こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

筆者近影 作品「月のあかりに濡れる夜Ⅳ」と共に
さて、スキルがある程度身についた鉛筆画中級者の人が、直面しやすいのが「構成力の壁」です。
モチーフは、ある程度描けるようになったものの画面全体のバランスや、完成までの流れに自信が持てないという悩みは多く聞かれます。
そんなとき、スケッチとデッサンの違いを適切に理解し、場面ごとに使い分けることが構成力向上のカギです。
この記事では、スケッチとデッサンそれぞれの役割や効果的な練習法をご紹介しながら、鉛筆画の完成に向けて具体的な構成トレーニング法を解説します。
尚、あなたが既にたくさんの作品を制作していて、「そろそろ個展を開催したい」とお考えの場合には、この記事の最終部分に、有益な関連記事を掲載してありますのでご覧ください。
それでは、早速見ていきましょう!
スケッチ・デッサン・鉛筆画の違いを整理する

第1回個展出品作品 葡萄 1996 F6 鉛筆画 中山眞治
構成力を高めるうえで、最初に立ち止まって考えたいのが、スケッチ・デッサン・鉛筆画という3つの工程の役割の違いです。
これらを意識せずに描き進めていると、構成及び構図や完成度に一貫性が出ず、途中で行き詰まりやすくなります。
本章では、それぞれの工程を明確に分けて理解し、制作の目的に応じた使い分け方を見直していきます。
鉛筆画中級者の人が構図を研究すべき理由
あなたは、今まで鉛筆画の制作を続けて来て、「毎回同じような画風になってしまう」「作品全体のまとまりが悪く感じる」「もっと見映えのする作品にしたい」と感じたことはありませんか?
構図とは、先人の築き上げてきた美の構成に裏打ちされた、バランス・緊張感・力強さ・躍動感などを伝えることができる技術です。
構図は、作者とすれば「作品の魅力をより一層引き出せる技術」である反面、観てくださる人からすれば「見映えのする作品」に仕上げるための、重要なノウハウと言えます。
構図については、この記事の最終部分に関連記事「初心者でも簡単!プロが教える鉛筆画の構図の取り方やコツとポイント」を掲載していますので、関心のある人は参照してください。
スケッチは構成の出発点

第1回個展出品作品 人物Ⅲ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
スケッチは、短時間で制作対象(モチーフ)の全体像や構図を、ざっくりと把握するための初期段階です。
細部の正確さよりも、バランスや印象を捉えることが目的です。画面のどこにモチーフを置くか、光の向きはどうか、視線の流れはどこに導かれるかといった、構図設計のヒントを得るためのコツがここにあります。
また、スケッチを複数枚描くことで、より効果的な配置やバランスを比較・検討できます。構成力に迷いがある場合には、まずスケッチを増やすことが有効です。
そして、スケッチはあくまでも事前のさまざまな検討に用いるのであって、その用紙はスケッチブックや紙ではなくても良いのです。
このように、スケッチは構図の導入や制作対象(モチーフ)の配置及び、導線の設計などをおこなって、制作の構想を練るためのツールとして活用しましょう。スケッチの活用はここまでです。
デッサンは観察と精度の訓練

第1回個展出品作品 トルコ桔梗 1996 F6 鉛筆画 中山眞治
デッサンは、スケッチで得た構成案をもとに、制作対象を観察しながら形や陰影、質感を丁寧に描写していく工程です。
ここでは輪郭の適切さや、明暗による立体感、奥行きなどが求められます。観察力を養い、描写の精度を高めることで、画面に説得力を持たせる力が育ちます。
また、スケッチとは違い、時間をかけてじっくり制作対象と向き合うことで、構成だけでなく密度や強弱のつけ方も意識できるようになれます。
鉛筆画は構成と表現の統合

第1回個展出品作品 反射 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
鉛筆画は、スケッチの段階からデッサンを経たうえで、構成力と描写力を統合して一つの作品としてまとめあげる最終段階です。構図の完成度はもちろん、全体のリズム、視線誘導、空間表現の豊かさが問われます。
スケッチによって構成の方向性を定め、デッサンで密度や構造を確認し、それに基づいて鉛筆画として仕上げるという流れを意識することで、無理なく完成度の高い作品が目指せます。
逆に、この流れがあいまいなまま制作を始めてしまうと、途中で描き直しや構成変更に悩まされることが多くなります。
構成力が伸び悩む原因を探る

第1回個展出品作品 男と女 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
鉛筆画中級者の人が、制作画面上で「何か物足りない」と感じるとき、その多くは構成力の伸び悩みが背景にあります。
ただ漠然と描き続けるだけでは、鉛筆画中級者の壁を越えることは難しいのです。
本章では、構成力が頭打ちになる主な原因を3つに絞って考察し、具体的な対策を検討します。
目的を持たずに描き始めてしまう

第1回個展出品作品 胡桃のある静物 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
構成力が育たない最大の原因は、描く前に明確な目的を持っていないことです。
何をどのように見せたいのか、どこに視線を導きたいのか、画面で伝えるべき主役や準主役が曖昧なまま描き進めると、全体が散漫になり、印象に残らない画面になります。
スケッチの段階で構成の意図を定め、主役及び準主役や、視点を明確にしてから取りかかることで、全体に一貫性が生まれます。逆に、目的が曖昧なまま構図も決めてしまうと、完成後の違和感を拭えません。
スケッチとデッサンを分けて考えていない
-F10-1996☆.png)
第1回個展出品作品 金剛力士像(吽形) 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
多くの、鉛筆画中級者の人が抱えやすいもう一つの課題は、スケッチとデッサンを混同してしまうことです。
本来、スケッチは構成のための「案出し」、デッサンは構造や明暗の「検証作業」です。これを一連の作業として意識せず、いきなりこの2つを混同して細密描写に入ってしまうと、構成面が脆弱になります。
構図に迷いがある場合には、まず複数のスケッチを描き、次に選んだ構図で別のスケッチブックや紙に、デッサンをして精度を上げていくという分離作業が不可欠です。
このように、段階を分けることで、画面全体の設計が明確になります。
客観視する習慣がない

第1回個展出品作品 ノートルダム寺院 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
構成力が伸び悩む背景には、自身の描いた作品を客観視する機会の少なさも原因しています。
描いている最中は没頭しがちですが、一定の時間をおいて全体を「点検」する習慣がないと、構成の粗さやバランスの崩れに気づけません。
例えば、途中段階のスケッチやデッサンを、時間をおいてから改めて検証してみる、壁に貼って離れて観る、あるいは鏡に写して反転して確認するなど、目線を変えることで構成の問題点が浮かび上がります。
これらを意識して改善していくことで、鉛筆画の構成力は確実に磨かれていきます。段階を分け、意図を明確にし、常に全体を見渡す視点を持つことが、次のレベルへの鍵です。
スケッチで構成の土台を築く方法
F10-1996☆-2.png)
第1回個展出品作品 金剛力士像(阿形) 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
スケッチは単なる下描きではなく、構成力の土台を築くための設計図です。
鉛筆画中級者の人にとって、本制作画面へ描く前の準備として、スケッチを活用することは、作品全体の完成度を左右する大きな要素になります。
本章では、構図と視線誘導を明確にするための、スケッチ活用法について解説します。
3分割法で画面のバランスを視覚化する

第1回個展出品作品 家族の肖像 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
スケッチの段階では、縦横それぞれを3分割し、その分割線や交点上に主役や準主役を配置することで、自然なバランスを取ることができます。
画面の寸法上の中心に置かずに、3分割線上に配置することで、画面に動きや視線の流れが生まれるのです。
スケッチブックや紙にガイドライン(補助線)を描き、主役及び準主役や副要素の配置関係を検討することで、全体の構成に無理のない配置を確保できます。
この作業は短時間でも効果があり、複数の構図案を比較することで視覚的な印象の違いも確認できるでしょう。
視線の流れを意識したモチーフの配置

第1回個展出品作品 風神 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
構図において重要なのは、観てくださる人の視線が、どのように画面内を巡るかを考えることです。
スケッチを描く際には、モチーフ同士の関係性や配置によって、視線がどこから入り、どこに抜けていくのかを試行錯誤します。
たとえば、S字やZ字(ジグザグ)の構図ラインを意識してモチーフを配置することで、自然なリズムや奥行きが生まれるのです。

尚、Z字(ジグザグ)構図では、地表面では2D的なジグザグと、空間上は3D的なジグザグで活用できますので、応用範囲が広く使えます。次の画像を参照してください。

こうした導線を、スケッチ段階で可視化することによって、構成の精度が格段に上がります。矢印などで視線の流れを確認しながら進めると、全体の構造がより明確になります。
明暗構成のイメージを先に立てる
-2.png)
第1回個展出品作品 夜の屋根 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
構成力は、形の配置だけでなく、明暗のバランスによっても左右されます。
スケッチの段階で、どの部分を暗くするか、どこに光を集めるかという明暗の構成をあらかじめ決めておくことで、完成時の印象をコントロールしやすくなるのです。
例えば、画面の一部に強い光源を設定し、周囲をやや落とすことで、主役や準主役が引き立ち、視線が自然に集まる効果を生み出せます。鉛筆で軽く明暗の配置を描き込むことで、光の方向や対比の位置を意識した構図を形成できます。
一つの例として、近景を「薄暗く」、中景を「暗く」、遠景を明るく描くことで、「画面深度を深められる」ばかりか、はっきりとした「視線誘導」ができる点を記憶しておきましょう。
尚、その場合には、中景の暗いトーンのところに、主役や準主役の白い姿があると、強烈に存在感を高めることができます。次の作品を参照してください。

国画会展 会友賞 誕生2013-Ⅱ F130 鉛筆画 中山眞治

このような手順を踏んだスケッチは、完成時の構図を明確にし、構成力を安定させる重要なステップとなります。スケッチとデッサンは、別々に行うことを認識しておきましょう。
デッサンで構成力を高めるための視点

第1回個展出品作品 雷神 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
スケッチで構成の土台を築いたあとは、デッサンを通じてその構成を具体的かつ深く掘り下げていく段階に入ります。繰り返しますが、スケッチした画面でデッサンは行いません。別に制作していきます。
デッサンは、単なる形の正確な描写ではなく、構成意図を視覚的に明確にする作業でもあります。
本章では、鉛筆画中級者の人が構成力をさらに高めるために、デッサンで意識すべき視点を整理して解説します。
主役や準主役と副要素の関係性を明確にする

第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅠ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
デッサンでは、画面内における、主役や準主役の存在感を際立たせる必要があります。スケッチ段階で決めた主役や準主役に対して、副要素がどのように関係しているかを見直し、形の大小・位置・重なり・向きなどを調整します。
脇役などの副要素が、主役や準主役を引き立てているか(細かい柄や模様を省略できているか)、視線の流れを阻害していないか(対角線などの構図基本線を妨害していないか)を確認しながら描くことが大切です。
特に重要な点として、我々人間の目は「細かい柄や模様に注意を惹きつけられる習性がある」ので、主役や準主役に細かい柄や模様があれば細密描写をしっかりと施しましょう。
しかし、それ以外の脇役などに、細かい柄や模様がある場合には省略することが大切です。また、主役や準主役よりも、ハイライトを抑えて描いてあるかの確認も、重要な点検項目です。
制作対象を描くと同時に、構成全体のバランスにも注意を払い、主役や準主役が自然に目立つように構造的な調整を施します。
遠近感と重なりで空間構成を強化する

第1回個展出品作品 昼下がりの桟橋 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
構成力には、平面上に奥行きをどう描くかという「空間意識」も含まれます。デッサンでは、遠近感や重なりを意識した描写によって、空間の深みを生み出すことができます。
近景・中景・遠景の関係を意識して、線の強弱や明暗の差で階層をつけると効果的です。
近くのモチーフは輪郭を強く、遠くのものはやや曖昧にするなど、描写の工夫で空間構成を意識的に組み立てていくことで、画面に奥行きと構造的な魅力が加わります。
明暗を使って構成にメリハリをつける

第1回個展出品作品 ノスリ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
デッサンでは、構成の中で最も伝えたい部分に明暗のコントラスト(明暗差)を集中させることがポイントです。
明るさの強弱で焦点を絞り、その他の部分を抑えることで視線誘導がしやすくなります。また、光の方向を統一することによって、全体の構成に一貫性が生まれます。
制作対象(モチーフ)の立体感を出すだけでなく、主役や準主役が際立つように、明暗の配置を戦略的にコントロールすることが、構成の完成度を一段高める手法です。
これらを意識したデッサンは、作品全体の完成度を底上げし、観てくださる人の印象に残る構成へと導いてくれます。
鉛筆画で構成力を作品として仕上げる方法

第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅡ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
スケッチとデッサンを通じて構成を練り上げたら、いよいよそれらを総合して一枚の作品として仕上げる段階に入ります。
この最終工程では、構成力を「鑑賞に耐えられる画面」に昇華させるための判断力と調整力が問われます。
本章では、鉛筆画中級者の人が意識すべき仕上げの観点を整理して解説します。
全体の調和を優先した描き込みの調整

第1回個展出品作品 ペンギン 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
完成に向けた作業では、つい細部を描き込みたくなる傾向がありますが、主役及び準主役と周辺部で、描き込み量に差をつけることで画面にリズムが生まれます。
画面全体を均一に仕上げるのではなく、視線を集めたい場所を最も細密に仕上げ、その他の部分はやや簡略化することで、構成に緩急が生まれます。
視線誘導や、画面全体の印象を確認しながら描写の配分を決めることが、構成力を活かす仕上げの鍵です。
空間と余白の整理で構成の完成度を高める
構成の仕上げにおいては、描くことよりも「描かない部分」の処理が重要になる場合があります。
余白や空間をどう扱うかによって、画面の呼吸感が決まります。主役や準主役を引き立てるための空間や、視線の「抜け(※)」を誘導する余白がきちんと整理されていれば、構成は格段に引き締まります。
逆に、全体を埋め尽くそうとすると、視線の逃げ場がなくなり、「重たい印象」や「息苦しい印象」になることがあります。削る勇気が構成の洗練に直結します。次の作品を参照してください。

第3回個展出品作品 灯(あかり)の点(とも)る窓辺の静物 2022 F10 鉛筆画 中山眞治
※ 「抜け」とは、画面上に外部へつながる部分があると、観てくださる人の画面上の「息苦しさ」を解消できる効果があります。
最後に構成全体を客観的に見直す
-1-1.png)
第1回個展出品作品 ノーマ・ジーン 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
仕上げの段階にこそ、客観視が必要です。一定の距離から観る、逆さまにして観る、鏡に映す、時間をおいて翌日に観るなど、視点を変えて画面全体を再評価します。
その際には、構成が、伝えたい意図に沿って整理されているか、視線が滞る箇所はないか、調和が取れているかを確認します。
加筆よりも「やめるタイミング」の判断こそが、構成力の集大成を左右します。過剰な描写は避け、潔さをもった完成判断が求められます。

これらを意識することで、単なる描写から一段上の「構成された作品」へと鉛筆画は昇華できます。
練習課題(3個)

第1回個展出品作品 人物Ⅳ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
本章では、あなたが実際に手を動かして練習できる課題を用意しました。実践することで、確実にあなたの画力は向上できます。
あなたの身の回りのモチーフを用意して、早速試してみましょう。
課題①:3分割構図を活かして静物を再構成する
目的:構成バランスの感覚を養い、視線誘導の基本を学ぶ。
ステップ:
- テーブルの上に3つの静物(例:花瓶、果物、本)を自由に配置して、3パターン以上の構図スケッチを描く。下の画像のような配置以外に、本の上に花瓶と果物を置いてみたり、花瓶と果物の後ろに本を立てて配置してみる。
- それぞれの構図に3分割ガイドラインを重ね、主役や準主役の配置と視線の流れを分析する。
- 最もバランスが良いと判断した構図をデッサンし、最終的に鉛筆画に仕上げる。
ポイント:主題を3分割交点に置いた場合と中央寄せにした場合の印象を比較することで、構成の効果を実感できる。

課題②:人物と背景を組み合わせて空間構成を意識する
目的:主役及び準主役と副要素の関係性を整理し、画面全体を構成する力を鍛える。
ステップ:
- 座っている人物(実物または写真)をスケッチし、背景に椅子・壁・窓などを配置して複数の構成案を作成。
- 視線の流れが自然に主役に向かうよう、背景の線や明暗を利用して調整する。
- 構成が固まりましたら、空間の奥行きや重なりを意識してデッサンし、鉛筆画としての仕上げを行う。
ポイント:背景が、人物の印象にどう影響するかを観察しながら、構成力を立体的に深めていく。
光の当たっている面の周辺には「濃いトーン」を、暗い面の周辺には、明るいトーンを入れましょう。下の筆者の自画像を参考にしてください。


第2回個展出品作品 自画像 1998 F10 鉛筆画 中山眞治
課題③:光源を設定して明暗構成をコントロールする
目的:明暗を使った構成の引き締めと主題の強調を学ぶ。
ステップ:
- モチーフ(例:ティーポットとカップ)を机の上に置き、片側からのみライトを当ててスケッチ。
- 光の方向を調整して、画面全体の明暗状態を3パターン描く(明部中心/暗部中心/対比型など)。
- 最も構成が引き締まって見えるパターンをデッサンし、鉛筆画として仕上げる。
ポイント:構成の段階で明暗を戦略的に設計することで、画面にリズムと視点の集中を生み出す練習になる。

まとめ

第1回個展出品作品 静物Ⅰ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
鉛筆画を描き進めていく中で、多くの鉛筆画中級者の人が直面するのが「構成力の壁」です。
モチーフそのものは描けるようになってきたものの、画面全体のまとまりや視線誘導、仕上がりの完成度にどこか納得がいかないという悩みはよく聞かれます。
この構成力を伸ばすには、スケッチ・デッサン・鉛筆画という3つの工程の違いと役割を適切に理解し、それぞれを段階的に活かすことが重要です。
この記事では、それぞれの役割や使い分け、構成力を鍛える具体的な方法について段階的に解説しました。以下に内容を要点でまとめます。
構成力向上のために意識すべきポイント
- スケッチ・デッサン・鉛筆画の違いを理解し、目的別に使い分ける。
→ スケッチ=構成案、デッサン=構造の検証、鉛筆画=作品化 - 構成力が伸び悩む原因を知り、改善する。
→ 明確な目的を持つ、工程を分ける、客観視を習慣化する - 3分割構図を使って主題の配置と視線誘導を設計する。
→ スケッチで複数の構成案を試し、導線を意識した配置へ - デッサンでは形の正確さと、空間感の調整を並行して行う。
→ 主役や準主役と副要素の関係性、遠近、明暗構成を重視する - 仕上げ段階では描き込みの緩急、余白の整理、加筆のやめ時を意識する。
→ 密度の差、視線誘導、構成意図に沿った取捨選択を行う
スケッチから始まり、デッサンで構想を深め、鉛筆画としてまとめ上げるまでの流れを丁寧に踏むことで、構成力は自然に鍛えられます。
また、それぞれの工程で、意図的に立ち止まって確認しながら進めることで、迷いや失敗を最小限に抑えることもできます。
描くという行為の中に「考える構成」が加わると、作品全体の完成度と表現の説得力が格段に高まります。描写技術を支えるのは構成力であり、構成力を磨くには段階的で意識的な制作過程が欠かせません。
今後の作品制作においても、スケッチとデッサンの使い分けを土台に、構成力を意識した取り組みを重ねていくことが、あなたらしい鉛筆画表現への道を拓いていく鍵となるでしょう。
ではまた!あなたの未来を応援しています。
この流れを意識して使い分けることで、構成力の伸び悩みは確実に乗り越えることができます。