自画像デッサンが上達する鏡の使い方5つのコツ!似ない原因も解説

 こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

 さて、自画像の鉛筆画やデッサンは、「似ない」と悩む人が多いモチーフです。しかし、鏡の使い方を少し変えるだけで、自画像は驚くほど描きやすくなります。 

 そして、自画像の鉛筆画やデッサンを描いていると、「どうしても似ない」「どこか歪んでしまう」と感じることがあるでしょう。

 実は、その原因の多くは技術ではなく、観察方法にあります。自画像では、鏡を使って自身の顔を観察することになりますが、鏡の使い方が適切でないと顔の形や比率を適切に捉えることができません。

 鏡の位置、視線の動き、観察の順番など、少しの違いが結果を大きく左右します。逆に言えば、鏡の使い方を理解するだけで、自画像の鉛筆画やデッサンは驚くほど描きやすくなります。

 この記事では、プロの鉛筆画家が実際に行っている「鏡を使った観察方法」を5つのポイントに整理します。

 鏡を適切に使うことで、顔の形やバランスを客観的に捉えられるようになり、自画像の鉛筆画やデッサンの完成度は大きく向上します。

 自画像を作品として完成させるためには、観察・判断・仕上げという3つの段階があります。この記事ではまず「観察」の部分、つまり鏡を使った適切な見方のコツを解説しましょう。

 それでは、早速どうぞ!

Table of Contents

自画像の鉛筆画やデッサンが似ない原因は鏡の見方にある

 自画像の鉛筆画やデッサンがうまくいかないとき、多くの人は「描き方」や「技術」に原因があると考えがちです。

 線の描き方が悪いのではないか、陰影の付け方が足りないのではないか、といったように、描写技術の問題として捉えてしまうことが多いのではないでしょうか。

 しかし、実際にはその前段階である、「観察」の方法に原因がある場合が少なくありません。自画像では、鏡に映った自身の顔を観察しながら描くことになります。

 つまり、他のモチーフとは異なり、観察対象が常に自分自身であり、しかも鏡を通して見るという、特殊な条件の中で描くことになるのです。

 このとき、鏡の見方や観察の仕方が適切でないと、顔の形や比率を適切に捉えることが難しくなります。さらに鏡を使った観察には、静物デッサンや人物モデルを描く場合とは違った難しさがあります。

 鏡の位置、視線の動き、観察の順序など、いくつかの条件が揃わないと、形の基準が曖昧になりやすく、自画像が似ないと感じる多くの原因は、実はここにあるのです。

 本章では、鏡を使った観察では、どのような問題が起こりやすいのかについて解説します。

 次に取り組む練習を明確にしたい方へ。

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鏡を見ながら描くと形が狂いやすい理由

 鏡を見ながらデッサンをすると、視線が「鏡」と「画面」の間を何度も往復することになるはずです。

 この視線移動が大きい場合には、観察した形を頭の中で記憶して描くようになるので、少しずつ形がずれていきます。 


 本来デッサンでは、見た形をそのまま画面に置き換えることが重要ですが、視線の移動が大きいと記憶による補正が入りやすくなり、顔の幅や角度などが微妙に狂ってしまうのです。

 鏡を使った自画像デッサンでつまずく原因については、

鏡を使った自画像デッサンが難しい理由と、失敗しない練習のコツとは?の記事でも詳しく解説しています。

鏡の観察は意外と難しい

 鏡に映る顔は、ただ自身の顔が映っているだけのように見えますが、実際には立体を平面として読み取る必要があるのです。

 さらに鏡像は、左右が反転しているため、普段見慣れている自身の顔とは微妙に違った印象になります。


 この違和感がある状態で形を観察すると、顔のバランスを適切に判断することが難しくなります。特に目や口の位置関係は、鏡像によって錯覚が生じやすい部分です。

自画像でよく起きる形のズレ

 自画像の鉛筆画やデッサンで、よく見られる問題には、いくつか共通した傾向があります。

 たとえば、顔の幅が広くなってしまう、左右の目の高さが揃わない、口の角度が不自然になるといったものです。


 また、輪郭線を意識しすぎることで、顔の外形が歪んでしまうことも少なくありません。これらの問題は描き方のミスというよりも、観察の基準が安定していないことによって起こる場合が多いのです。

観察方法を変えるだけで改善する

 自画像が似ない原因の多くは、描く技術ではなく、観察の方法にあります。鏡の位置を少し調整したり、観察する順番を変えたりするだけで、顔の形をより適切に捉えられるようになれます。


 つまり、鏡の使い方を理解することは、自画像の鉛筆画やデッサンを上達させるための、重要なポイントと言えるでしょう。

 鏡を適切に使って観察できるようになると、顔の形やバランスが自然と安定し、自画像の完成度も大きく向上していくのです。

 このあと紹介するポイントを意識することで、鏡を使った観察はさらに精度の高いものになります。

なかやま

適切な観察ができるようになれば、自画像の鉛筆画やデッサンは、これまでよりも格段に描きやすくなるはずです。

鏡の顔は本当の自身ではない?左右反転を理解する観察のコツ

 自画像デッサンで、最も混乱しやすいポイントの一つが、鏡に映る顔の「左右反転」です。鏡に映っている顔は普段見ている、自身の顔のように感じますが、実際には左右が入れ替わった像になっているのです。

 この違いを、理解しないまま描き進めてしまうと、顔のバランスを正確に判断することが難しくなります。多くの人が自画像を描くときに、「何となく似ていない」と感じる理由の一つは、この鏡像の特性にあります。

 普段私たちは、鏡を見ることで自身の顔を確認していますが、他人が見ている顔とは微妙に印象が異なるため、形を客観的に捉えることが難しくなるのです。

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、この鏡像の特徴を理解したうえで観察することがとても重要になります。

 本章では、鏡の左右反転が、どのように観察に影響するのかを整理してみましょう。

鏡像と実際の顔の違い

 鏡に映る顔は、左右が反転した状態で見えています。たとえば、右目が少し大きい場合でも、鏡の中では左側にある目が大きく見えることになります。

 このような反転の状態を意識せずに観察すると、顔のバランスを正確に判断することが難しくなります。また、人の顔は完全な左右対称ではありません。眉の高さや目の形、口角の位置などには必ずわずかな違いがあるのです。

 鏡像では、その違いが反転して見えるため、普段見慣れている自身の顔とは違う印象を受けることがあります。

左右のバランスが崩れて感じる理由

 鏡を見ながらデッサンをしていると、左右のバランスが不自然に感じることがあります。

 これは、鏡像による反転と、観察時の視線移動が重なることで起こる現象です。視線が鏡と画面を行き来するたびに、顔の印象が微妙に変化し、どちらが適切な形なのか判断が難しくなるのです。

 その結果、左右の目の高さが揃わなかったり、鼻や口の中心がずれてしまったりすることがあります。このようなズレを防ぐためには、顔全体のバランスを、大きな形として捉える意識が必要になります。

写真や画像での確認を併用する方法

 鏡だけで観察していると、左右反転による錯覚に気づきにくいこともあります。そのようなときは、スマートフォンなどで顔の写真や画像を撮影して、確認する方法が役立つのです。

 写真や画像は、鏡像ではなく実際の顔の状態を記録するため、鏡で見ている顔との違いを客観的に比較することができます。

 自画像の鉛筆画やデッサンの途中で、写真や画像を確認することで、形のズレや左右のバランスを修整しやすくなります。ただし、写真や画像だけに頼るのではなく、鏡による観察と併用することが大切です。

客観視を作るチェック方法

 自画像では、自身の顔を長時間見続けることで、形の違和感に気づきにくくなることもあります。そのため、途中で観察の視点を変えることが重要になります。

 たとえば、少し距離を置いて鏡を見る、あるいは描いた画面を少し遠くから確認するだけでも、顔のバランスの違いが見えやすくなります。また、デッサンを上下逆さまにして確認すると、形の歪みを見つけやすくなることもあるのです。

 このように観察方法を工夫することで、鏡像による錯覚を減らし、より客観的に自身の顔を捉えることができるようになれます。

 鏡による、左右の反転を理解して観察することは、自画像の鉛筆画やデッサンの精度を高めるための大切なポイントです。この仕組みを意識するだけでも、顔のバランスは大きく安定していくのです。

 自画像を描く際には、観察だけでなく「どこが崩れているのか」を判断する力も重要になります。その判断基準については、

自画像デッサンを“練習”で終わらせない!作品に仕上げるための5つの判断基準とは?の記事でも詳しく解説しています。

次章では、鏡をどの位置に置くべきかという「セッティング」の問題について解説します。鏡の配置を少し変えるだけでも、観察のしやすさは大きく改善できます。

自画像デッサンが安定する鏡の適切なセッティング

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、鏡の「見方」だけでなく、「置き方」も非常に重要になります。鏡の位置や角度が適切でないと、観察の精度が下がり、顔の形を適切に捉えることが難しくなります。

 多くの場合、自画像が不自然に見える原因は、描き方よりも観察環境にあると言ってもよいでしょう。

 静物の鉛筆画やデッサンでは、モチーフが動くことはありませんが、自画像では観察対象が自分自身であり、しかも鏡を通して見るという特殊な状況になります。

 そのため、鏡の配置が安定していないと、顔の見え方が微妙に変わり続け、形の基準が定まりにくくなるのです。

 自画像の鉛筆画やデッサンを安定させるためには、観察しやすい環境を作ることが大切です。鏡の位置、顔との距離、視線の動きなどを整えることで、観察の精度は大きく改善できます。

 本章では、鏡を使った観察を安定させるための、基本的なセッティングを紹介しましょう。

鏡は真正面ではなく少し角度をつける

 鏡を真正面に置いて観察すると、顔をまっすぐ見続けることになり、表情が硬くなりやすくなります。また、正面からの観察は形の奥行きを捉えにくく、顔が平面的に見えてしまうこともあります。

 そのため、鏡は完全な正面ではなく、少し角度をつけて配置する方が観察しやすくなります。わずかな角度をつけることで、顔の立体感や骨格の流れが見えやすくなり、輪郭や頬の形なども把握しやすくなるのです。

 このように、鏡の角度を少し調整するだけでも、観察できる情報量は大きく変わります。

 自画像の制作が難しく感じる際には、

自画像デッサンが難しい本当の理由とは?失敗を防ぐ最初の練習法の記事でも詳しく解説しています。

顔と画面の距離を一定に保つ

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、顔と画面の距離をできるだけ一定に保つことが大切です。描いている途中で体が前後に動いてしまうと、鏡に映る顔の大きさが変わり、形の基準がずれてしまうのです。

 距離が変化すると、顔の幅や高さの印象も微妙に変わるため、鉛筆画やデッサンの途中でバランスが崩れる原因になります。

 そのため、椅子の位置や姿勢を安定させ、できるだけ同じ位置から観察するようにすることが重要です。

 安定した姿勢を保つことは、長時間制作でも疲れにくくなれると同時に、観察精度を高めるうえで欠かせないポイントなのです。

視線移動を減らす配置を作る

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、鏡と画面の距離が離れすぎていると、視線移動が大きくなり、観察した形を記憶に頼って描くことになります。

 記憶による補正が入ると、顔の形が少しずつ変わってしまうことがあります。そのため、鏡と画面の位置は、できるだけ視線の移動が少なくなるように配置するのが理想です。

 たとえば、鏡を画面のすぐ横に置くと、視線の移動が短くなり、観察した形をそのまま描きやすくなります。視線の移動を減らすことは、デッサンの精度を保つための大切な工夫となります。

 尚、スケッチブックや画板に取り付けた紙のすぐ脇に、制作対象が見えている状態を作り、頭を動かさずに、視線の移動だけで描けるようなポジションの確保も必要です。^^

 自画像で「顔が似ない」と感じる原因については、

自画像で顔が似ないのはなぜ?鉛筆画・デッサンが崩れる原因5選の記事でも詳しく解説しています。

長時間描ける姿勢を整える

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、ある程度の時間をかけて観察と描写を繰り返すことになります。そのため、無理な姿勢で描いていると、疲労によって体が動き、顔の位置も変わりやすくなりますので、

 姿勢が安定していないと、鏡に映る顔の見え方が少しずつ変化しますので、イスに腰掛ける際には足を組まずに両足を床面につけて、できるだけ自然な姿勢で座り、長時間の制作でも安定して観察できる環境を整えることが重要です。

 椅子の高さや鏡の位置を調整するだけでも、観察のしやすさは大きく変わります。鏡のセッティングを整えることは、自画像の鉛筆画やデッサンの基礎となる、観察環境を作ることでもあります。

 観察しやすい環境が整うと、顔の形やバランスを安定して捉えることができるようになれるのです。

なかやま

次章では、鏡を使って顔の形をより適切に捉えるための、観察テクニックについて解説します。観察の順序や意識の持ち方を少し変えるだけで、顔の構造は格段に理解しやすくなります。

プロが実践する鏡観察テクニック!顔の形を適切に捉える方法

 鏡の位置や観察環境が整ったとしても、それだけで自画像の鉛筆画やデッサンが安定するわけではありません。実際に顔を観察するときには、どのような順序で形を見ていくのかという「観察の方法」も重要になるのです。

 観察の順序が曖昧なまま描き始めてしまうと、細部に意識が集中しすぎてしまい、顔全体のバランスを見失うこともあります。

 とくに自画像では、目や口などの特徴的な部分に注意が向きやすく、いきなり細部から描き始めてしまうこともあるのです。

 しかし、このような描き方では、顔全体の構造が安定しないまま描写が進んでしまうため、完成したときに形のズレが目立つことがあります。

 顔を適切に捉えるためには、観察の順序を意識しながら描くことが大切です。

 本章では、鏡を使った観察の精度を高めるための基本的なテクニックを紹介します。

シルエットから顔の形を観察する

 顔を観察するときには、まず細部ではなく「外形」を大きく捉えることが重要です。鏡に映る顔を見たとき、最初に確認すべきなのは輪郭の形です。

 頭の形、頬の膨らみ、顎の角度などを大きな形として捉えることで、顔全体のバランスが見えてきます。輪郭を意識することで、顔の幅や高さの関係も理解しやすくなります。

 いきなり目や鼻を描き始めるのではなく、まず顔の外形を大きな形として捉えることが、自画像の鉛筆画やデッサンの安定につながるのです。

影の形で顔の構造を理解する

 顔は、立体の構造を持っているため、光の当たり方によって影の形が生まれます。この影の形を観察することで、顔の立体構造を理解しやすくなります。

 たとえば、頬骨の位置や鼻の高さ、目のくぼみなどは、影の形として現れることが多い部分です。輪郭だけで形を判断するのではなく、影の広がりや濃さにも注目することで、顔の立体感をより正確に捉えることができるのです。

 影を形として観察することは、顔の構造を理解するための重要な手がかりになります。

大きな形から始めて徐々に細部へ進む

 鉛筆画やデッサンでは、「大きな形から小さな形へ」という順序が基本になります。自画像でも同様に、最初に顔全体の形を捉え、その後に目や鼻、口といった細部を描き込んでいくことが大切です。

 この順序を守ることで、顔全体のバランスを維持したまま描写を進めることができます。

 逆に、細部から描き始めると、その部分に合わせて他の形を調整することになり、結果として顔全体のバランスが崩れてしまうこともあります。観察の順序を意識することは、形のズレを防ぐうえで非常に重要です。

一定時間ごとに全体の確認をする

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、描き進めているうちに視野が狭くなり、一部分だけに集中してしまうことがあります。そのため、一定時間ごとに全体を見直す習慣を持つことが大切です。

 たとえば、数十分ごとに少し距離を離れて画面を確認するだけでも、顔のバランスの違いに気づきやすくなれます。また、鏡と画面を同時に見比べることで、形のズレを早い段階で修整することもできます。

 このように、全体を確認する時間を設けることで、自画像の鉛筆画やデッサンの精度は大きく向上します。鏡を使った観察では、細部だけを見るのではなく、顔全体の形や影の関係を大きく捉えることが重要なのです。

 観察の順序を意識することで、顔のバランスを安定させながら描写を進めることができるようになれます。

次章では、自画像を完成させる段階で行う「鏡チェック」の方法について解説します。仕上げの段階で鏡をどのように使うかによって、作品の完成度は大きく変わるのです。

自画像を作品レベルに引き上げる鏡チェックの使い方

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、観察しながら描くことだけでなく、描いた内容を鏡を使って確認する作業も重要になるのです。

 多くの場合、描いている本人は自身のデッサンを長時間見続けることになるため、形のズレや歪みに気づきにくくなってしまいます。

 とくに、顔のバランスは、わずかな違いでも印象が大きく変わるため、途中の段階で客観的に確認することが大切です。

 鏡は、観察の道具としてだけでなく、デッサンの状態をチェックするための道具としても活用できます。

 描いた作品を鏡に映して見ることで、普段の見え方とは異なる視点から形を確認できるため、歪みやバランスの違いを見つけやすくなるのです。

 このような鏡チェックを適切なタイミングで行うことで、自画像の鉛筆画やデッサンの完成度は大きく向上します。

 本章では、鏡を使って作品の精度を高めるための具体的な方法を紹介しましょう。

途中段階で鏡を使って確認する

 デッサンを進めている途中で、一定の段階ごとに鏡を使って作品を確認する習慣を持つと、形のズレに早い段階で気づくことができるのです。

 描き進めてから修整するよりも、途中で調整する方が、形を自然に整えることができます。

 たとえば、輪郭を描いた段階や、目・鼻・口の位置を決めた段階で一度鏡に映して確認すると、顔全体のバランスが見えやすくなります。途中の段階での確認は、デッサンの安定につながる重要な作業です。

歪みを見つける最終チェック

 ある程度描き込みが進んだ段階では、鏡を使って最終的な形の確認を行います。

 鏡に映した状態で作品を見ると、普段の見え方とは逆の印象になるため、形の歪みやバランスの違いが強調されて見えることがあるのです。

 とくに、左右のバランスや顔の傾きなどは、鏡でのチェックによって見つけやすくなります。自画像の鉛筆画やデッサンでは、こうした最終確認を行うことで、完成度をさらに高めることができます。

仕上げ段階で確認するポイント

 仕上げの段階では、顔のバランスだけでなく、陰影の関係や画面全体の印象も確認する必要があります。鏡に映して作品を見ることで、明暗のバランスや形の強弱なども客観的に判断しやすくなれます。

 たとえば、影の位置が不自然になっていないか、顔の左右の濃さが偏っていないかなどを確認することで、作品としての完成度を整えることができるのです。

 仕上げの段階では、細部だけでなく画面全体を見る意識が重要になります。

観察を判断と仕上げにつなげる方法

 自画像の鉛筆画やデッサンでは、観察・判断・仕上げという3つの段階が密接に関係しています。

 鏡を使った観察によって、顔の形を適切に捉え、その情報をもとに形のバランスを判断し、最後に仕上げとして画面を整えていく流れになるのです。

 観察だけでは作品は完成しませんし、判断や仕上げだけでも形の適切さは保てません。鏡を使ったチェックは、この3つの段階をつなぐ役割を持っています。

 自画像の鉛筆画デッサンを、作品として完成させるためには、描きながら観察し、途中で判断し、最後に仕上げとして確認するという流れを意識することが大切です。

 鏡を適切に使うことで、この一連の作業がよりスムーズに進められるようになれます。

なかやま

自画像の鉛筆画やデッサンでは、鏡は単なる観察道具ではなく、作品の完成度を高めるための重要なパートナーと言えるでしょう。

 自画像を完成作品として仕上げるための具体的な確認ポイントについては、

自画像を作品レベルに引き上げる具体的な仕上げチェックの7項目とは?の記事で詳しく解説しています。

練習課題(3つ)

 本章では、あなたが実際に手を動かして練習できる課題を用意しました。鉛筆画やデッサンは練習しただけ上達できますので、早速試してみてください。

鏡を使ったシルエット観察トレーニング

目的

 顔の細部ではなく、頭部全体の形を正確に捉える観察力を身につける。

内容

 鏡を使って自身の顔を観察し、まずは顔の外形だけをデッサンします。目・鼻・口などの細部は描かず、次の部分だけに集中します。

  • 頭の形
  • 頬の膨らみ
  • 顎の形
  • 額から顎までのライン

 できるだけシンプルな線で、顔の大きな形を捉えることを意識します。

ポイント

  • 細部を描かない
  • 輪郭の大きな流れを見る
  • 左右の幅の違いを観察する
  • 頭の傾きを確認する

効果

  • 顔全体の形が安定する
  • バランス感覚が向上する
  • 自画像の「似ない問題」が改善する

        参考画像です

鏡と画面の往復観察トレーニング

目的

 鏡と画面を行き来する、観察リズムを身につけ、形のズレを防ぐ。

内容

 鏡を見て観察 → 画面を見る → 描く

 このリズムを繰り返しながら自画像を描きます。この課題では「観察時間」を意識します。

基本の目安

 観察:5秒、描く:2〜3秒、 この比率で描き進めます。

ポイント

  • 観察時間を長くする
  • 描く時間を短くする
  • 鏡を見る回数を増やす
  • 記憶で描かない

効果

  • 観察精度が上がる
  • 形のズレが減る
  • デッサンの安定感が向上する

        参考画像です

鏡のチェックによる歪みの修整トレーニング

目的

 鏡を使って、デッサンの歪みを客観的に発見する力を身につける。

内容

 自画像を20〜30分描いたあと、次の方法でチェックします。

① 描いたデッサンを鏡に映す。
② 左右バランスを確認する。
③ 歪みを修整する。

チェックするポイント

  • 目の高さ
  • 鼻の中心線
  • 口の角度
  • 顔の傾き

ポイント

  • 細部より全体を見る
  • 左右の高さを比較する
  • 中心線を意識する
  • 修整は大胆に行う

効果

  • 歪みに気づく力が身につく
  • 客観視ができるようになる
  • 作品の完成度が上がる

参考画像です

まとめ:自画像の鉛筆画やデッサンが劇的に上達する鏡の使い方5つのコツ

 自画像の鉛筆画やデッサンが、うまく描けないと感じるとき、多くの人は描き方や技術に原因があると考えがちです。しかし実際には、その前段階である観察方法に問題がある場合が少なくありません。

 とくに自画像では、鏡を使って自身の顔を観察することになるため、鏡の特性を理解していないと顔の形やバランスを適切に捉えることが難しくなります。

 鏡に映る顔は、左右が反転しているため、普段見慣れている自身の顔とは微妙に印象が異なるのです。

 この違いを意識せずに描いてしまうと、左右のバランスが崩れたり、顔の中心がずれてしまったりすることがあります。そのため、自画像の鉛筆画やデッサンでは、鏡像の特徴を理解しながら観察することが重要になります。

 また、鏡の置き方や観察環境も自画像の完成度に大きく影響します。鏡の位置や角度、顔との距離、視線の動きなどが安定していないと、顔の形を一定の基準で捉えることができません。

 観察環境を整えるだけでも、デッサンの安定感は大きく変わります。

 さらに、鏡は観察だけでなく作品のチェックにも活用できます。描いたデッサンを鏡に映して確認すると、普段とは逆の印象になるため、形の歪みやバランスの違いを見つけやすくなるのです。

 このような客観的な確認を行うことで、自画像の完成度はさらに高まります。自画像の鉛筆画やデッサンでは、観察・判断・仕上げという3つの段階が連続しています。

 鏡を使って適切に観察し、その情報をもとに形を判断し、最後に仕上げとして画面を整えていくことで、作品としての完成度が生まれます。鏡を適切に使うことは、この一連の作業を支える重要な基礎と言えるでしょう。

 鏡の使い方を少し意識するだけで、自画像の鉛筆画やデッサンの観察精度は大きく向上します。顔の形を客観的に捉えられるようになると、形のズレが減り、作品としての完成度も自然と高まっていきます。

 自画像の鉛筆画やデッサンを、上達させたいと考えている人は、まず鏡の使い方を見直してみてください。

 観察の精度が上がることで、これまで見えなかった形や構造が理解できるようになり、自画像の鉛筆画やデッサンは、これまでよりも格段に描きやすくなるはずです。

<重要ポイントまとめ>

  • 自画像が似ない原因の多くは、観察方法にある。
  • 鏡像は、左右反転しているため注意が必要。
  • 鏡の位置や、観察環境を整えることが重要。
  • 顔は細部ではなく、大きな形から観察する。
  • 影の形を見ることで、立体構造が理解できる。
  • 描いたデッサンは、鏡で確認すると歪みを見つけやすい。
  • 観察 → 判断 → 仕上げの流れを意識することが大切。

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