえば、左上から光が当たっているのならば、額の左側、鼻筋の左面、頬の高い位置などに光が入りやすくなるのです。

 一方で、鼻の右側、小鼻の下、顎の奥などには影ができやすくなります。このように、光源を最初に意識するだけで、顔全体の方向性が整います。

 鉛筆画やデッサン初心者の人ほど、影を後から足そうとしがちですが、陰影は仕上げではなく、最初から構造と一緒に考えるものです。

 輪郭や目・鼻・口の位置を決める段階で、すでに光の方向を頭に入れておくと、自然な陰影につながります。

 光源を決めることは、顔の立体を組み立てる設計図を作ることと同じです。ここが曖昧な場合には、どれだけ丁寧に描いても平面的な印象から抜け出せません。

頬・鼻・目周りの影の考え方

 顔の陰影を自然に見せるためには、「影ができる場所の理由」を理解することも大切です。単に暗い部分を塗るのではなく、なぜそこが暗くなるのかを考えることで、説得力が生まれます。

 まず頬は、顔の中でも広い面積を持つ部分です。頬骨の高い位置は光を受けやすく、その下には緩やかな影ができます。この明暗の差が、顔の丸みや骨格を伝える重要な要素になるのです。

 鼻は、顔の中心で最も前に出ているため、影を作りやすい部分です。鼻筋の片側、小鼻の下、鼻先の横などに自然な影が入ります。ここを適切に表現できると、顔の立体感が一気に増します。

 目の周りも非常に重要です。眼球は奥にあり、上まぶたが影を落とすため、目のくぼみには自然な暗さが生まれます。また、眉骨の張りも陰影に影響するのです。

 鉛筆画やデッサン初心者の人は、目そのものばかりに意識が向きがちですが、目の周りの陰影を丁寧に観ることで、顔全体の深みが増せます。

 陰影は、顔の骨格や凹凸を見せる手段です。影を「塗るもの」ではなく、「形を伝えるもの」と考えることが大切です。

中間トーンの使い方

 人物デッサン初心者の人が、陰影で失敗しやすい原因の一つが、「明るい・暗い」の二段階だけで処理してしまうことです。しかし、顔の立体感を自然に見せるためには、中間トーンの存在が欠かせません。

 中間トーンとは、光が当たっている明るい部分と、深い影の間にある、柔らかな灰色の層のことです。この部分があることで、面の変化が滑らかになり、顔に自然な奥行きが出ます。

 たとえば、頬は最もわかりやすい部分です。頬骨の高い位置が明るく、その下に向かって徐々に暗くなっていくのです。

 このなだらかな変化を描けると、顔が柔らかく見えます。逆に、いきなり濃い影を入れると、不自然で硬い印象になります。

 鼻筋や額も同じです。強い明暗差をつける前に、まず中間トーンで全体の空気感を整えることが大切なのです。

 初心者の人ほど、「濃くすれば立体感が出る」と思いがちですが、実際には、滑らかな明暗の移行こそが顔のリアリティーを作ります。中間トーンを丁寧に扱えるようになれると、人物デッサン全体の完成度が一段上がります。

顔を平面にしない濃淡の作り方

 顔を自然に立体的に見せるためには、「濃い部分」だけでなく、「抜く部分」を意識することが重要です。

 鉛筆画やデッサン初心者の人は、陰影をつけようとして顔全体を均一に暗くしてしまうことがありますが、それでは面の違いが失われ、かえって平面的になります。

 まず大切なのは、最も明るい部分を残すことです。額の中央、鼻筋の上部、頬骨の高い位置、下唇の中央など、光が強く当たる場所を最初から意識しておくと、顔全体にメリハリが出るのです。

 次に、濃い影を入れる場所を絞ることです。鼻の下、目のくぼみ、顎の下など、影が自然に集まる部分に濃い影を集中させることで、無理のない立体感が生まれます。

 また、顔全体を一度に仕上げようとしないことも大切です。人物デッサンでは、少しずつ濃さを重ねながら、全体を観て調整することで失敗しにくくなれるのです。

 途中で2^3m離れて観たり、左右のバランスを確認したりすることで、描き込みすぎも防げます。陰影は、顔を「似せる」ためだけのものではなく、「存在感」を与えるための要素です。

光と影の流れを丁寧に観察し、面として捉える習慣を身につけることで、人物デッサンは一気に自然で魅力的な表現へと変わっていきます。

 陰影の入れ方に迷う方は、
影が不自然になる原因とは?光源の理解で劇的に変わる鉛筆画の描き方もあわせてご覧ください。

「似ない顔」にならないための見直し方法

 人物デッサン初心者の人が顔を描いていると、「なんとなく違う」「雰囲気が出ない」と感じることがよくあるのではないでしょうか

 目や鼻、口を丁寧に描いていても、全体として違和感が残ることは珍しいことではありません。

 これは、描く技術が足りないというよりも、「途中で見直す視点」が不足していることが大きな原因です。人物デッサンでは、描くことと同じくらい、途中で客観的に確認することが重要です。

 本章では、顔が似なくなる原因を減らし、自然な人物デッサンに近づけるための見直し方法を整理します。

途中で離れて見る習慣をつける

 鉛筆画やデッサン初心者の人が、顔を描くときに最も陥りやすいのが、「スケッチブックや紙に近づきすぎること」です。

 細かい部分に集中しているうちに、全体のバランスが見えなくなり、気づかないままズレが積み重なっていきます。

 顔は、目や鼻といった部分の完成度だけでは自然に見えません。制作画面上での配置位置、輪郭、パーツの位置、顔の傾き、陰影の流れなど、全体の調和が重要です。

 そのため、一定のタイミングでスケッチブックや紙から目を離し、2~3m距離を取って確認する習慣が必要です。

 たとえば、輪郭を描いた後、目を配置した後、陰影を入れ始めた後など、区切りごとに全体を観ると、ズレに早く気づけます。

 近くでは、気にならなかった小さな傾きや左右差も、離れて見るとすぐに分かることがあるのです。

 人物デッサンでは、描いている時間の長さよりも、「適切なタイミングで立ち止まること」の方が大切な場面が多くあります。少し離れて見るだけで、修整の負担を大きく減らせます。

左右の反転で違和感を見つける

 人物デッサン初心者の人に、特におすすめしたい見直し方法が、左右反転の確認です。描いているうちに、自分の目は少しずつ今の作品に慣れてしまい、ズレや歪みに気づきにくくなります。

 これを防ぐのが、反転チェックです。スマートフォンで作品を撮影し、左右反転して見るだけでも充分効果があるのです。

 あるいは、鏡に映して確認する方法でも構いません。反転すると、普段見慣れていたバランスが一気に新鮮に見え、違和感が浮き彫りになります。

 とくに、見直したいのは、左右の目の高さと位置、鼻筋の傾き、口角のズレ、輪郭の歪みなどです。描いているときは気づかなかった小さなズレも、反転すると強く感じられることがあるのです。

 大切なのは、反転で「失敗を探す」ことではなく、「冷静に確認する」ことです。違和感を早い段階で見つけられれば、少しの修整で自然な顔に戻せます。

 人物デッサンでは、客観視する工夫を持つ人ほど上達が早くなります。反転確認は、そのための最も簡単で効果的な方法の一つなのです。

部分ではなく全体で直す意識

 顔が似ないと感じたとき、初心者の人はつい「目だけ直す」「鼻だけ描き直す」と、気になる部分に手を入れたくなります。しかし、顔の違和感の多くは、部分単体ではなく、全体の関係性のズレから生まれています。

 たとえば、「目が変だ」と思っていても、実際には輪郭が狭すぎたり、鼻の位置が高すぎたりすることがあります。つまり、原因は別の場所にあることが多いのです。

 そのため、違和感を感じたら、まず顔全体を観直すことが大切です。顔の傾き、パーツ同士の距離、左右バランス、光の流れなどを一度整理してから、必要な部分を調整します。

 また、消して描き直す前に、「なぜ違和感があるのか」を言葉にして考えると、修整の精度が上がります。たとえば、「右目が高い」「鼻が少し左に寄っている」と具体的に把握すると、無駄な描き込みを防げるのです。

 人物デッサンでは、細部を整える技術よりも、全体を整える判断力の方が重要です。部分をいじる前に、全体を観る癖をつけることが、自然な顔への近道になります。

描き込み前に止まる判断の大切さ

 鉛筆画やデッサン初心者の人が、人物デッサンで失敗しやすい最大の原因の一つが、「不安だから描き込んでしまうこと」です。

 似ていない気がすると、まつ毛を増やしたり、影を濃くしたり、髪を細かく描き足したりしたくなります。しかし、多くの場合、それは問題の解決にはなりません。

 むしろ、土台がずれたまま描き込みを進めると、修整がさらに難しくなります。人物デッサンでは、「今ここから先を進めていいか」を判断する力がとても大切です。

 たとえば、顔全体の比率に少しでも不安があるなら、その段階で一度止まり、確認するべきです。目の位置、輪郭、鼻と口の距離などを見直してから進む方が、結果的に早く、自然な仕上がりになります。

 また、「今日はここまで」と止める勇気も大切です。描いている時間が長くなると、客観性が落ち、余計な描き込みが増えやすくなるのです。

 一度時間を置いて、翌日に見直すと、驚くほど冷静に判断できることもあります。顔が似ない原因は、才能の差ではありません。

 筆者は、一週間ほど空けて、改めて「点検」することが多いです。必ず複数個所の修整が出てくるものと心得ていますので、慌てて定着材(フィキサチーフ)は掛けないようにしているのです。^^

なかやま

多くは、途中で立ち止まる習慣の有無です。描く力だけでなく、見直す力、止まる判断力を育てることで、人物デッサンは確実に安定していきます。

 見直し力や観察力をさらに高めたい方は、
写真のように描けない理由!観察力を劇的に高めるトレーニング法とは?も参考になります。

上達を早める初心者向け顔練習メニュー

 人物デッサン初心者の人が、顔の描写で上達したいと思ったとき、大切なのは「難しい顔を描くこと」ではなく、「続けられる順番で練習すること」です。

 最初から、写真のようにリアルな人物を描こうとすると、比率・輪郭・目・鼻・口・陰影など、同時に考えることが多すぎて挫折しやすくなってしまいます。

 顔の上達は、才能ではなく、観察と積み重ねで確実に伸ばせる分野なのです。

 本章では、人物デッサン初心者の人が無理なく続けられ、顔の描き方の基礎を着実に身につけられる練習メニューを紹介します。

正面顔の練習から始める理由

 鉛筆画やデッサン初心者の人が、最初に顔を練習するときは、まず正面顔から始めるのが最も効果的です。理由は、顔の構造を理解しやすく、左右のバランスを確認しやすいからです。

 斜め顔や横顔は、魅力的に見えますが、奥行きやパース(遠近法)の理解が必要になるため、初心者の人には難易度が高くなるのです。

 最初の段階で難しい角度に挑戦すると、「顔が苦手」という苦手意識が強くなってしまうことがあります。

 正面顔では、顔の中心線、目の位置、鼻と口の距離など、人物デッサンの基本となる構造を整理しやすくなります。また、左右のズレにも気づきやすいため、修整の練習にも向いているのです。

 最初は、完璧に似せることを目標にしなくて構いません。大切なのは、「顔全体の比率を崩さず描く感覚」を身につけることです。正面顔を繰り返すことで、顔を見る基礎力が着実に育ちます。

短時間スケッチの効果

 人物デッサン初心者の人にとって、顔の上達に非常に効果的なのが短時間スケッチです。これは、一枚を丁寧に完成させるのではなく、短時間で何枚も描く練習方法になります。

 たとえば、10分~20分程度で顔のアタリ、輪郭、目鼻口の配置までを素早く描く練習を繰り返します。この方法の最大の利点は、「描き込みすぎる癖」を防ぎ、全体を観る力を鍛えられることです。

 鉛筆画やデッサン初心者の人は、一枚に時間をかけすぎると、細部にこだわりすぎて全体を見失いがちです。しかし短時間スケッチでは、限られた時間の中で「何を優先して観るべきか」を自然に学べます。

 また、失敗を恐れにくくなることも大きなメリットです。一枚にすべてをかける必要がないため、気軽に挑戦でき、経験値を増やしやすくなれるのです。

 人物デッサンは、たくさん描いた人ほど、顔の特徴を素早く捉えられるようになります。短時間スケッチは、その感覚を育てる最適な練習法になります。

毎日続けやすい課題の設定

 顔の練習で最も大切なのは、特別な日だけ頑張ることではなく、「少しでも継続すること」です。人物デッサン初心者の人ほど、最初から完璧な計画を立てようとして挫折しやすいため、無理のない課題の設定が重要です。

 たとえば、毎日15分だけでも構いません。今日は輪郭だけ、明日は目の配置だけ、次の日は鼻と口の位置だけ、と小さく分けて練習するだけでも充分効果を得られます。

 また、練習内容を細かく決めすぎないことも大切です。「今日は正面顔を一枚描く」「今日は目の位置だけ確認する」など、簡単な目標の方が続けやすくなるのです。

 人物デッサン初心者の人に必要なのは、長時間描くことではなく、「顔を観る習慣」を生活の中に取り入れることになります。

 毎日少しずつでも、観察と手の動きを積み重ねることで、人物デッサンの感覚は確実に育ちます。続けられる練習は、無理な練習よりもはるかに強い力になるでしょう。

失敗を記録して次に活かす方法

 人物デッサン初心者の人が、上達を早めるためには、「描いた後の振り返り」がとても重要です。

 多くの人は、描き終えたらそこで終わってしまいますが、本当の上達は、次にどう活かすかで決まります。

 たとえば、一枚描いたら、次のような点を簡単に振り返ってみましょう。

  • 目の高さは揃っていたか。
  • 鼻の位置は自然だったか。
  • 輪郭が、左右で崩れていなかったか。
  • 陰影は、光の方向に合っていたか。

 このように、自分の癖を少しずつ把握していくことで、次に意識すべきポイントが明確になります。失敗を「下手だから」と片づけるのではなく、「何を直せば良くなるか」と考えることが大切になります。

 また、過去の練習を残しておくと、自分の成長も見えやすくなります。最初はうまくいかなくても、数週間後に見返すと、確実に変化していることに気づけるはずです。

 顔の上達は、一枚の傑作を描くことではなく、積み重ねた観察の量で決まります。

小さな改善を続ける人ほど、人物デッサンは確実に自然で魅力的な表現へと変わっていくのです。

 練習全体の流れを体系的に理解したい方は、
鉛筆画・デッサンが上達しない人のための練習完全ガイドもぜひご覧ください。

 顔の各パーツをまとめて理解したい方は、
鉛筆画・デッサンで初心者から上級者必見!人物の顔のデッサン:目・鼻・口の描き方ガイドも参考になります。

練習課題(3つ)

 本章では、あなたが実際に手を動かして練習できる課題を用意しました。鉛筆画やデッサンは練習しただけ上達できますので、早速試してみてください。

正面顔の比率確認トレーニング

目的


 顔全体の比率と、パーツの配置の基本を身につける。

内容


 雑誌やスマホの人物写真を参考に、正面顔を1枚選びます。
 最初の10分は、輪郭・顔の中心線・目の位置の横線だけを軽く描き、顔全体のバランスを確認してください。
 その後、目・鼻・口を簡単に配置し、最後に全体のズレを見直します。

           参考画像です

ポイント

  • 最初から細部を描かない
  • 顔全体の、縦横比を優先する
  • 左右の目の高さを必ず比較する
  • 途中で少し離れて確認する

効果


 人物デッサンで最も大切な「全体を観る力」が身につき、顔の土台を安定して描けるようになります。

目・鼻・口の位置関係集中トレーニング

目的


 顔の中心パーツの配置感覚を、適切に身につける。

内容


 正面顔またはやや斜め顔の写真を参考にし、顔全体ではなく、目・鼻・口の範囲だけを拡大して描きます。
 最初に中心線を引き、目の高さ、鼻の長さ、口までの距離を観察しながら進めてください。
 1枚を仕上げるよりも、30分以内で2~3パターン描くことを優先します。

         参考画像です

ポイント

  • 目の位置を先に決める。
  • 鼻筋を線で描きすぎない。
  • 口角の高さを左右で確認する。
  • 部分ではなく、距離感を見る。

効果


 顔の違和感の、大きな原因である「パーツのズレ」が減り、自然な顔立ちに近づきます。

陰影で立体感を出す顔スケッチトレーニング

目的


 顔の平面感をなくし、自然な立体感を身につける。

内容


 光の方向がはっきり分かる人物写真を1枚選びます。
 最初に輪郭とパーツの位置を簡単に取り、その後、額・頬・鼻・目周りの面の変化を意識しながら、明るい部分・中間トーン・影を段階的に描き分けてください。
 細かい描写よりも、顔全体の光の流れを優先します。

        参考画像です

ポイント

  • 最初に光源を決める。
  • 濃い影を急に入れない。
  • 中間トーンを丁寧に作る。
  • 明るい部分を残す。

効果


 顔に自然な奥行きが生まれ、鉛筆画やデッサン初心者の人でも、人物デッサンらしい立体感を出しやすくなれます。

まとめ

        第1回個展出品作品 人物Ⅵ 1997 鉛筆画 中山眞治

 人物デッサン初心者の人にとって、顔は最も難しく感じやすいモチーフの一つでしょう。

 目・鼻・口など印象的なパーツが集まっているため、少しのズレでも違和感につながりやすく、「うまく描けない」と感じてしまう人も少なくありません。

 しかし、顔の上達に必要なのは、特別な才能やセンスではなく、「適切な順番で観る力」を身につけることです。今回お伝えしました7つのステップは、人物デッサン初心者の人が最初に身につけるべき、顔の基本そのものです。

 最初から、リアルな表現を目指す必要はありません。大切なのは、顔を部分の集まりとしてではなく、一つの立体として捉えることになります。まず重要なのは、描き始める前の全体の比率の確認になります。

 輪郭や目からいきなり描き始めるのではなく、顔全体の縦横比や中心線を丁寧に取るだけで、後のズレを大きく防げます。ここを急がないことが、自然な顔への第一歩です。

 次に、輪郭の見方を変えることも大切です。顔の外側の線は、単なる境界線ではなく、骨格や肉付きが作る立体の変化です。大きな形から捉え、細かい線に頼りすぎない意識が必要になります。

 また、目・鼻・口を描くときも、イメージの中にある「記号」で描かないことが重要です。目は眼球とまぶたの立体、鼻は面の変化、口は厚みと陰影として観察することで、顔全体の自然さが生まれるのです。

 とくに、初心者の人ほど、部分の形を覚えるのではなく、「なぜそう観えるか」を考えることが大切になります。

 さらに、人物デッサンで差が出るのが陰影です。陰影は、ただ暗くするためのものではなく、顔の立体を伝えるための重要な要素です。

 光源を意識して、明るい部分・中間トーン・影の流れを丁寧に作ることで、顔は一気に自然な印象になります。

 そして、顔を上達させるためには、「描く力」だけでなく、「観直す力」も欠かせません。途中で離れて観る、左右反転で確認する、違和感の原因を全体の描写の中で考える。

 この習慣がある人ほど、人物デッサンの安定感は早く身につきます。最後に、人物デッサン初心者の人にとって、何よりも大切なのは無理なく続けることです。

 顔は、一度で上手く描けるものではありませんが、適切な順番で観察し、少しずつ積み重ねれば、必ず変わっていけます。

<上達のために意識したいポイント>

  • 最初に、顔全体の比率を必ず確認する。
  • 輪郭は、大きな形から捉える。
  • 目・鼻・口は、記号ではなく立体として観る。
  • 光の方向を意識して陰影を作る。
  • 描き込みすぎる前に立ち止まる。
  • 途中で全体を見直す習慣をつける。
  • 短時間でも、継続して顔を観察する。

 顔の上達は、細かいテクニックの積み重ねではなく、「観る順番」と「考え方」で大きく変わります。

 焦らず、ひとつずつ基礎を積み上げていけば、人物デッサンは必ず楽しくなり、自然な顔を描ける手応えにつながっていけるでしょう。

鉛筆画が上達しないと感じるときは、才能ではなく「練習の方向」と「見直すべきポイント」がズレていることが少なくありません。

何を直せばよいのかを整理したい方は、まずは無料講座で全体像をつかんでみてください。

※メールアドレスのみで登録できます。いつでも解除可能です。

 ではまた!あなたの未来を応援しています。