こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。
筆者近影 作品「パーティーの後で」と共に
さて、猫の鉛筆画を描くことは、初心者の人にとって難しそうに思えるかもしれません。しかし、基本のテクニックを習得すれば、リアルな猫を描くことができます。
この記事では、猫の表情や毛並み、目の輝きなどを表現するための具体的な方法とコツをご紹介します。
それでは、早速見ていきましょう!
猫の顔を鉛筆で描くポイント
猫の顔を鉛筆で描くには、細かい部分に注意を払うことが必要です。猫の特徴的な顔の形や表情、毛の質感をリアルに表現することで、作品に生命感を与えられます。本章では、猫の顔を描く際のポイントを解説します。
制作当初に注意すべきこととは?
あなたが、鉛筆画に取り組んでいきたいとお思いでしたらば、上達するための順序を守ることが極めて重要です。それは、難しいことではありません。
まず、描くことに慣れるまでの最初の内は、「複雑な形状・複雑な模様や柄」のモチーフには取り組まないということです。今回のテーマである「猫」についても同じです。
最初は、できるだけシンプルな、「単色で短毛の猫」を選びましょう。静物画でも同じことが言えます。最初の内は、複雑な咲き姿の花を選ぶべきではありませんし、「造花の白いチューリップやコスモス」などにすべきです。
猫の作品の制作では、下の画像のような猫が扱いやすいのです。
三毛猫や長毛の猫など、難しいモチーフを選んでしまうと、挫折につながってしまいますので、まずは、取り組みやすい簡単なモチーフで慣れていくことで自信が付き、さらに難易度をあげていくステップにもなります。^^
できるだけ取り組みやすい「猫」を描いて、5作品ほど「楽しんで」描くことに集中しましょう。最初の内は、「構図」「構成」「構想を練る」とかは一切考えなくてよいのです。
基本の形を捉える
さて、本題に入りますが、猫の顔を描く際には、最初に丸や楕円などの基本形を描いてバランスを取ります。猫の顔は丸みを帯びており、頭頂部が丸く、顎に向かって少し細くなっています。
この基本形をしっかり描くことで、後のディテール(詳細)を描く際に迷いが少なくなります。
筆者が猫を描く際には、顔の輪郭を大雑把に描き、この位置だと思える場所へまず目の大きさと形を描き、その目を中心として、顔の輪郭を改めて描き直しながら、次いで、鼻及び口や耳を描くことで、全体がまとまってきます。
目の表現に注意する
猫の目は顔の中でも特に重要なポイントです。大きくてアーモンド形の目は猫の特徴的な表情を作り出します。
また、瞳孔の形及び虹彩や光の反射を描き込むことで、目に活き活きとした表情が生まれます。目の周りの毛の流れや影も描くことで、より立体的な表現が可能になります。
猫の作品の制作では、特に目の表現が一番重要です。できれば画像などで、しっかりと観察して描写しましょう。
毛並みの質感を表現
猫の顔の毛は、部分によって長さや流れが異なります。特に、目の周りや口元のひげ、耳の周りなど、細かい毛の質感を丁寧に描くことで、リアルさが増します。
毛の流れに沿って細かい線を重ねるように描き、陰影をつけることで立体感を出します。鉛筆の硬さや濃さを使い分けて、柔らかい毛の質感や光沢を表現しましょう。
猫の毛並を描くのは、最初は難しいかもしれませんが、描く対象の毛の流れをよく観て、細い線を多用して描きましょう。
光と影で立体感を出す
猫の顔にリアルさを加えるためには、光と影の使い方が重要です。光が当たる部分と影になる部分をしっかりと描き分けることで、顔の立体感を強調できます。
特に、目や鼻、耳の内部など、細かい部分に影をつけることで、顔の立体構造を明確にします。光の方向を確認して、適切な場所にハイライトを入れることで、よりリアルな表現が可能になります。
最後の仕上げ
全体を見直し、バランスを整えることで、猫の顔がよりリアルに仕上がります。細部を描き込みすぎず、全体の調和を重視して仕上げることで、猫の表情や雰囲気を引き立てられます。
作品の制作においては、何回となく途中で、少し離れたところから作品を観てみよう!仕上の段階であれば、特に、この「離れたところから観る」ことは重要です。
毛並みをリアルに描くための陰影の付け方
猫の毛並みをリアルに描くためには、陰影の付け方が非常に重要です。
猫の毛は光の当たり方によって見え方が変わるため、光と影を巧みに表現することで、毛の質感や立体感をリアルに描き出すことができます。本章では、猫の毛並みを描く際の陰影の付け方について解説します。
毛の流れを理解する
まず、猫の毛並みの流れを理解することが大切です。猫の体には、毛の生える方向や密度が部位によって異なります。
顔の部分では、目の周りから耳に向かって流れる毛、口元から頬にかけての毛の方向など、細かい流れが存在します。
この流れをしっかりと観察し、下描きの段階で軽く描いておくことで、陰影を付ける際に役立ちます。
また、毛並みを描く際の簡単な方法の一例としては、毛並みの部分をクロスハッチング(※)などの、軽い優しいトーンで毛並みを描く部分の面を埋めます。
そこへ「練り消しゴム」を練って、先端を細いマイナスドライバーのように鋭くした状態で、毛並みを「描いていく」ことで、制作をスムーズに進行できます。
この描き方の参考例は、下の作品の毛の流れを確認してください。このような描き方にも、「練り消しゴム」は威力を発揮してくれます。具体的には、顔及び両腕や背中のギザギザになっているような毛並やヒゲも練り消しゴムで拭き取っています。
心地よい場所 2023 F4 鉛筆画 中山眞治
また、薄くこれらの毛並の下地ができたところを、HB等の鉛筆で「影の部分」へ陰影を上乗せしていきます。
尚、狼の場合であっても、下の作品のように毛の流れを、同じく練り消しゴムを使って「描く」こともできます。あごの下などもそのように、練り消しゴムで「描いて」その上から陰影を施しています。
第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅠ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治
※ クロスハッチングとは、縦横斜めの4種類の線で面を構成することです。描きにくい方向の線があった場合には、スケッチブックや紙の角度を変えれば、無理なく描くことができます。
下地となる陰影を描く
毛並みを描く前に、まず下地として全体の陰影を描きます。光が当たる部分と影になる部分をざっくりと塗り分けておくと、毛のボリューム感を表現しやすくなります。
B系統の柔らかい鉛筆を使って、薄く影をつけることで、毛の密度や長さを表現する準備ができます。下地の陰影は、毛並みの質感に影響するため、慎重に描きましょう。
毛の質感を描き分ける
次に、毛並みを描き込みます。猫の毛は部分によって太さや長さが異なるため、細かい部分まで描き分けることが大切です。目の周りや耳の付け根など、毛が細く短い部分は、細い線で描きます。
一方、頬や首元など、毛がふんわりしている部分は、やや太めの線で描き、毛先をぼかすように描くと、柔らかい質感が表現できます。また、毛の重なりを意識して描くことで、立体感が増します。
猫の毛の描き方では、「ヒゲ」の描き方も大きなウエイトを占めます。前述のように、面をHB程度の鉛筆を使ったクロスハッチングで作った面に、練り消しゴムを練って鋭く細いマイナスドライバーのような形状にして拭き取ることも試してみましょう。
陰影で立体感を強調
毛並みの陰影を描く際は、光の方向を意識します。光が当たる部分は明るく、影になる部分は濃く描くことで、毛の立体感を強調します。特に、顔の輪郭や体の曲線に沿って陰影をつけると、猫の体の丸みや骨格が表現できます。
また、毛先にハイライトを入れることで、光沢のある毛並みを表現することができます。ここで重要なのは、光の強さや角度を考慮して、陰影の濃さを調整することです。
尚、個々時点で重要なことは、光源の位置を確認することです。その光によってできるさまざまな陰影は、光源の方向性が一致していなければ違和感が生じてしまうからです。
筆者は、この光源の位置をしっかり確認していなかったために、濃く描いた影を大きく修整したことがあります。
途中から大きな修整をすると、きれいな仕上がりが難しくなることもありますので、光源の確認作業は当初に終わらせておこう!
ディテールを描き込む
次にディテール(詳細)を描き込みます。まず、前述のように顔の描き方では、目を最初に描き込み、その目を中心として全体のバランスを取っていきながら、鼻、口、ひげなどの顔の細部や、毛の質感を表現するために細かい線も描き加えます。
そして毛の流れを意識して、柔らかく細かいタッチで描くことで、リアルな質感を表現できます。影やハイライトも加えて、立体感を出しましょう。
最後の調整
毛並みの描き込みが終わりましたら、全体のバランスを見直します。濃すぎる部分や不自然な陰影があれば、練り消しゴムなどを使って調整します。
また、毛の流れに沿って細かく描き込むことで、猫の毛並みのリアルさを強調できます。全体を見直し、必要であれば光の当たり方や影の位置を微調整し、毛並みにリアルな質感を与えましょう。
繰り返しになりますけど、最初や途中も重要ですが、最後の調整では「少し離れたところから必ず観る」習慣をつけましょう。目の前にある場合と全く違った印象を観察ができます。
猫の目を魅力的に表現するためのテクニック
猫の目は、猫の顔の中でも特に印象的で魅力的な部分です。その目を魅力的に表現することは、猫の鉛筆画をよりリアルで感情豊かにするためには欠かせません。
本章では、猫の目を描く際に効果的なテクニックについて説明します。
目の形と配置を正確に捉える
猫の目を描く際には、まずは形と配置を正確に捉えることが重要です。猫の目はややアーモンド形をしており、顔の中央よりやや外側に配置されています。
そして、左右の目の高さや大きさが均等であることを確認し、猫の顔全体のバランスを意識して描写します。目の縁は丸く描きすぎず、少しシャープに仕上げることで猫らしい鋭い印象を与えられます。
瞳孔の描き方に注意する
猫の目を魅力的に見せるポイントの一つは、瞳孔の描き方です。猫の瞳孔は、光の状態によって形が変わります。明るい場所では細くなり、暗い場所では丸く広がります。
この変化を表現することで、猫の表情や性格を表現することができます。また、瞳孔の中に光の反射を描くことで、目に活き活きとした輝きを与えられます。反射の位置と大きさを調整して、リアルな目の表現を追求しましょう。
筆者は、動物の目を描く際には、その目の縁に濃いトーンを持ってくることが多いですが、瞳を引き立てるためにも、そうした描写が必要になってきます。そうすることによって、猫の目に「深み」が加わります。
虹彩のディテールを細かく描く
猫の目の虹彩は、独特の模様と豊かな色のグラデーションが特徴です。鉛筆画では、虹彩の模様を細かい線や陰影で描き分けます。まず、瞳孔の周りに放射状の線を描き、その上から軽く陰影をつけて深みを出します。
虹彩全体に明暗をつけることで、光が当たっている部分と影になっている部分を表現し、目に立体感を与えます。特に、虹彩の縁を濃く描くことで、目に奥行きを持たせることができます。
光の反射で活き活きとした表情に
猫の目を魅力的にするためには、光の反射をうまく取り入れることが重要です。目の表面に映る光の反射は、目に命を吹き込む要素です。
通常、1つか2つの白いハイライトを目の中に描きますが、反射の位置は目にあたっている光源の位置を確認して決めるとよりリアルに見えます。さらに、虹彩の中にも微妙な光の反射を加えることで、目の中の輝きや透明感を強調できます。
猫の目を描く際には、構造を理解して、よく観察することが重要です!
目元の毛並みと影を描く
最後に、目の周りの毛並みと影を描き込むことで、猫の目の表現を完成させます。目の上下には、まぶたや眉間の陰影が存在し、これが目を際立たせる役割を果たします。
目の下にはかすかな影をつけ、目の上部はやや濃い影で強調することで、目の立体感を引き出します。また、目元の毛並みを細かく描くことで、目の周りに柔らかさと自然な質感を加えることができます。
動物全般の顔を描く場合には、顔の輪郭を描いた後で、おおよその目の位置を描くことで、顔全体のバランスを取りやすくなります!
動きのある猫を描くための観察と描写のコツ
動きのある猫を描くことは、静止している猫を描くよりも難易度が高いですが、描き方を工夫すればその動きや躍動感を鉛筆画で表現することができます。
猫特有の、しなやかな動きや一瞬の仕草を捉えるためには、観察と描写のテクニックが重要です。本章では、動きのある猫をリアルに描くための観察と描写のコツを紹介します。
猫の動きを観察する
動きのある猫を描くためには、まず猫の動きをしっかりと観察することが大切です。猫は歩く、跳ぶ、寝転ぶなどさまざまな動きを見せますが、それぞれの動きには特有のポーズや筋肉の動きが見られます。
例えば、ジャンプする際の足の伸びや、狙いを定めたときの目の表情など、細部まで観察しておくことで、後のスケッチがよりリアルに仕上がります。
動画や写真を使って、動きの一瞬を切り取って観察するのも効果的です。
シンプルな線で動きを捉える
動きのある猫をスケッチする際には、複雑なディテール(詳細)にこだわらず、シンプルな線で動きを捉えることが重要です。最初は、猫の動きの方向や流れを示すための補助線を描きます。
例えば、猫がジャンプしている姿を描く場合、背骨のラインや脚の動きを示す線をざっくりと描くことで、全体のバランスを捉えやすくなります。
シンプルな線で動きを表現する練習を重ねることで、猫の動きの特徴をスムーズに描けるようになれます。
筆者は、猫を描く際には、自分でデジカメで撮ることもしますが、ネットからのダウンロードやスクリーンショットが多いです。動いている猫を納得のいくポーズで撮ることは、至難の業だからです。^^
ポーズを素早くスケッチする
動きのある猫を描くときには、素早くポーズを描写する技術が求められます。猫は一瞬でポーズを変えることが多いため、その瞬間を描写する必要があります。
短時間で描くことを意識し、全体のシルエットや主要な形を捉えることを優先します。ここでは、ディテールを細かく描くのではなく、猫の動きの特徴をシンプルな形で素早く描く練習が役立ちます。
5分や10分の短いスケッチを繰り返すことで、動きのエッセンスを掴むことができます。この練習には、クロッキーやジェスチャードローイングへの取り組みが有効です。
尚、クロッキーは単時間の中で、正確な描写を目指すのに対して、ジェスチャードローイングは、モチーフの印象を重要視した描き方になりますので、あなたの好みでチャレンジするのもよいのではありませんか?
動きの中にある力の流れを意識する
猫の動きを表現する際には、動きの中にある力の流れを意識して描くことがポイントです。猫が歩くときのしなやかな体の動きや、ジャンプする際の力の入れ方など、体全体に流れるエネルギーを描写で表現します。
背骨のカーブや尾の動き、足の筋肉の張りなど、動きに伴う体の変化を観察し、鉛筆の線にその力を反映させましょう。線に力強さとしなやかさを持たせることで、猫の動きをリアルに表現することができます。
猫の動きを描写する際には、猫の骨格の動きをイメージしながら描き進むことも重要なポイントです!そうすることによって、猫の描写が自然になります。
練習を重ねて自身のスタイルを見つける
動きのある猫を描くスキルを身につけるには、継続的な練習が不可欠です。さまざまなポーズや動きを持つ猫を繰り返し描写することで、動きの特性を理解し、自身の表現スタイルを見つけることができます。
最初は難しいと感じるかもしれませんが、繰り返し描くことで描写に動きのリアリティー(現実性)が増していきます。
上達できるコツは、たくさん描くことにつきます。そのたくさん描くことの原動力は、あなたが深い興味を持つことであり、日々短時間でも練習することでしょう。
猫の鉛筆画を仕上げる際のチェックポイント
猫の鉛筆画を完成させるためには、細部の仕上げが非常に重要です。描き上げた作品に最後のひと手間を加えることで、全体の完成度が大きく向上します。
本章では、猫の鉛筆画を仕上げる際に確認すべきチェックポイントを解説します。
全体のバランスを確認
まず、仕上げの前に作品全体のバランスを確認しましょう。猫の顔や体の各部分が適切な位置に配置されているか、バランスが取れているかを確認します。
特に、目や耳、鼻の位置関係は猫の印象を大きく左右するため、遠目で全体を見直して調和が取れているかをチェックします。また、猫の動きやポーズが自然に見えるかどうかも重要です。
尚、この時点で大きな修整が必要になると、猫の輪郭にまで修整しなくてはならない場合には、消し込み自体が大変です。
また、仮にうまく修整できたとしても画面が汚れますので、全体のバランスを確認するのは、早い段階で行うことが重要です。筆者は何回もこの失敗を経験しています。^^
明暗のコントラストを調整
猫の鉛筆画のリアリティー(現実性)を高めるためには、明暗のコントラスト(明暗差)をしっかりと調整することが必要です。光が当たる部分と影になる部分のコントラストが弱いと、作品全体が平坦に見えてしまいます。
特に、目及び鼻や耳の内部などのディテール(詳細)部分に、詳細な描写を加えることで、猫の立体感を強調できます。全体の陰影を見直し、必要に応じて濃い部分を強調することで、作品に深みを持たせましょう。
また、仕上時として明暗の部分の重要な点では、特に背景部分でトーンの濃さが弱いと、猫が引き立って来ませんので、背景にあたる部分をよく観察して、改めてトーンを入れていきましょう。
今回の猫の作品ではなくても、背景に濃いトーンを持ってくると、その前景にある明るいモチーフが、手前に出てくるような印象を強めることができます。
毛並みの質感を最終確認
猫の鉛筆画で、重要な要素である毛並みの質感を最終確認します。毛並みが不自然に見える箇所や、毛の流れに整合性がない場合には、細かい線を追加して修整します。
毛の方向や長さを意識し、光沢のある部分には細いハイライトを加えると、毛並みにリアリティー(現実性)が増します。また、毛の密度に合わせて濃淡をつけることで、フワフワした毛の柔らかさを表現できます。
毛並みを仕上げる際にも、改めて練り消しゴムを使う必要があります。細く鋭い形状にした練り消しゴムで、改めて光っている白いひげ部分を丹念に拭き取りましょう。
ハイライトで表情に命を吹き込む
猫の目や鼻、ひげなど、ハイライトを加えることで表情に命を吹き込む部分を見直しましょう。特に、目の中の光の反射や、鼻の輝きは、猫の表情を活き活きとさせるために欠かせません。
練り消しゴムを使って、ハイライトを加えることで、作品全体に躍動感が生まれます。ハイライトの位置や大きさを微調整し、自然な輝きを演出しましょう。
筆者の制作する作品では、最終的な仕上げにおいて、濃いところをもっと濃く、明るいところはもっと明るくすることを心がけて仕上を行っています。そうすることによって、画面にメリハリがつきます。
作品を遠目で見る
筆者は、現在の制作においても、一番最初の大まかなデッサンをした後には、「一旦休憩をはさんで」から改めて画面と向き合いますが、その際には少し離れた場所からも作品を観るようにしています。
改めて画面と向き合い、且、少し離れた場所から見てみると、修整すべき点が複数見つかるものです。描き始めであれば修整が簡単なので、是非あなたもそのようにして画面を「点検」することを習慣にしましょう。
また、この少し離れた場所から見ることは、制作の途中や、仕上がり直前など、複数回に分けて行うことで、大きな修整をせずに済むので、とても大切なひと手間と言えます。
近くで見ると気づかない部分でも、遠目で見るとバランスの崩れや不自然さに気づくことが多いものです。
尚、作品を眺める際には作品の中の、猫の光の当たり具合や影の位置、全体の調和を意識することも必要です。必要であれば微調整を行い、作品が一つのまとまりとして完成するように仕上げます。
描き始めの大きな輪郭を取った際には、一旦休憩を入れて、改めて画面の点検が必要です。また、その際には、少し離れた場所から見ることも含めましょう。
鉛筆画制作のモチベーションを維持する方法
モチベーションを維持するための重要な手段
モチベーションを維持するための決定的な手段は、目標を持つことに尽きます。
あなたが、楽しんで5作品以上描いた後に、その時点で「描く以上は各種展覧会や公募展にも出品してみたい」と考えることもあるでしょう。
そうした場合には、あなたの住まいの「市」や「区」の公募展での「出品規定」取り寄せるか、ネットで調べてみましょう。
その出品規定では、全国的にF10であれば出品できるところが多く、場所によってはF6号から出品できるところもあります。
入選の次には入賞を狙う
最初は、「入選」を目指して出品しましょう。入選できましたら、翌年には、出品規定最大の大きさで出品規定最多の作品数で出品することによって、「入賞」確率を高められます。
ただし、これらの出品をする際には、「構図」及び「構成」や「構想を練る」ことが重要になります。何となく描いた絵や、描く対象(モチーフ)だけが上手に描けている作品では入選できません。
各種公募展で入選以上の成果を得るための重要なポイント
難しいことではありません。構図と言っても、簡単なものはもたくさんあります。それらの簡単な構図上の主要な分割点に、あなたの描きたいモチーフを配置すればよいのです。
そして、それを事前に考えることが、「構想を練る」ということでありますので、ぜんぜん難しいことではありませんでしょ?
因みに、筆者が30年も前から、現在でも使っている構図の本を紹介します。関心のある人は、ネットで調べてみてください。中古でも良ければ現在でも購入できるようですが、構図がたくさん載っている本であれば何でも良いのです。一冊購入しましょう。
視覚デザイン研究所編 構図エッセンス みみずく・アートシリーズ
あなたの住んでいる場所の、市や区の公募展を一度訪問してみましょう。モチベーションを維持するためにも、刺激になりますよ!
まとめ
猫の鉛筆画を描く際には、各ステップで細かいテクニックや観察が求められます。猫の表情や動き、毛並みなどをリアルに表現するためには、以下のポイントを意識することが重要です。
1. 基本形の捉え方
- 猫の顔や体のバランスを正確に描写
- 丸や楕円などの基本形で全体の構図を整える
- 目や耳、鼻の位置関係を正確に配置
2. 目の描写テクニック
- 瞳孔の形や光の反射を描いて活き活きとした表情を表現
- 虹彩の模様とグラデーションを細かく描く
- ハイライトを加えて目に輝きを与える
3. 毛並みの陰影の付け方
- 毛の流れを理解し、下地の陰影を描く
- 光の当たり具合に応じて明暗を付ける
- 毛の質感をリアルに描き分け、立体感を強調
4. 動きのある猫を描くコツ
- シンプルな線で動きを捉え、全体のシルエットを素早く描写
- 力の流れを意識して、しなやかな動きを表現
- 短時間でさまざまなポーズを描写し、動きの要素を掴む
5. 仕上げのチェックポイント
- 全体のバランスを見直し、明暗のコントラスト(明暗差)を調整
- 毛並みの質感を最終確認し、ハイライトを追加してリアリティー(現実性)を強化
- 作品を遠目で見て、不自然な部分を微調整
猫の鉛筆画をリアルで魅力的に仕上げるためには、細部へのこだわりと全体のバランス感覚が求められます。目及び鼻や口と毛並みの描写、動きの表現など、各段階での工夫と観察力が重要です。
これらのステップを意識して描き続けることで、猫の鉛筆画の完成度が高まり、よりリアルで魅力的な作品を生み出すことができるでしょう。
ではまた!あなたの未来を応援しています。
描く手順が分かると、それほど難しくはないはずです!