毎日10分で変わる!初心者から中級者の鉛筆画・デッサン練習のルーティンとは?

 こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

            筆者近影 作品「静物2025-Ⅲ」と共に

 早速ですが、絵画の世界で上達することは、誰にとっても魅力的なことであり、特に鉛筆画・デッサンは、その基礎を学び、技術を磨くのに最適な方法の一つです。

 しかし、忙しい日常では長時間の練習は難しいでしょう。

 そこで、わずか毎日10分から始められる、デッサン練習のルーティンをご提案します。この短時間練習法は、初心者から中級者への道を着実に歩み、絵画制作技術を効果的に向上することができます。

 それでは、早速どうぞ!

目次

鉛筆画・デッサンの基本技術:初心者が中級者になるためのステップバイステップガイド

デッサンの基礎を固める:適切な持ち方から始めよう

形と比率を捉える:観察力を鍛える

陰影を理解する:立体感を表現するテクニック

細部にこだわる:細部の強化

練習を習慣に:毎日のルーティンで上達を加速

鉛筆画・デッサン力を高める!10分の練習で見違える絵の上達法

明暗差をマスターする:光と影のバランス

線の流れを意識する:動的な表現を追求

ポーズと構図の実験:効果的な配置を理解する

スピード練習で反射神経を鍛える

色彩感覚を磨く:モノクロで色の理解を深める

時間がないあなたに最適!短時間で効果的な鉛筆画練習法

速描きにチャレンジ:直感を養う

一点集中描写(フォーカスドローイング):一点集中の練習

基本形状の繰り返し:形の理解を深める

描写の種類:線の太さと強さを変える

陰影技法:影の効果をマスターする

毎日の練習で大きく成長!初心者から中級者へのデッサンスキルアップの方法

基本の「かたち」を徹底的に練習する

比例と構成を意識したスケッチ

視点を変えてみる

単色の線画でリアルな表現を追求する

身の回りの物を題材に使う

短期間で上達を実感!効率的な鉛筆画・デッサンの練習ポイント

正確な視測法を身につける

複雑な形状を基本形に分解

濃淡の階調(グラデーション)をマスターする

繰り返し描くことの大切さ

描画スピードの種類

まとめ

Table of Contents

鉛筆画・デッサンの基本技術:初心者が中級者になるためのステップバイステップガイド

   第2回個展出品作品 洋ナシのある静物 2000 F1 鉛筆画 中山眞治

 本章では、鉛筆画初級者の人が、段階を踏んで中級者になるためのノウハウについて解説していきます。

デッサンの基礎を固める:適切な持ち方から始めよう

     第1回個展出品作品 トルコ桔梗Ⅰ 1996 F6 鉛筆画 中山眞治

​​ 鉛筆画・デッサンの世界において、最も基本的なスキルは、鉛筆の持ち方です。適切なグリップは描画の精度を高め、疲労を減らし、長時間の作業を可能にしてくれます。

 このステップでは、指の位置と鉛筆の角度を調整することで、軽いタッチから力強い線まで自在に操れる技術を習得する必要があるのです。

 まず、モチーフの全体の大きな輪郭を捉えるためには、鉛筆を人指し指・中指・親指でつまむように持ち、大きく肩や腕を動かすイメージで優しく描線しましょう。

 この場合には、Bや2Bなどの柔らかい鉛筆で、優しくゆったりと自由に描線することがコツであり、落ち着ける音楽などもあるといいですね。

 尚、制作時の姿勢は、足を組まずにイスに深く腰掛け、絵画教室であればイーゼル上のスケッチブックのすぐ脇にモチーフが見えるよう状態にして、頭を動かさずに視線だけを動かして制作できるようにしましょう。

 このような姿勢で制作できれば、疲労感が抑えられて、長時間の制作もできるようになれます。

形と比率を捉える:観察力を鍛える

​​ デッサンの上達には、モチーフを適切に見る能力が不可欠です。日々の練習においては、簡単な幾何学形から始め、次第に複雑な形へと進んでいきましょう。

 そして、モチーフの大きさや距離感を適切に捉え、それをスケッチブックや紙上に再現することが、中級者への道を切り拓く鍵となります。次の画像のようなモチーフから始めると、良いでしょう。

          引用元:アートラボゼロプラス        

陰影を理解する:立体感を表現するテクニック

    第1回個展出品作品 金剛力士像(阿形) 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 光と影の関係を理解することは、デッサンで立体感を表現する上で必須です。

 光が、モチーフに当たる角度や強さを観察して、それを鉛筆の濃淡で表現する練習を行います。

 この技術は、デッサンのリアリティー(現実性)を大きく向上させてくれるでしょう。

細部にこだわる:細部の強化

​​ 初心者から中級者への移行期には、細部への注意が必要です。

 一見些細に見える質感や、微妙な線の違いも、作品全体の質を左右します。

 さまざまな質感を表現できるように、異なる描画方法を試し、あなたなりのスタイルを見つけ出しましょう。次の画像を参照してください。

         出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 高沢哲明 氏

練習を習慣に:毎日のルーティンで上達を加速

      第1回個展出品作品 男と女 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ これらのスキルは、継続的な練習を通じて習得が可能です。

 毎日の練習ルーティンを作り、少しずつでも確実にスキルを伸ばしていくことが大切であり、一日10分の練習でも、大きな進歩を遂げることができます。

 このようなステップ・バイ・ステップガイドを実践することで、初心者から中級者へとスムーズにスキルアップすることが可能になるのです。

なかやま

鉛筆画・デッサンの技術を磨き、アートの旅を次のレベルへと進めましょう。

鉛筆画・デッサン力を高める!10分の練習で見違える絵の上達法

  第2回個展出品作品 胡桃のある静物 2000 F1 鉛筆画 中山眞治

 本章では、短時間の練習ではあっても、デッサン力を高められる方法について解説します。

明暗差をマスターする:光と影のバランス

 効果的なデッサンには、明暗差の理解が不可欠です。光と影を使い分けることで、形の立体感を強調しましょう。

 毎日の練習で、さまざまな照明下でのモチーフの見え方を観察し、その明暗差をスケッチブックや紙上に再現する練習を行います。

 このテクニックは、わずか10分の練習でも、劇的な変化をもたらしてくれるのです。

線の流れを意識する:動的な表現を追求

 線の流れは、動きやエネルギーを表現する上で重要な要素です。鉛筆を使って、流れるような線を描く練習をしてみましょう。

 力強く、または柔らかく、線の質感を変えることで、作品に力強さをもたらすことができます。

 このスキルは、たった10分の練習でも、作品の印象を大きく変えることが可能です。次の画像を参照してください。

         出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 大寺聡 氏

ポーズと構図の実験:効果的な配置を理解する

 良いデッサンは、バランスの取れた構図(※)から生まれます。

 短い時間を使って、さまざまなポーズ(姿勢)や、モチーフの配置を試してみましょう(構図については、この記事の最終の関連記事を参照してください)。

 これにより、視覚的に魅力的なデッサンを作るための感覚を養うことができます。構図に対する意識を高めることで、練習の効率が上がり、上達が加速するのです。

 次の作品では、画面横の黄金分割に灯台を配置して、灯台の下の大地の水平位置も画面縦の黄金分割に据え、また対角線上にカモメを配置することで、画面全体に動きを作っています。

          第2回個展出品作品 潮騒 2000 F100 鉛筆画 中山眞治

※ 構図につきましては、この記事の最終部分に、関連記事を載せてありますので参照してください。それによって、当面の制作に役立てていただくことができるでしょう。

スピード練習で反射神経を鍛える

    第1回個展出品作品 金剛力士像(吽形) 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 スピードは、デッサンスキルを磨くための重要な要素です。

 タイマーなどを使って時間を設定し、その中でできるだけ多くの、スケッチを完成させることに挑戦します。このプロセスは、決断力と直感を鍛え、瞬時に形を捉える能力を向上させてくれます。

 毎日10分のスピード練習は、描画技術を一段階上のレベルへと押し上げる際には、特に役立つのです。

色彩感覚を磨く:モノクロで色の理解を深める

 鉛筆画・デッサンでは、色彩を使いませんが、異なるグレーのトーンを使って色彩の概念を理解し、表現することができます。

 モノクロームで表現することで、色彩の相互作用とバランスに敏感になれます。10分間の異なるトーンの練習を積むことで、カラー作品に取り組む際でも、色彩感覚が研ぎ澄まされるでしょう。

 これらのテクニックは、毎日のわずかな練習時間を最大限に活用し、デッサン力を着実に高めるためのものです。次の作品を参照してください。

        第1回個展出品作品 野菜 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

練習は短くても、その積み重ねが大きな進歩をもたらしてくれます。

時間がないあなたに最適!短時間で効果的な鉛筆画練習法

           第1回個展出品作品 葡萄 1997 F6 鉛筆画 中山眞治

 本章では、短時間ではあっても、効果的な練習方法について解説します。

速描きにチャレンジ:直感を養う

      第1回個展出品作品 風神 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 短時間での練習法の中でも、速描きは直感的なスキルを養えるのです。

 目の前の制作対象を1~2分で捉え、素早くスケッチブックや紙上に表現することで、重要な形状や線を瞬時に認識する力が身につきます。これをクロッキーとも言います。

 毎日、数分の速描きは、見たものを迅速に処理し、重要な要素を捉える能力を高める素晴らしい練習法です。

一点集中描写(フォーカスドローイング):一点集中の練習

      第1回個展出品作品 雷神 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 集中力を高めるためには、一点集中の練習も有効です。

 10分間、一つのモチーフを集中して描くことで、深い注意力と集中力を養うことができます。

 この練習法は、鉛筆画・デッサンの技術を向上させてくれるだけでなく、日常生活における集中力の向上にも寄与するのです。

基本形状の繰り返し:形の理解を深める

​​ 基本的な形状を繰り返し描くことは、形の理解を深めます。円、四角、三角などのシンプルな形から始め、それらが複雑な形にどのように組み合わさるかを学びます。この練習は、描きたい対象を基本的な形に分解して考える力を養います。

 尚、描き初めにおけるコツは、モチーフを簡略化した形状で捉えて、全体のバランスを取りながら描き進めていくことです。

 たとえば人体であれば、足や腕は円筒として捉えたり、上半身部分は次の画像のように「への字」になった立体物として当初捉えて描き進んでいきます。

    出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 三澤寛志 氏

 そして、全体のバランスを見ながら修整を加えつつ、徐々に実物の形に近づけていくのです。

描写の種類:線の太さと強さを変える

    第1回個展出品作品 ノートルダム寺院 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 筆圧の強さ線の太さを変える練習をすることによって、表現の幅は広がります。

 軽いタッチで柔らかな線を描いたり、力強く太い線を描いたりすることで、鉛筆の扱い方が自然と身につくのです。

 10分間に異なる線の特徴を試すことで、より表現豊かな作品を作り出すことができます。

陰影技法:影の効果をマスターする

​​ 影を利用した陰影技法は、鉛筆画・デッサンに深みと現実感をもたらしますので、異なる濃度で影をつけることで、モチーフに立体感を出す練習をしましょう。

 光の方向を意識しながら、影の濃淡を実験する10分間は、鉛筆画・デッサンの質を飛躍的に向上させてくれるのです。

 これらの練習法は、忙しい日々の中でも取り入れやすく、短時間で大きな効果をもたらすことが期待できます。

 尚、主題(主役や準主役、以下主題)となるモチーフを目立たせる方法には、大きく分けて2種類の方法があります。一つ目は、主題の背景に濃いトーンを置いて、主題を手前に浮かび上がらせる方法。

 そして、二つ目は、背景を淡くして、主題に濃いトーンを使う方法です。次の作品を参照してください。

         午後のくつろぎ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

なかやま

毎日の練習を通して、一歩ずつ鉛筆画のスキルアップを目指しましょう。

毎日の練習で大きく成長!初心者から中級者へのデッサンスキルアップの方法

       第1回個展出品作品 静物Ⅱ 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 本章では、毎日少しずつではあっても練習を重ねることで、確実にスキルアップできる方法について解説します。

基本の「かたち」を徹底的に練習する

       第1回個展出品作品 夜の屋根 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ デッサンスキルの向上には、基本となる「形」を描く練習が不可欠です。

 円・直線・楕円など、日々の練習を通じて、これらの基本形を正確に描けるようになりましょう。これらのシンプルな形が、より複雑なモチーフを描く際の土台になります。

 しかし、円・直線・楕円などは、最初から上手にはかけなくて当たり前なので、上手にできなくても気にしないことです。最初の内は、定規・分度器・コンパスなど、使えるものは何でも使いましょう。

 描くことが多くなってくれば、自然と円・直線・楕円など、それぞれの線を描けるようになれます。

 ただし、あなたが絵画教室に通っている場合には、絵画教室では使わないようにしましょう。なぜならば絵画教室の講師の方々は、「フリーハンドによる制作」にこだわりがあるからです。

 そうとも知らずに、あなたが絵画教室でこれらの道具を使っていて、ふと気配に気づいて振り返ったところに、「真っ赤な顔をした講師」が立っていたら怖いですからね。^^

比例と構成を意識したスケッチ

    第1回個展出品作品 サン・ドニ運河 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ モチーフの比例と構成を捉えることは、デッサンの質を大きく左右します。

 毎日の練習では、モチーフの各部分がどのように関連し合っているかを意識して、その比例を適切にスケッチブックや紙上に表現することが重要です。

 初心者から一歩進んで中級者へと進化するためには、このスキルが必要不可欠です。具体的には、人体であれば何頭身なのか、腕や足の長さは全身の比率は適切か、顔が大きかったり、小さかったりしていないかなどがあります。

       第1回個展出品作品 人物Ⅳ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 筆者が初めて人物画を描いた時には、それはひどい物で、まるで「福笑い」でした。最初は、うまく描けなくても決して落ち込ま意ようにしましょう。

         福笑いの画像です

 描くことになれてくれば、自然と描けるようになってきます。ただし、日々、短時間でも描く習慣をつけることが前提です。ある時は、一日中描いても、そこから一ヶ月間描かないとかでは、進歩できません。

 普段の日には、数十分しか描けなくても、休日などを使って、その作品をもっとリアルに仕上げるような努力もしてみましょう。光と影を意識して仕上げていけば、必ず内容の濃い作品になるはずです。^^

視点を変えてみる

    第1回個展出品作品 昼下がりの桟橋 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 同じモチーフでも、異なる視点から見ることで、全く新しい形状や構成を発見できるのです。

 毎日の練習で、モチーフをさまざまな角度から描くことで、空間認識能力と立体描写の理解が深まります。

 この練習は、デッサンの見方と描き方の、柔軟性を高めるために効果的です。

単色の線画でリアルな表現を追求する

​​ 実際のモデルや、モチーフを観察しながら描く単色の線画(ラフドローイング)は、観察力と表現力を鍛えるのに最適です。

 生きた動きや、微妙な表情を捉えることは、デッサンスキルを中級レベルに押し上げるために役立ちます。リアルな質感や、立体感を表現する力が自然と身につくでしょう。

       第1回個展出品作品 少年 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

身の回りの物を題材に使う

​​ 身の回りにある日常的な物を題材にすることは、新しい視点で捉える練習になります。

 たとえば、家の中にある野菜・果物・食器・調理道具・家具など、日々異なる物を選んで描くことで、多様な形状や質感に慣れ親しむことができるでしょう。

 これらのアプローチは、短時間でも集中して取り組むことで、初心者から中級者へとステップアップするための確実な方法になります。次の作品も参照してください。

   蕨市教育委員会教育長賞 灯(あかり)の点(とも)る静物 1999 F30 鉛筆画 中山眞治

毎日の積み重ねが、デッサンスキルを着実に成長させることを忘れずに、練習を続けていきましょう。

短期間で上達を実感!効率的な鉛筆画・デッサンの練習ポイント

    第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅠ 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 本章では、短期間ではあっても、効率的にスキルアップできる方法について解説します。

正確な視測法を身につける

     第1回個展出品作品 ペンギン 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 鉛筆画・デッサンで上達するための最初のステップは、物の大きさや位置を正確に捉える視測法を習得することです。

 鉛筆で、モチーフの角度や長さを測り、それをスケッチブックや紙上に移す練習を毎日行いましょう。次の画像を参照してください。

       出典画像:美大・芸大受験の基礎(鉛筆で比率を測る)

 このスキルは、比例感覚を養い、作品全体のバランスを整えるのに役立ちます。

複雑な形状を基本形に分解

      第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅢ 1998 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 複雑な形状のモチーフも、基本的な幾何学的形状に分解して考えることで、デッサンがシンプルになります。

 毎日、身の回りの物を基本形に分解する練習をすることで、どんな複雑な形状でも描けるようになれます。

 この方法は、短期間での上達を促進します(先ほどの横たわっている人体の描写部分を参照してください)。

濃淡の階調(グラデーション)をマスターする

​​ 鉛筆デッサンの上達には、異なる濃淡をスムーズに描く技術が不可欠です。

 毎日の練習で、軽いタッチから強い筆圧までを使い分けて、豊かな階調(グラデーション)を生み出す練習をしましょう。この技術は、作品に深みとリアリズム(現実性)をもたらします。

 この部分では、鉛筆で描線を重ね合わせる手法である「クロスハッチング」を使いましょう。縦横斜めの4種類の線を使って、画面を埋めていきますが、描きにくさがある場合は、スケッチブックや紙の側を動かせば無理なく描線できます。

 また、タッチを変えることで、立体的な強調にも役立ちます。次の画像を参照してください。

       出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 大寺聡 氏

繰り返し描くことの大切さ

      第1回個展出品作品 ノスリ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

​​ 同じモチーフを何度も描くことで、視覚的な記憶と描写能力が向上します。

 毎日、同じモチーフを繰り返し描いてみて、それぞれの試みで改善点を見つけてください。

 この練習は、短期間で細部に対する理解を深め、速度と適切さを高めるのに効果的です。

描画スピードの種類

      第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅡ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

​ スピードを変えて描くことで、描画の柔軟性と反応速度を養うことができます。

 タイマーを設定して、早描きでのスケッチと、じっくり時間をかけたデッサンの両方を試してみましょう。この練習は、異なるペースでの制作に慣れ、効率的な描画法を身につけるために役立つのです。

 これらのポイントに焦点を当てた練習を続けることで、短期間での鉛筆画・デッサンスキルの向上が期待できます。

なかやま

毎日少しずつでも練習を積み重ねることが、成長への近道となるでしょう。

まとめ

      国画会展 会友賞 誕生2105-Ⅱ F130 鉛筆画 中山眞治

 デッサンの技術は、継続的な練習と適切な学習法によって、飛躍的に向上します。鉛筆を用いて毎日練習することで、モチーフのサイズや位置関係を正確に把握し、バランスの取れた作品を描く土台を築けます。

 また、複雑な形状を、基本的な幾何学形に分解する技術は、どのようなモチーフも簡単に描けるようになるための近道です。濃淡の階調をマスターすることで、鉛筆デッサンに必要な深みと現実性を表現できるようになれるのです。

 軽いタッチから強い筆圧を使い分けることは、鉛筆の使い方を理解する上で重要です。さらに、同じモチーフを繰り返し描くことで、細部に対する洞察力を磨き、描写スピードの向上にも繋がります。

 描画スピードを変える練習は、柔軟な描写技術と迅速な反応を可能にしてくれます。速描きから丁寧な描写までの種類を試すことで、さまざまな描画状況への適応力を養えるのです。

 そして、身の回りの物を題材に使用することで、実生活に根ざしたリアルな表現を追求することもできます。

 これらの練習法は、短時間でデッサンスキルの向上を実現できます。時間が限られている中でも、毎日わずかな時間であってもこれらの練習に取り組むことで、初心者から中級者へのステップアップが可能になるのです。

 継続は力なり、とはよく言ったもので、毎日の小さな積み重ねが、大きな成長を生み出すのです。効率的な鉛筆画・デッサンの練習ポイントを押さえ、上達への旅を始めましょう。

 尚、あなたが展覧会や公募展へ出品を希望する際には、ただモチーフを上手に描けるだけでは入選できません。

 それは、あなたの制作する画面全体を使って、作品全体を魅力的な構成にする必要があるのです。その内容について興味のある人は、次の関連記事を参照してください。

関連記事:初心者でも簡単!プロが教える鉛筆画の構図の取り方やコツとポイント

 また、「人生が充実する、鉛筆画やデッサンがもたらす驚きのメリットと魅力!」という次の記事もありますので、関心のある人は参照してください。^^

 ではまた!あなたの未来を応援しています。