視線の流れで画面が変わる!鉛筆画構図に新風を吹き込む7つの工夫

 こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

      筆者近影 作品「月のあかりに濡れる夜Ⅳ」と共に

 さて、鉛筆画の構図に「視線の流れ」を意識することで、作品の印象は劇的に変わります。鉛筆画中級者の人の多くが抱える「構図のマンネリ」は、視線誘導を工夫することで一気に解決へと導けます。

 この記事では、視線が自然に動く構成の考え方から、画面にリズムや深みを生み出す実践的な7つの方法をご紹介します。

 ルールではなく、あくまで“観てくださる人の目の動き”を意識したアプローチが、構図の新たな可能性を引き出すのです。あなたの鉛筆画に、新しい流れと魅力を吹き込むヒントがここにあります。

 尚、あなたが既にたくさんの作品を制作していて、「そろそろ個展を開催したい」とお考えの場合には、この記事の最終部分に、有益な関連記事を掲載してありますのでご覧ください。

 それでは、早速見ていきましょう!

Table of Contents

S字構図で自然な流れを演出する

 視線が滑らかに動く構図として、定評のあるS字構図は、鉛筆画に柔らかなリズムと奥行きを与えてくれる手法です。

 本章では、鉛筆画中級者の人が一歩進んだ構成を目指すうえで、観てくださる人の目線の動きを設計するという視点が重要になる点を解説します。

S字の曲線がもたらす視覚的快適さ

 S字の形状は、人の視線を自然に左右上下へと導びいてくれるのです。

 川の流れや小道のカーブなど、視線がなめらかに進むことで、画面に心地よさが生まれます。

背景とモチーフのリズム感を意識

 背景とモチーフを交互に配置することで、視線は波打つようにリズミカルに動きます。

 単調になりがちな構図に動きを加えたいときに有効です。

主役を際立たせる配置の工夫

 S字の末端や中心に、モチーフの主役を配置すると、視線の流れの中で自然と注目を集めます。

 無理に目立たせることなく、自然な導線で印象づけられます。

視線誘導としての導線の使い方

 道や枝、影などの要素を使い、S字のラインを画面に引くことで視線を誘導できます。

 複数のS字が交差しないよう整理するのもポイントです。

なかやま

S字構図はやわらかな視線誘導に優れ、自然な流れで主役へ導く力があります。静けさや、やさしさを表現したい鉛筆画に特に有効な構図です。

Z字(ジグザグ)構図で視線にリズムと変化をつける

 まず最初に、Z字(ジグザグ)構図はS字構図よりも自由な使い方ができる構図であり、Z字を感じさせる強い印象のある構図なので、応用範囲も広く使えます。

 特に、川や道路などの構図では、S字と似たような感じになってしまいますが、複数のモチーフなどでジグザグを表現できると変化が生まれるのです。

 そして、草原に羊がジグザグに並んでいて、奥へ行くほど密集しているようなパターンで使うことができますし、山々の配置や草原の中の花の位置でも使えたりします。

 また、風景画では、丈の高いものと低いものがランダムに並んでいるような場合でも、ジグザグを表現できます。手前から徐々に間隔を詰めて繋がっていく線に斜めの線が加われば、しかりとZ字を構成できるばかりか、奥行きも表現できるのです。

 尚、Z字構図は、地表面の2次元の奥行で使う場合と、3次元の高さのある物体の奥行に従って、交互に配置することでも活用できます。次の画像を参照してください。

 意図的にこのように変更することで、新たな制作に活かすことができます。よりダイナミックな視線誘導を実現するには、Z字構図が効果的です。

 本章では、複数のポイントをリズムよくつなぎながら、画面全体を見せるテクニックを掘り下げます。

ジグザグの動きが生む視線の跳ね

 Z字の構図の視線の流れは、左右の往復を伴うため、視線に緩急が生まれます。

 画面内に、緊張感やエネルギーを与えたいときに適しています。

主題と副題の関係を整理する

 Z字の三つのポイントを使って、主題・副題・背景を段階的に配置すると、ストーリー性を持った構図に変化します。

 流れの終点を意識することも重要です。

空間の対比を強調する

 Z字構図は上下左右を大胆に使えるため、光と影、静と動、手前と奥などの対比構成に強く、印象的な構図をつくり出せます。

線の動きを意識したレイアウト

 手前から奥へ斜めに伸びる道や、左右の高さのある建物などの配置を平行に配置するのでは、変化がなく作品構成上の面白みに欠けてしまいます。

 そこで、そのような場合には、左右をそれぞれずらすことで、空間上をたどる視線が自然とZの形をたどるように意図的に要素を配置することで、構図が引き締まります。

Z字構図は、動きと強調を両立できる貴重な手法です。印象的で覚えやすい作品づくりに活用すれば、構図の幅を一段階広げることができるでしょう。

対角線構図で奥行きと展開を演出する

 画面の対角線を利用した構図は、手前から奥へと自然に視線が流れるダイナミックな構成が可能になります。

 因みに、次の作品は、画面左下角によく見えていませんが、地面を割って出た植物の芽があり、その左下角と画面右上の角を結ぶ斜線上に、画面中央の左側に準主役の植物の芽を配置しています。

国画会展 入選作品 誕生2001-Ⅱ F80 鉛筆画 中山眞治

 そして、その斜線上で、画面中央の右側が主役の植物の芽(エンドウ豆)です。この準主役と主役の位置は、画面の黄金分割線上に配置しています。

 また、主役の背景には死の象徴として枯葉を置き、「生と死の対比」をおこないながら、画面右端の「タバコの吸い殻」も使って、観てくださる人の視線を画面左下角から、画面右上の角へと導いています。

 つまり、上の画像の「黄金分割構図基本線」の中の、①や②を上手に使うということです。その上の作品の中では、枯葉の虫食いや、水滴の位置なども全て使って斜線を暗示しています。

 本章では、特に風景や人物群の配置に適した手法である、対角線構図について解説します。

対角線が生む遠近感とパースペクティブ(遠近法)の効果

 対角線構図は、自然と画面に奥行きを生むため、鉛筆での遠近表現と相性が良い構図です。

 立体感が必要な場面で効果を発揮します。

画面全体を使った視線誘導に効果的

 観てくださる人の視線が端から端まで走るので、部分的に力を抜いても全体がまとまりやすくなります。

 視点の移動を意識した構成が重要です。

主題への視線誘導に活用できる

 対角線の中間点や終点に主役を置くことで、視線の流れを自然と誘導できます。

 見せたい部分を、より強調する構図設計が可能になります。

複数のモチーフの配置に応用

 対角線の途中に複数のモチーフを配置することで、視線の流れに沿って順番に観てもらう意図的な構成ができます。

なかやま

対角線構図は、スケール感や、空間のつながりを表現するのに適しています。鉛筆画中級者の人が、遠近を意識する練習にも最適な視線誘導の型です。

曲線と直線のバランスで目の流れを整える

 曲線と直線の要素を組み合わせた構図は、視線の動きに緩急をつけながら、メリハリのある画面を作り出すのに役立ちます。

 尚、次の作品では、左右からの対角線上にモチーフを乗せて、黄金分割の構図を使いながら、大地の広がりを表現するために、地平線を丸く描いています。地平線は「マクロな視点」では丸いからです。

国画会展 入選作品 誕生2002-Ⅰ F100 鉛筆画 中山眞治

 本章では、曲線と直線の活用によって、画面内にまとまりが出る点について解説します。

緊張と緩和のリズムを作る

 曲線が柔らかさを、直線が緊張感を生むため、両者を意図的に配置すると画面に緊張と緩和のバランスが取れます。

 難しいことはありません。水平の地平線と、丸いモチーフを組み合わせるだけでも良いのです。静物画であれば、球形状のモチーフと床の水平線の組み合わせなどです。^^

 次の作品でも、丸いモチーフに対して、部屋の床の水平線をぼんやりと描いてはいますが、組み合わせています。

        反射 2018 F1 鉛筆画 中山眞治

モチーフの動きを意識した線の配置

 人の動きや植物のしなりを曲線で、建物や地面を直線で表現することで、視線に流れと焦点が生まれます。

 次の作品では、奥から手前に向かって伸びてくる直線の歩道で、緊張感と奥行きを同時に表現しています。

       境内にてⅠ 2021 F4 鉛筆画 中山眞治

画面の広がりをコントロール

 曲線は視線を誘導するのに優れ、直線は構図を安定させます。

 両者を交差させることで、画面に安定感と広がりが同居します。

 次の作品は、台所のシンクの一部分ですが、溝を使って奥から手前に向かってくることで緊張感を出し、3つの水滴も奥から手前に来るにしたがって、大きさを徐々に大きくすることでリズムを出しています。

        水滴Ⅵ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

線による導線の工夫

 枝、道、建物などの線を使って、視線の動線を明確にすることは、構図全体の整理にもなります。

 ついでに、次の作品では、カーブして登る道路の先の交差点付近に視線を誘導しています。尚、この作品の中の樹木には、「何となくわかる」程度の描き込みしかしていません。

    第3回個展出品作品 坂のある風景Ⅰ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 その理由は、我々人間の目は、「細かい柄や模様」に注意を惹きつけられる習性があるので、このように「意図的に手を抜いて」描いています。

 もしも、この作品の左側の樹木に細密描写したとすれば、観てくださる人の目をこちらが導きたい部分へは導けませんし、観てくださる人からしても、「意図の不明な作品」になってしまうのです。

曲線と直線の効果的な併用は、視線の流れに抑揚を与える構図設計に欠かせません。鉛筆画ならではの、描線表現を生かす構図構築に役立ちます。

3分割構図をベースに視線誘導を強化する

 3分割構図は安定感と視線の流れの両立ができる万能構図です。

 本章では、鉛筆画中級者の人は、ここに視線の流れを意識的に加えることで、マンネリから脱却できます。

3分割の基礎と安定感

 画面を縦横3分割し、交点や線上にモチーフを配置することで、バランスの取れた構図になります。

 特に風景や静物画では有効です。

 次の画像では、左側の花瓶の位置を3分割線を中心として描けば、もっと安定感を強調できます。

 現在の状態では、リンゴが主体的な位置にあるので、花瓶を3分割線上に中心を据えた配置にしたとします。

 そして、リンゴは3分割線上を中心に描いても良いですし、あるいはリンゴは3分割線から意図的に中心を外すくらいがいいかもしれません。

 現在の画面上の大きさで、両方を3分割線を中心として描くと、2つのモチーフが離れてしまって、「間の抜けた」雰囲気になってもよくありません。

 そこで、そのような場合には、もう1つのリンゴを用意して、2つのうち1つが3分割線を中心とした配置にするなどが良いでしょう。

誘導線の重ね合わせ

 3分割のガイドラインに沿って、道や視線を誘導する線を重ねると、視線が交点を起点に自然と動き出します。

 中心の「外し」が深みを生みます。制作においては、作品の寸法上の中心点に、主役あるいは準主役のモチーフの中心点を重ねないようにしましょう。その理由は、「動きが止まってしまう」からです。

 次の画像でも、手前の樹の位置を画面横の3分割線上に配置すれば、もっと引き立った作品になったはずです。

 また、カーブしている道の「くの字」のヘコミ部分を3分割線の交点に据えれば、もっと引き立つ作品になったのではないでしょうか。

主題を右か左に寄せて視線を導く

 主題を、縦3分割の右または左の線に寄せ、空間を活かすことで視線の入りと出口を意識できます。

 構図に流れが生まれる配置法です。

 次の作品では、家は3分割線の縦を中心とした制作ですし、山々の底部分を画面縦の上の3分割線に沿わせているので、何となくまとまって見えていますよね。^^

モチーフ間の関係性を意識する

 モチーフ同士の距離感や重なりをコントロールし、視線がモチーフからモチーフへと自然に移動できるように構成する。

 次の作品では、何が言いたいのかよくわかりません。

 しかし、その次の作品のようになれば、観てくださる人に理解してもらえるはずです。

 この作品では、大胆に抜け(※)を構成して、√3構図分割基本線上(※)にモアイを配置して、奥から球体が手前に向かって転がって来ることで、緊張感を高めています。

    

  • 黄色の線:3分割構図基本線
  • 緑色の線:3分割線
  • 青色の線:「抜け」に使うための線
  • ピンク色の線:モチーフで3角を構成する線

    ミヒカリコオロギボラのある静物 2022 F4 鉛筆画 中山眞治

※ 「抜け」とは、画面上に窓などを模した、外部へつながる部分があると、画面上の観てくださる人の息苦しさを解消できる効果があります。

なかやま

3分割構図は定番でありながら、視線誘導と組み合わせることで表現の幅が大きく広がります。静かな画面にも動的な流れを持たせるための基盤となります。

空白と密度で視線の動きをコントロールする

         秋 2021 F1 鉛筆画 中山眞治

 構図において重要なのは描き込むことだけではありません。

 本章では、空白や余白の使い方も、視線誘導の一部として大きな力を持っている点を解説します。

余白が導く視線の流れ

 画面に空白があると、目は自然に描かれている部分へと向かいます。

 余白を、意図的に作ることで視線を導くきっかけを作れます。次の作品を参照してください。

第3回個展出品作品 灯(あかり)の点(とも)る窓辺の静物 2022 F10 鉛筆画 中山眞治

密度の対比でリズムをつくる

       坂のある風景Ⅱ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 描き込みの密度が異なる部分が画面にあると、視線は濃淡のあるところに引き寄せられます。このリズムが画面全体の流れをつくります。

 前述していますが、我々人間の目は、細かい柄や模様のある部分に、注意を惹きつけられる習性があります。そこで、その習性を有効活用する手法を使いましょう。

 つまり、あなたが画面上で伝えたい感動や強調の部分(主役や準主役)には、しっかりと細密描写を施して、それ以外の脇役や遠景などには、たとえ細かい柄や模様があっても省略することで、主役や準主役が引き立てられます。

 あるいは、全体的に細密描写を施したい場合には、主役や準主役にはしっかりと「ハイライト」を施し、それ以外の脇役や遠景などには、「ハイライトを抑えて描く」ことで、主役と準主役を引き立てられます。

見せ場に向けて密度を集中させる

        水滴Ⅵ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 視線の終点や主題に向かって、描き込みの密度を高めていくと、観てくださる人の視線は自然にそこへ誘導されていきます。

空白で生まれる静けさと余韻

 空白は単なる省略ではなく、静けさや時間の流れを表現する空間です。視線が流れたあとに「とどまる」余地を与えます。

 尚、次の作品では、窓を模した「抜け」を使い、一方では、黒い下敷きにモチーフを載せて描くことできれいな反射までも作品に加えられました。

       遠い約束Ⅰ 2023 F1 鉛筆画 中山眞治

このように空白と密度の使い分けは、視線誘導だけでなく、表現全体に深みを与えてくれます。構図に呼吸を与える大切な要素ともいえます。

モチーフの視線を活用した自然な誘導法

     第1回個展出品作品 人物Ⅳ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 人物や動物を描くときには、その目線の方向は構図全体の視線誘導に大きく影響します。

 本章では、鉛筆画中級者の人にとっては見逃せないテクニックです。

視線が向く先に主題を配置

 描かれた人物や動物の視線の先に、主役となるモチーフを置くことで、観てくださる人の視線も自然とその方向に流れていきます。

 次の作品では、画面左手のウサギが、画面右側のウサギを観ています。そして画面右側のウサギは、画面中央のウサギを観ています。そして、画面中央のウサギは、我々を観ているという構図です。

     第3回個展出品作品 兎の上り坂 2022 F4 鉛筆画 中山眞治

 この構図は、人間でも使うことができますので、一度試してみませんか?

視線を交差させて緊張感を演出

 複数の視線が、交差するようにモチーフを配置すると、画面に緊張感と物語性が生まれます。

 視線の交点が主題になるよう調整しましょう。

 尚、次の作品では、各花がそれぞれ別の方向を向いていますが、一輪だけは正面を向いているように描くと、まるで「花の視線」を感じられるように描くことができます。

    第1回個展出品作品 トルコ桔梗 1996 F6 鉛筆画 中山眞治

背を向けた視線の誘導効果

   第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅡ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 後ろ姿や横顔など、直接的でない視線も強力な誘導手段です。

 観てくださる人は、その先に何があるかを無意識に探ろうとします。

モチーフの視線と構図の関係を設計する

     第1回個展出品作品 少年 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 人物の視線の方向と、構図全体の視線誘導とが一致すると、観てくださる人の視線が流れるように動きます。

 構図の軸として使える技術です。

なかやま

視線そのものが、構図をつくる要素になるという考え方は、作品に物語性や誘導力を与えてくれます。鉛筆画中級者の人にとっては、欠かせない感覚の一つです。

練習課題例

   第1回個展出品作品 マリリン・モンロー 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 本章では、あなたが実際に手を動かして練習できるように課題を用意しました。あなたの身近なモチーフを使って同じように制作してみましょう。

S字構図:小川に沿って歩く人物と樹木


 → モチーフをS字状に並べ、奥行きと視線の誘導を同時に練習

Z字構図:ジグザグに並ぶ街灯と人物


 → 街路や影でZ字を描き、視線の動きを意識した配置を確認(上の画像では、街灯と人物の位置が互い違いにずれており、その先の街灯と樹木も同じように互い違いになって、中空のZ字になっています)。

対角線構図:斜面に立つ山小屋と空を飛ぶ鳥


 → 対角線上に主題と副題を配置し、遠近感を出す構成を練習

 先ほども掲載していますが、次の作品は2つの対角線と、√2構図分割基本線(※)を使っています。このようにいろいろ試してみるのも楽しいものです。

※ √2構図分割基本線とは、画面の縦と横のサイズに対して、÷1.414で得られた値で分割した構図ということです。

これらの課題へ実際に取り組むことで、あなた自身が構図の使い方にも慣れてこられるでしょう。

まとめ

   青木繫記念大賞展 奨励賞 郷愁 2001 F100 鉛筆画 中山眞治

 視線の流れを意識した構図の工夫は、鉛筆画に新たな表現力をもたらしてくれます。

 ここまで紹介しました7つの方法は、いずれも鉛筆画中級者の人が構図に深みと動きを加えるための具体的なヒントになるでしょう。

 尚、構図について関心のある人は、この記事の最終部分に関連する記事を掲載していますので、参照してください。

 ポイントを以下にまとめます。

  • S字構図は自然な流れと、柔らかい印象を与える。
  • Z字構図は、動きとリズムを持った視線誘導に最適。
  • 対角線構図は、遠近感と画面展開に優れる。
  • 曲線と直線のバランスで、緊張と緩和を表現できる。
  • 3分割構図は、安定感と自由な配置を両立できる。
  • 空白と密度の差で、視線のコントロールが可能になる。
  • モチーフの視線は、構図全体の流れを決定づける。

 構図のマンネリから抜け出すためには、視線がどこから入りどこへ向かうかを意識することが欠かせません。

 視線の動きに着目した構成を心がければ、作品に説得力と印象的な奥行きが生まれ、観てくださる人と作品との対話もより豊かになります。

 構図が硬直してきたと感じたときこそ、今回の7つの方法を試してみてください。あなたの鉛筆画に新風が吹き込めるはずです。

 ではまた!あなたの未来を応援しています。