鉛筆デッサンの基本のき:初心者でも簡単にできるテクニック9選!

 こんにちは。私は、アトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

       筆者近影 作品「パーティーの後で」と共に

 さて、鉛筆デッサンは、初めての人でも簡単に取り組めるアートの一つです。必要なのは鉛筆とスケッチブックや紙と消しゴム、そして少しのコツだけ。この記事では、初心者の人が最初に知っておきたい鉛筆デッサンの基本テクニックを解説します。

 まず、手軽に始められる線の描き方や形の取り方から学び、影の表現方法や立体感を出す工夫を取り入れていきましょう。

 シンプルな練習から始めていけば、誰でも着実に上達できます。基礎をしっかり固めて、デッサンを楽しむ第一歩を踏み出しましょう。

 それでは、早速どうぞ!

鉛筆デッサンを始める前に知っておくべきこと

 鉛筆デッサンは、シンプルな道具で手軽に始められるアートですが、基本的な知識を持つことで、作品の完成度がぐっと高まります。

 モノトーンの鉛筆を用いたデッサンは、色彩に頼らずに陰影や立体感を表現するため、技術の基礎をしっかり学ぶことが重要です。

 本章では、鉛筆デッサンに取り組む前に知っておきたい基本事項と、モノトーンならではのポイントについて見ていきます。

鉛筆の種類と硬さの選び方

 鉛筆デッサンにおいて、鉛筆の選び方は作品の仕上がりに大きな影響を与えます。一般的に、鉛筆の硬さは「H系統(硬い)」から「B系統(柔らかい)」までさまざまで、数字が大きくなるほど特徴が強くなります。

 硬い鉛筆(H系統)は細部を描きやすく、薄い線を引くのに適しています。一方、柔らかい鉛筆(B系統)は濃い影や滑らかなグラデーションを表現するのに便利です。

 初心者の人は、2Hから4B程度の幅広い硬さの鉛筆を揃えて、目的に応じて使い分ける練習がオススメです。尚、鉛筆選びのポイントは、同じメーカーの鉛筆で揃えることです。それは、メーカーによって「描き味」や「濃さ」が若干異なるからです。

 具体的には、ステッドラー・ファーバーカステル・三菱ユニなどがありますが、筆者の場合には、ステッドラーを中心にして使っています。「カリカリ」とした描き味が特徴です。

なかやま

鉛筆デッサンを続けていける気持ちが固まりまししたら、徐々に鉛筆の幅を広げていきましょう。鉛筆は、通常10Hから10Bまであります(ステッドラーやファーバーカステルには12Bまであります)。

線の練習と手の動かし方

 鉛筆デッサンでは「線の質」が作品に大きな影響を与えます。描く際の手の動かし方や力加減を工夫することで、線の太さや濃さ、リズムを変化させることができます。

 最初は、まっすぐな線や波打つような線を繰り返し練習し、手の力をコントロールする感覚を身につけると良いでしょう。線を描くときは、鉛筆を強く握りすぎず、リラックスした状態で手を動かすことがポイントです。

        2Bから4Bくらいの鉛筆による描線です

描き始めでは、直線・曲線・螺旋・ジグザグ線などいろいろな描き方を試してみましょう。難しいことではありません。

陰影を捉える目の養い方

 モノトーンの鉛筆デッサンでは、陰影の微妙な差をしっかり捉えることが作品の完成度に大きく影響します。陰影を表現するために、物体を観察する際には光の当たり方に注目し、影の濃淡や境界を把握する習慣をつけましょう。

 初心者の人は、シンプルな物体(リンゴや卵など)を題材にして、光がどのように影を生み出すかを観察しながらデッサンに取り組むと効果的です。

なかやま

絵画教室へ行くことを考えている人は、絵画教室には石膏モチーフが豊富にあり練習にはもってこいです。自宅で始める人は、白い卵及び白いカップ&ソーサーや白いマグカップなどが光と影を確認しやすいです。

モノトーンならではの表現の魅力

 モノトーンの鉛筆デッサンでは、色彩がない分、陰影やテクスチャー(風合いや感触)の表現に焦点を当てる必要があります。そのため、線と影のみで質感や立体感を伝える力が養われ、観察力も高まります。

 そして、鉛筆ならではの筆跡を活かし、柔らかいグラデーションや鋭い輪郭を自在に表現できる点も魅力です。モノトーンで表現することにより、シンプルでありながら奥深い作品が生まれるでしょう。

 また、濃い陰影とハイライトの劇的な対比は、白く見える以上に「輝いて見える」効果すら表現できることが大きな魅力です。筆者の次の作品を参照してください。

    第1回個展出品作品 夜の屋根 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆デッサンを始める際には、こうした基本知識を身につけ、しっかりとした土台を作っておくことが大切です。

初心者向け!線の引き方とコツ

    6B以上の鉛筆による描線です(鉛筆を寝かせて描いています)

 鉛筆デッサンの基礎として、線を引く技術は非常に重要です。モノトーンの鉛筆デッサンでは、陰影や質感を線の描き方で表現するため、線の質や強弱及び、リズムを上手に操ることが必要です。

 本章では、初心者の人でも習得しやすい、線の描き方とコツについて解説します。

鉛筆の持ち方と力加減を覚える

 まず、線の描き方の基本として、鉛筆の持ち方を適切にすることが重要です。一般的には、鉛筆を人指し指・中指・親指で軽くつまむように持ち、リラックスした状態で手を動かすと良い線が描きやすくなれます。

 そのためにも、足を組まずにイスに深く腰掛け、ゆったりと長時間描いていても疲れにくい体勢を確保しましょう。

 そして、大きな輪郭を描く場合には、肩や鉛筆を人指し指・中指・親指で優しく軽くつまむように持ち、肩や腕を大きく振るって描くイメージで描き進んでいきましょう。

 また、鉛筆を強く握りすぎると、線が硬くなり表現が限定されるため、それ以外のデッサンんでも、鉛筆を柔らかく軽い力で持ち、手首や肘を使って線を描くようにしましょう。

 筆圧を強めると濃く、弱めると薄くなるので、手の力加減を調節しながら練習することで、線の強弱を自在にコントロールできます。次の画像を参照してください。

鉛筆の握り方 A

        大きな輪郭を描く際の握り方の一例です

鉛筆の握り方 B

  大きな輪郭を描いた後の細密描写では文字を書く際の握り方で描いて行きましょう

鉛筆の握り方 C

       幅広い線は鉛筆を寝かせて描くことができます

線の種類を知る

 デッサンにおいては、さまざまな線が表現の幅を広げてくれます。例えば、太くて短い線は重厚感や立体感を与えるのに役立ち、細くて長い線は繊細さや動きを表現するのに向いています。

 また、描く速度や角度によっても線の質感は変わります。初心者のうちは、さまざまな長さや太さの線を練習し、自分に合った線の描き方を見つけていくと良いでしょう。

鉛筆の角度と傾け方を工夫する

 線を描く際には、鉛筆の角度を調整することで、さまざまな効果が得られます。鉛筆を垂直に近い角度で持つと、細かい部分の描写やくっきりした線を描くのに適しています。

 一方、鉛筆を寝かせて斜めに持つと、広い範囲を柔らかく塗るような線が描けるため、影の表現や背景を描くときに便利です。角度を意識して、異なる線質を作り出す練習を積んでみましょう。

 しかし、筆者の場合にはこの鉛筆を寝かせて使うことはしません。なぜならば均一なトーンでまとめる場合には、ムラになってしまうからです。

なかやま

この幅広な線を使うのは、背景やざっくりとしたあたりをつける際に使うようですが、筆者は、そのような際には鉛筆の芯先を丸いままで幅広くトーンを入れて、仕上の際に芯先を鋭くしてムラのないトーンで埋めています。

連続線と分割線を使い分ける

 デッサンの中で、スムーズな動きを表現する際には連続線が効果的です。連続線は、鉛筆を紙から離さずに描くことで、対象の輪郭や流れるような線を作り出すこともできます。

 一方、分割線は細かな調整がしやすく、対象のディテール(詳細)を描くときに向いています。輪郭や大まかな形は連続線で描き、細部には分割線を用いることで、メリハリのある作品にも仕上げられます。

 ただし、初心者の人の場合には、いろいろな描き方を試すのも良いのですが、さまざまな情報で混乱することはよくありません。あくまでも最初の内は「楽しんで描く」ことを最優先しましょう。

 たとえ描いていて、ゆがんでいようが、モチーフに対してうまく描けていなかろうが、それでよいのです。まずは「描くことに慣れる」ことから始めましょう。

 そして、5作品ほど描いてある程度慣れてこられましたら、少しづついろいろな描き方のテクニックを吸収していきましょう。

描き始めでは、まず5作品ほど何も考えずに「楽しんで描く」ことで鉛筆デッサンに慣れることが最優先です。

線の重ね方で濃淡を表現する

 鉛筆デッサンにおいては、線を重ねることで濃淡や立体感を生み出せます。特にモノトーンでのデッサンは色の代わりに濃淡で表現するため、線の重ね方を工夫することが重要です。

 例えば、同じ方向に何度も線を重ねると均一な影が作れますが、異なる方向に重ねると、より複雑で奥行きのある表現が可能になります。最初は薄く線を引き、徐々に重ねて濃さを調整する練習を積んでみましょう。

 尚、同じ方向の線でトーンを重ねるハッチングと、縦横斜めの4種類の方向からの線で面を埋めるクロスハッチングは、特に覚えておきたい技法です。

 これらの基本的な線の描き方を習得することで、デッサンの幅が広がり、モノトーンの世界でより豊かな表現ができるようになれます。初心者の人は、さまざまな線の描き方を試しながら、自分なりのスタイルを見つけてください。

なかやま

クロスハッチングでは、描きにくい方向の線はスケッチブックや紙側を90°回転させれば問題なく描けます。

デッサンの基本形:シンプルな形から始めよう

 鉛筆デッサンを学び始める際には、複雑なモチーフに挑戦する前に、シンプルな形を描くことが基本です。モノトーンの鉛筆で描くデッサンは、陰影や立体感を明確にする必要があり、基礎を押さえることでその後の技術も大きく向上します。

 本章では、初心者の人がデッサンの基本形から始める際の、ポイントとコツについて解説します。

円や四角形から始める重要性

 デッサンの基本練習では、まずは2Dの円や四角形などのシンプルな形状を描くことが勧められます。円や四角形を正確に描くことで、対象物の形を捉える力が養われ、複雑なモチーフへの応用がしやすくなります。

 また、シンプルな形ほど細部にとらわれることなく、形のバランスやプロポーションを重視した練習が可能です。これにより、デッサンにおいて最も重要な観察力が鍛えられます。

シンプルな形を立体的に描く練習

 次に、シンプルな形を3Dの「立体的」に描く練習をしてみましょう。モノトーンデッサンでは、光と影のバランスが重要であり、立体感を出すための陰影の表現が鍵を握ります。

 例えば、球体を描く際には、光が当たる部分と影になる部分を観察しながら、グラデーションをつけていきます。影を柔らかくつけることで、丸みを感じさせる立体感が生まれ、デッサンに深みが出てきます。

 尚、球体のデッサンでは、曲面に沿った優しく軽い湾曲した線の連続によって影をつけていくことで、リアルな陰影を施すことが可能になります。また、球体に当たる、床面からの微妙な「反射光」も描き込むことで、リアリティー(現実性)を追求できます。

複雑な形状へ進む前に学んでおくべき基礎形状

 鉛筆デッサンにおけるシンプルな形の練習は、複雑なモチーフを描くための準備としても非常に重要です。

 たとえば、花瓶及び野菜やフルーツなどを描くときには、円柱や楕円を基礎形として捉え、それをもとに細部を描き込むことで、バランスの取れた構図を作りやすくなります。

 野菜では、次の筆者の作品を参照してください。この作品では、黒いB4サイズの下敷きの上にモチーフを乗せて描いていますが、最終的に反射している影の部分に、HBの優しい軽いタッチでトーンを均一に入れて、実像を引き立てています。

     第1回個展出品作品 野菜 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

複雑な形を基本形で分解して捉える練習は、初心者の人がデッサンの幅を広げるために役立ちます。

複数の基本形を組み合わせる練習

 基本形の練習が身についてきましたら、いくつかの基本形を組み合わせて複合的な形状を描いてみましょう。たとえば、箱や球体を組み合わせてシンプルな静物画を描くことで、モチーフの構成力と観察力を鍛えられます。

 この練習は、実際のデッサンで複雑なモチーフを構成する際に役立ち、デッサンの奥行きやリアリティーを高めることに繋がります。

 次の筆者の作品も参照してください。あなたの身近にあるさまざまなモチーフに使える素材は、当たり前ですが、基本的な形状から成り立っています。取り立ててしゃれたモチーフではなくても、充分モチーフとして使えます。

    第1回個展出品作品 静物Ⅰ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

シンプルな形を使って陰影の基礎を学ぶ

 シンプルな形を使うことで、陰影を付ける際の基本を学ぶことができます。たとえば、円柱や四角柱を用いて光の当たり方によって影の位置が変わる様子を観察し、影の濃淡をつける練習をすることで、立体感や深みを表現する力が高まります。

 陰影の基礎をシンプルな形でしっかりと学ぶことで、デッサン全体の完成度が向上します。こうした基本形の練習を重ねることで、デッサンにおける観察力と技術が向上し、モノトーンの鉛筆デッサンにおいてもしっかりとした基盤を築くことができます。

なかやま

さまざまな基本形状の白いモチーフを描くことによって、光と影の状態をしっかりと確認して描くことができます。絵画教室ではなくても、あなたの自宅にもこれらの基本形状となるモチーフがあるはずです。

影と立体感を出すための基本テクニック

第2回個展出品作品 ランプの点(とも)る静物 2000 F30 鉛筆画 中山眞治

 モノトーンの鉛筆デッサンにおいて、影と立体感の表現は作品のリアリティーを高める重要な要素です。

 陰影を効果的に取り入れることで、平面的な形に深みが加わり、立体的な表現が可能になります。本章では、初心者でも簡単に実践できる影と立体感を出す基本テクニックを紹介します。

光の方向を意識する

 鉛筆デッサンにおいて影を描く第一歩は、光の方向を明確にすることです。光がどこから来て、モチーフのどの部分に当たっているかを確認し理解することで、影の位置及び長さと濃淡が自然に決まります。

 例えば、右上から光が当たると仮定すれば、左下に向けて影ができるように描くとリアルに見えます。光の方向により影の位置が変わるため、モチーフごとに光源を意識する習慣をつけると、立体感が一層増します。

 次の筆者の作品も参照してください。何でもないようなモチーフを使って、構図を組み立てれば、このような作品も制作できます。

    灯(あかり)の点(とも)る静物 2022 F10 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆デッサンの大きな要素は、デッサンは当たり前ですが、陰影が効果的に施せていないとリアルな立体表現ができません。

なかやま

そのためにも、光源の確認と、その光源からの光が描く対象のどこを照らして、どこが影なのかもしっかりと観察しましょう。

グラデーションで滑らかな影を描く

 影をリアルに見せるためには、濃淡のグラデーションを活用することがポイントです。鉛筆の力加減を調整し、薄い部分から濃い部分へと段階的に色を重ねていくことで、滑らかなグラデーションが表現できます。

 特に、影の端がぼんやりと広がる部分は柔らかく描くと、自然な立体感が生まれます。このグラデーションを丁寧に仕上げることで、影に深みが加わります。

 その具体的な手法では、光から遠ざかるにしたがって、光りの境界線が徐々に淡くなっている変化を見落とさずに、作品に反映することが重要です。

 この効果を表すためには、鉛筆で注意して描き込んでいくことは勿論ですが、状況により「練り消しゴム」を「小さなしゃもじ」のような形状にして、優しくそっと光の縁へ押し当てることでも調整していけます。

微妙な淡い部分へは、ティッシュペーパーを小さくたたんで擦ることで、馴染ませることもできます。

反射光を使った奥行きの表現

 影を描く際には、反射光を取り入れるとさらにリアルな立体感が出せます。反射光とは、物体に当たった光が他の表面に反射して戻ってくる光のことです。

 たとえば、暗い影の部分にごく薄い鉛筆のタッチを加えると、奥行きを感じさせることができます。反射光を描き込むことで、デッサンに奥深さが生まれ、プロらしい仕上がりになります。筆者の次の作品も参照してください。

第2回個展出品作品 灯(あかり)の点(とも)る窓辺の静物 2000 F100 鉛筆画 中山眞治

輪郭線を柔らかくする

 立体感を強調するために、影の部分で輪郭線を強調しすぎないこともポイントです。影の中にある輪郭線は、柔らかくぼかすか、他の部分と同化させることで自然な立体感が表現できます。

 輪郭線をはっきりさせすぎると平面的に見えるため、影の中にある部分ではあえてぼかし、光が当たる部分では輪郭を強調することで、奥行き感が増します。

多層の線で濃淡を重ねる

 立体感を持たせるために、影の濃淡を多層の線で重ねて描くことも効果的です。鉛筆を軽く持ち、細かい線を何度も重ねて描くことで、陰影が豊かに表現できます。

 特に、前述していますが、濃い影を描く際には、4種類の方向からの線で面を埋めるクロスハッチング線を重ねることで、単調さを避け、影がリアルに見えるようにしましょう。線を重ねることで得られる質感が、立体感をより引き立てます。

 これらのテクニックを実践することで、モノトーンの鉛筆デッサンでも深い影と立体感が得られるようになれます。光の方向やグラデーション、反射光の取り入れ方も工夫し、リアルで奥行きのある作品を描き上げましょう。

なかやま

淡いトーンの濃密な面や、濃いトーンの漆黒の影を描く際等でも、クロスハッチングは便利に使えます。その際のコツは「根気」です。かつて筆者は、鉛筆画で130号までを描いていましたので、まさに根気でしたね^^

まとめ

       午後の寛ぎ 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆デッサンの上達には、基礎を押さえた効率的な練習が重要です。モノトーンの鉛筆デッサンを対象に、影と立体感の表現や線の描き方、シンプルな形から始める練習法を取り入れることで、初心者の人でも確実にスキルを磨くことができます。

 以下に、デッサンの基本テクニックを効果的に身につけるためのポイントをまとめました。

Ⅰ 鉛筆の握り方と力加減:鉛筆は人指し指・中指・親指で軽く優しく持ち、リラックスした状態で肩や腕を振るって描くイメージで大きな輪郭線を描くと、自然な線が描けます。力加減を調整する練習を重ね、線の強弱を自由に操れるようにしましょう。

Ⅱ 光の方向を意識する:デッサンでは光の位置を確認及び理解をすることが立体感の鍵です。光がどこから来て、モチーフのどこに当たっているのかを観察し、光源に対して影の位置及び長さや濃淡を観察して、陰影のバランスを整えるとリアリティーが増します。

Ⅲ グラデーションの活用:滑らかな影を表現するためには、筆圧を段階的に調整し、グラデーションをつける練習を行いましょう。影のぼかし方が立体感を際立たせます。

Ⅳ 基本形から始める:まずは円や四角形などのシンプルな形状から初めて、それを立体的な球体や立方体へと練習を発展させ、モチーフのバランスやプロポーション(比率)を理解することが大切です。シンプルな形で構造を学び、複雑な形状に応用していきましょう。

Ⅴ 反射光で奥行きを演出:影の中に反射光を加えることで、作品に奥行きと深みが生まれます。また、暗い影の部分に微妙な明るさを加えると、立体感が一層引き立ちます。

Ⅵ 輪郭線を柔らかく描く:影の中での輪郭線は、光から遠くなるに従って境界線がぼやけてきますので、その状態を作品に反映することで自然な立体感が出せます。光が当たる部分と影になる部分で輪郭を調整する習慣をつけましょう。

Ⅶ 毎日の10分のスケッチやデッサン:短時間でも鉛筆を握る習慣をつけると、視覚及び脳と手を連動させる感覚が鍛えられます。簡単な形を素早くスケッチすることで、観察力と構成力が身につきます。

Ⅷ 同じモチーフを繰り返し描く:同じモチーフを異なる角度や、異なる角度からの光のもとで描くことで、新しい発見が生まれ観察力が深まります。

Ⅸ 見えない部分も想像する:見えていない部分を想像しながら描くと、構造理解が深まり、バランスよく仕上がります。

 これらのポイントを日々の練習に取り入れ、鉛筆デッサンの基礎力を高めていきましょう。

 ではまた!あなたの未来を応援しています。