初心者が鉛筆画の個展で成功するための秘訣と知っておくべき注意点!

 こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

      筆者近影 作品「月のあかりに濡れる夜Ⅰ」と共に

 さて、鉛筆画の個展を開きたいけれど、何から始めればいいのか分からない…。そんな初心者の人のために、成功する個展の秘訣と注意点を徹底解説します!

 個展を開催するには、作品の必要点数の制作及び会場選びや、宣伝・集客・展示方法などさまざまな準備が必要です。しかし、計画的に進められれば初心者の人でも大きな成功を収めることが可能になります。

 この記事では、初心者の人が押さえておくべきポイントを具体的にご紹介して、個展開催までの流れを分かりやすく説明します。

 さらに、個展を成功に導く宣伝方法や、避けるべき失敗例についても解説します。初めての個展で自身の鉛筆画を多くの人に見てもらいたい人は、ぜひ参考にしてください。

 それでは、早速見ていきましょう!

鉛筆画で個展を開くための基本ステップとは?

日美展 大賞(文部科学大臣賞/デッサンの部大賞) 誕生2023-Ⅱ F30 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画の個展を開催するには、適切な準備と計画が不可欠です。

 特にモノトーンの鉛筆画は、光と影の表現や質感の描き分けが重要なため、展示方法にも工夫が必要です。

 本章では、個展開催までの基本ステップを整理して、初心者の人でもスムーズに個展開催に向けて、歩みを進められる方法を解説します。

テーマの設定と作品選びのポイント

       坂のある風景Ⅰ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 個展の成功には、明確なテーマが欠かせません。「光と影の世界」「鉛筆で描く静寂」など、統一感のあるテーマを決めることで、作品の魅力が引き立ちます。

 また、展示作品は会場の大きさによって変わりますが、大体20点~30点を目安に制作し、サイズや構成のバランスを考慮することも大切です。

 この場合の重要な点は、仮に出品点数を20点だとすれば、少なくとも22~23点制作を完了させておきましょう。

 その中で厳選して、20点を選ぶというような、完成度のより高い作品を選ぶ考え方が重要です。テーマに沿った作品を厳選し、個展全体のストーリー性も意識しましょう。

会場選びと展示レイアウトの工夫

 会場選びは、作品の印象を大きく左右します。鉛筆画は繊細な表現が特徴のため、白壁のギャラリーや落ち着いた雰囲気のカフェが適しています。

 また、展示のレイアウトでは、作品の配置に変化をつけ、視線の流れを意識することがポイントです。

午後のくつろぎ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 遠近感を活かして大小の作品を組み合わせると、動きのある展示にもなります。

準備スケジュールと効果的な告知方法

        水滴Ⅵ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 個展の成功には、事前の計画が重要です。開催の1年半くらい前までには会場を予約して、作品制作のスケジュールも立てましょう。

 筆者は過去に、埼玉県川口市の総合文化センター「リリア」という施設の「催し広場」という会場で、2回個展を開催しています。また、今年(2025年)の4月にも個展を開催しますが、会場の予約は1年半前であっても、それほど早くはないのです。

 その理由は、鉛筆画の制作には、構図さえ決まれば早く描けてしまうような他の技法とは異なり、作品点数を揃えるの時間がかかるので、個展を開催するとなれば、余裕を持った早い段階での申し込みが必要でしょう。

 筆者は、「リリア」での最初の開催時には、ほとんどF10号(F6も2作品入っていました)の、全部で45作品描いて、厳選して40作品に絞りました。この会場は広く、169㎡(51坪)ありましたので、作品数が必要でした。

 また、SNSやブログを活用して個展情報を発信し、興味を持ってもらうことも大切です。作品の制作過程を投稿することで、観てくださる人の期待を高める効果も期待できるからです。

なかやま

鉛筆画の個展を成功させるためには、テーマの設定、時間的な余裕を持った会場選び、告知活動の3つの要素が欠かせません。計画的に準備を進め、多くの人に作品の魅力を伝えましょう。

初心者が失敗しがちな個展準備の注意点

青木繫記念大賞展 奨励賞 郷愁 2001 F100 鉛筆画 中山眞治

 初めて鉛筆画の個展を開く際に、事前の準備が不充分な場合には、予想外のトラブルに見舞われることもあります。

 特にモノトーンの鉛筆画は、作品の魅力を最大限に引き出す展示方法や、ライティングに工夫が必要です。

 本章では、初心者の人が陥りがちな失敗とその回避方法を解説します。

作品の選定ミスによる統一感の欠如

水滴Ⅴ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 個展では、テーマや作品の統一感が重要です。しかし、初心者の人は「とりあえず描いた作品を並べる」だけになりがちです。

 これでは展示作品全体に、まとまりのない印象になり、観てくださる人の関心を引きにくくなります。

 作品は「光と影の対比」「静物や風景の表現」など、共通するテーマやスタイルを意識して選びましょう。また、展示する順番もストーリー性を持たせると効果的です。

ライティングと展示方法の見落とし

暮らし 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画は、繊細な陰影や質感の表現がポイントです。しかし、照明が適切でないと、細部が見えにくくなり、作品の魅力が半減してしまいます。

 初心者の人が陥りがちなのは、ギャラリーの標準的な照明だけに頼ってしまうことです。個展前に会場のライティングを確認し、必要に応じて会場備え付けの、追加のスポットライトも用意しましょう。

 光の当て方によっては、鉛筆画表面の「照り」が強調されすぎたり、逆にぼやけてしまうこともあるため、設置前に確認しながら調整することが重要です。

告知不足による集客の失敗

坂のある風景Ⅱ F1 鉛筆画 中山眞治

 個展を成功させるには、充分な集客が不可欠です。しかし、初心者の人は「開催するだけで人が来る」と思いがちで、告知を後回しにすることがあります。

 SNS、ブログ、チラシなどを活用し、最低でも1か月前からは情報発信しましょう。特に、制作過程や作品の一部を紹介する投稿は、観てくださる人の興味を引きやすく効果的です。

 さらに、個展開催の数日前には再度告知を行い、リマインド(再確認)を行うことも重要です。

 筆者の場合にも、Instagram、X、Facebook、ブログ(2アカウント)で、個展の告知を行っていますし、画廊の顧客へ400部招待状を出し、30社のメディアへもプレスリリースを送ります。

初心者の人が個展を開く際には、作品選びの統一感、適切なライティング、効果的な告知を意識することが成功の鍵となります。これらのポイントを押さえ、万全な準備を整えて個展に臨みましょう。

成功する個展のための効果的な宣伝と集客戦略

国画会展 会友賞 誕生2013-Ⅱ F130 鉛筆画 中山眞治

 個展を成功させるためには、作品のクオリティーだけでなく、効果的な宣伝と集客戦略が不可欠です。

 特にモノトーンの鉛筆画では、その繊細な魅力を伝えるための工夫が求められます。

 本章では、初心者の人でも実践できる宣伝と集客の方法を解説します。

SNSとブログを活用したターゲット層へのアプローチ

秋 2018 F1 鉛筆画 中山眞治

 現代の個展の集客には、SNSの活用が不可欠です。特にInstagramやTwitter(X)は、ビジュアル(視覚)に特化したSNSであり、鉛筆画の細やかな表現を伝えるのに最適です。

 開催の1ヶ月前くらいから、制作過程の写真や短い動画を投稿し、ハッシュタグ「#鉛筆画個展」「#モノトーンアート」などを活用するのも果的です。

 また、ブログでは、個展の見どころや制作のこだわりを詳しく紹介し、検索エンジンからの流入を狙いましょう。

事前告知とメディアへのアプローチの重要性

スズラン 2021 F1 鉛筆画 中山眞治

 個展の告知は、SNSだけでなく、地元の新聞やアート系のウェブメディアにもプレスリリースを送ると効果的です。

 無料でイベント情報を掲載できる、ウェブサイトに登録するのもオススメです。また、ギャラリーやカフェの常連客をターゲットに、店内にチラシやポスターを設置することで、直接的な集客にもつながります。

 あるいは、筆者が良くやっていた方法では、開催するギャラリー周辺のギャラリーに、招待ハガキを置かせてもらうという方法もあります。

 いろいろなギャラリーを、観て回っているお客様もいらっしゃるので、ついでに立ち寄ってもらえる可能性が高まるからです。

 告知は遅くとも1か月前から開始し、個展開催直前には「〇〇日から開催!」とリマインド投稿(再確認)を行いましょう。

オープニングイベントと口コミ戦略

家族の肖像Ⅰ 2023 F1 鉛筆画 中山眞治

 筆者は行いませんが、個展の初日にオープニングイベント(ワークショップ…似顔絵描きやお絵描き教室など)を開催することで、初期の集客を成功させることもできます。

 簡単な挨拶とともに、鉛筆画の制作についてのミニトークを行うことも、観てくださる人との距離が縮まりやすくなります。

 そして、来場者にSNSでの投稿を促すことで、口コミによる拡散効果も期待できます。

 また、少しずれますが、初日に「オープニングパーティー」を企画することもできます。筆者は、かつて何度もこのパーティーを開催した経験がありますが、「コロナ」などの危険も伴うので、現在はオススメできません。

なかやま

効果的な宣伝と集客のポイントは、SNSとブログの活用、メディアへのアプローチ、オープニングイベントの実施にあります。計画的に情報を発信して、多くの人に鉛筆画の魅力を伝えましょう。

魅力的な展示レイアウトを作るためのポイント

国画会展 新人賞 2007-Ⅱ F100 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画の個展では、作品そのものの完成度だけでなく、展示レイアウトの工夫によっても印象が大きく変わります。

 特にモノトーンの鉛筆画は、光と影の表現や、細密描写を活かした作品の展示が求められます。

 本章では、来場者にとって魅力的な展示空間を作るためのポイントを解説します。

作品の配置バランスを意識する

遠い約束Ⅰ 2023 鉛筆画 中山眞治

 展示レイアウトを考える際には、作品の配置バランスが重要です。鉛筆画は細密描写や陰影の表現が魅力なので、サイズや構図の異なる作品を適切に並べることで、空間にリズムを生み出せます。

 例えば、大きな作品を入り口正面に配置し、周囲に小さな作品を配置すると、視線を誘導しやすくなるのです。

 一方、同じ大きさ・似たような構図・似通ったモチーフで展示する場合には、スルーされることもあるので、展示の仕方には工夫が必要になってきます。

 具体的には、同じようなモチーフ及び構図や大きさの作品の間には、大きさの違う作品や、モチーフや構図の違う作品をはさむようにしましょう。

ライティングで作品の質感を際立たせる

水滴 2021 F1 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画の繊細なタッチや質感を最大限に引き出すには、適切なライティングが不可欠です。天井のスポットライトを活用することで、紙の凹凸や筆圧による陰影が際立ち、より立体感のある表現も可能になります。

 ただし、光の角度によっては紙のテクスチャー(質感)が強調されすぎたり、鉛筆の「照り」で眩しさを感じることもあるため、事前の調整が必要です。

 柔らかい間接照明を併用すると、作品の雰囲気を損なうことなく、見やすい展示環境を作ることができます。

余白と視線の流れを意識した空間作り

 作品を壁面にべる際には、余白の取り方を工夫することで、より洗練された展示が可能になります。特にモノトーンの鉛筆画は、細部にまで視線が集中するので、作品同士の間隔を適切に確保することが大切です。

葡萄 2019 F3 鉛筆画 中山眞治

 ギャラリーの壁一面に作品を詰め込むのではなく、適度な余白を設けることで、観てくださる人が、一つ一つの作品をじっくり鑑賞できる空間を作りましょう。

 さらに、視線の流れを意識して、最初に目を引く作品を入口正面や入り口付近に配置し、順番にストーリーが展開されるような構成にすると、印象に残る展示にもなります。

魅力的な展示レイアウトを作るためには、作品の配置バランス、適切なライティング、空間の余白と視線誘導を意識することが重要です。これらのポイントを押さえ、鉛筆画の魅力を最大限に引き出す展示を目指しましょう。

個展開催後のフォローアップで次につなげる方法

蕨市教育委員会教育長賞 灯の点る静物 2000 F30 鉛筆画 中山眞治

 個展は開催して終わりではなく、その後のフォローアップが次の活動へとつながる重要なステップとなります。

 特にモノトーンの鉛筆画を描くアーティストにとって、展示会を通じて得たフィードバック(批評)や新しいつながりを活かすことが、今後の創作活動やさらなる個展開催の成功につなげられます。

 本章では、個展終了後に行うべきフォローアップの方法を解説します。

来場者への感謝とフィードバックの収集

林檎 2019 F3鉛筆画 中山眞治

 個展に足を運んでくださった来場者の方々には、感謝の気持ちを伝えることが大切です。SNSやブログで「個展終了のご報告とお礼」を投稿し、写真とともに振り返りを共有しましょう。

 また、個展中に来場者の反応を観察し、どの作品に興味を持たれたかを記録することも重要です。

 可能であれば、アンケートを取ることで、次回の展示内容や改善点を具体的に把握できます。

購入者やギャラリーとの関係を深める

水滴Ⅵ 2019 F3 鉛筆画 中山眞治

 個展で作品を購入してくださった人や、ギャラリー関係者とは継続的な関係を築くことが大切です。

 作品を購入してくださった人には、一定期間後に「その後、作品はどのように飾っていただいていますか?」といったメッセージを送ると、良好な関係を維持できます。

 また、ギャラリーのオーナーや関係者とも定期的に連絡を取り、次回の展示の機会やコラボレーション(共同作業)の可能性を探るのもよいでしょう。

次の個展や作品発表の計画を立てる

        邂逅Ⅰ 2019 F3 鉛筆画 中山眞治

 個展後の勢いを活かし、次の作品制作や展示の計画を立てることも重要です。来場者の反応や売れ行きをもとに、次のテーマを考えたり、新しい技法に挑戦したりするのも良いでしょう。

 また、SNSやブログを活用して、制作の進捗を発信することで、ファンとのつながりを維持し、次回の個展の集客につなげることができます。

 個展後のフォローアップをしっかり行うことで、来場者とのつながりを深め、購入者との関係を維持し、次回の個展に向けた準備をスムーズに進めることができます。

なかやま

個展を単発のイベントに終わらせず、継続的な活動につなげていきましょう。

個展開催時に準備することや用意する物など

        静かな夜Ⅳ 2024 F10 鉛筆画 中山眞治

個展会場の予約時期

 会場予約は1年半前までに行いましょう。会場の大きさと展示に必要な作品数を考えて、場合によっては、それ以上に早く申し込む必要もあるので注意が必要です。

 会場の選択は、あなたの地元の集客を見込める都市部が有力です。また、会場を選択する際には、ギャラリーの場合には、あなたの制作作品集を一度見せてくださいと言われることがありますので、複数の作品の画像を用意する必要があります。

 あるは、カフェギャラリーを探すという方法もあります。あなたの地元に、この「カフェギャラリー」があれば、一度訪問してどんな展示の具合になるのか、必要になるものはどのようなものかの確認が必要です。

 しかし、あなたが初めて個展を開催する場合には、まずは「貸し画廊」を探して、そこのオーナーに相談してみましょう。開催したこともない個展は、準備する内容の全貌が見えにくいからです。

 因みに、料金については、筆者が今年(2025年)4月28日~5月3日まで行う個展会場の費用は、280,000円です(1Fフロアー、26㎡)。

 今回の筆者の個展会場ように、できれば1Fにある画廊が一番良いです。外から見えると同時に、どなたでも入って来られるからです。ただし、東京の銀座では、会場が限られています。

展示作品の厳選

 作品は、展示する会場で必要となる作品数よりも多く描いて厳選し、質を高める必要があります。

 前述していますが、筆者の最初の個展では45枚描いて、その中から40作品に絞りました。

 せっかく個展を開催する以上は、質を高めた展開を心がけましょう。

個展招待状

 個展招待状の一例を掲載します。筆者の今年の個展の招待状です。

<表>

<裏>

 個展招待状 3ヶ月前くらいまでには完成させておくことが必要です。遅くとも1ヶ月くらい前前でには発送するようにしましょう。

 人によっては、忘れられないように2週間前くらいに、先方に到着するように送る人もいます。

プレスリリース

 筆者の、今回の個展のプレスリリースです。

 3ヶ月前くらいまでにはプレスリリース用の文章を完成させて、メディア(テレビ新聞雑誌)へ郵送する。新聞の場合には、全国紙の他にも地方紙にも必ず郵送しましょう。

 筆者の第1回目の個展の開催の際には、埼玉新聞が取材に来てくれて、大きく掲載してくれました(無料です)。

用意すべきそれ以外の重要な物

  • 水平器 飾りつけの際に必要(簡単なものでよい)。
  • キャプション 会場での作品のタイトルと価格を載せたものを用意する。来場客は、大体いくらなのか知りたい人も多い。また、予算内で購入を考える人にも対応するため。
  • 解説ボード 作品に対する作家の思い入れなどを書いて来場客に観てもらう。
  • ポートフォリオ(作品集) すでに手元にない作品でも、似たような構図で描くことができるとアピールするために使う。購入希望者を逃がさず受注に結び付けるために必要。
  • 作家略歴 来場客は作家の画歴も必ず見たいと思うので用意する。しっかりとした画歴があれば、安心して購入できると思う人もいるため。
  • 名刺 来場客や他のギャラリーの担当者や、場合によっては、デパートの展覧会担当者が来場する場合に備えるため。展開の幅を拡大したい際には必須。
  • 静電スプレー 展示する作品の額には、アクリル製のカバーが付くので、静電気でほこりが付いた際に拭き取るため。
  • メガネ拭き 静電スプレーを噴霧した後に使う(アクリルを傷つけない)。
  • ともシール 作品が売れた際に、作品の箱に作品名・大きさ・技法などを描き込んで購入してくださった人へ内容が分かりやすくするためのシールを貼る。
  • 顔料インクのペン ともシールに内容を記載するための、色褪せしにくい顔料インクのペンによって描き込む。 
  • 招待状の残り 会場来場客へ手渡しながら会話の糸口を掴むためにも必要(来場客が作品を観始めたら、少し間合いを置いてから展示作品の作家です、と伝えて話のきっかけをつかむ)。来場客は作家と話をしながら、作品を購入したいと思っている場合が多いため。

個展成功のための総まとめ

第2回個展出品作品 灯(あかり)の点(とも)る窓辺の静物 2000 F100 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画の個展を成功させるためには、入念な準備と効果的な運営、そして開催後のフォローアップが重要です。

 特にモノトーンの鉛筆画は、光と影の表現や繊細なタッチが魅力であるため、それを最大限に活かす展示方法や宣伝戦略が求められます。

 以下では、成功する個展のための重要なポイントをまとめました。

個展の準備で押さえるべきポイント

予期せぬ訪問者 2019 F3 鉛筆画 中山眞治

  • テーマの設定:統一感のあるテーマを決め、展示全体のストーリー性も意識する。
  • 作品選び:まず必要な作品点数を、個展会場の大きさに合わせて揃えることが前提であり、また、飾りつけ時においては、大小のバランスを考慮し、視線の流れを計算したレイアウトにする。
  • ライティング:鉛筆画の細かな陰影を引き立たせるスポットライトや間接照明を活用する。

効果的な宣伝と集客戦略

         椿Ⅱ 2024 SM 鉛筆画 中山眞治

  • SNSとブログの活用:制作過程を発信し、開催前後でリマインド(再確認)投稿を行う。
  • メディアへの露出(プレスリリース):地元メディアやアート系ウェブサイトに情報を掲載する。
  • オープニングイベントの実施も検討:ミニトークや特典を用意し、来場者の満足度を高めることもできる。

展示レイアウトの工夫

月夜の帰り道 2019 F3 鉛筆画 中山眞治

  • 余白を意識する:作品同士の間隔を適切に取り、一つ一つをじっくり鑑賞できる空間を作る。
  • 視線誘導の工夫:目を引く作品を入口正面や入り口付近に配置し、来場者が自然に作品を巡る流れを作る。
  • 立体的な展示:額装や台座を活用し、平面的にならないように工夫する。

個展開催後のフォローアップ

         水滴Ⅶ 2019 F3 鉛筆画 中山眞治

  • 来場者との関係維持:SNSやメールで感謝の気持ちを伝え、次回開催の情報を発信する。
  • ギャラリーや購入者とのつながり:定期的に連絡を取り、リピーターを増やす。
  • 次の個展計画:フィードバックを活かし、新しいテーマや展示方法を検討する。

 これらのポイントを実践することで、鉛筆画の個展を成功に導き、次につなげることができます。計画的に準備を進め、多くの人に鉛筆画の魅力を届けましょう。

 ではまた!あなたの未来を応援しています。