動物の鉛筆画・デッサンを始めよう:初心者に必要なツールとテクニックとは!

 こんにちは。私はアトリエ光と影の代表で、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

            筆者近影 作品「静物2025-Ⅲ」と共に

 さて、動物の鉛筆画やデッサンを始めたいけれど、どこから始めれば良いのか分からないという初心者の人へ。

 この記事では、動物の鉛筆画やデッサンの基本ステップから始まり、必要なツールや簡単なテクニックを解説します。

 初心者の人でも、すぐに取り組める具体的なコツやポイントを押さえ、簡単に動物のデッサンが楽しめるようになれるのです。

 鉛筆画やデッサンを描く楽しさを体験して、ステップバイステップでスキルを磨いていく楽しみを味わいながら、今日からあなたも動物の鉛筆画やデッサンに挑戦してみましょう。

 それでは、早速どうぞ!

Table of Contents

動物の鉛筆画やデッサンの基本ステップを理解しよう

     第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅠ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 動物の、鉛筆画やデッサンを始めるにあたって、基本ステップを理解することは重要です。

 また、制作画面上のどの位置にその動物を配置すると、より見映えがするのかも考える必要があります。

 つまり、描き進んでいくうえで、「構図(※)」は非常に重要な絵画の骨格ともいえる部分なので、あなたが5作品ほど描いて、描くことに慣れ始めてこられましたらば、取り組んでみましょう。

 本章では、以下の手順を踏むことで、初心者の人でもスムーズに動物の鉛筆画やデッサンに取り組める点について解説します。

※ 構図については、この記事の最終部分に掲載してありますので、関心のある人は参照してください。

ステップ1 – 観察する

       第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅡ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 動物の、鉛筆画やデッサンを始める前には、まず制作対象となる動物をしっかりと観察しましょう。

 観察する際のポイントは、全体の形、プロポーション(比率)、特徴的な部分に注目することです。

 たとえば、猫であれば耳の形や尾の長さ、体の柔軟なラインを観察します。これにより、デッサンする際のイメージが具体的になります。

ステップ2 – 下描きする

       第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅢ 1998 F10 鉛筆画 中山眞治

 観察が終わりましたら、次は下描きをします。最初はBや2Bの濃い目の鉛筆を人指し指・中指・親指で「つまむように」持ち、軽く優しく全体の輪郭線を捉えましょう。

 この時の、描き始めの大きな輪郭を捉える際の描き方は、肩と腕を振るって大きく描くイメージで描き進めます。また、下描きの際は、大きな形から小さな部分へと進めることがコツです。

 たとえば、動物全体の輪郭を描いた後に、頭、胴体、脚などの部分に分けて描きます。この段階では、細部にこだわらず、全体のバランスを取ることだけに集中して描き進みます。

 そして、全体の輪郭線を完了させたところで、一旦休憩を取りましょう。そして、その後改めて画面を確認してください。輪郭線を後から修整する場合には、途中から変更が難しくなることがあるので、最初の点検は重要なのです。

 この場合には、画面を2~3メートル離れたところから確認することも行いましょう。長時間制作画面に接近して画面を見ていると、全体のバランスを見失っていることもあります。

 その後、点検を終了できましたら、今度は鉛筆の持ち方を「文字を書くときの握り方」に変えて、輪郭を改めて整える際には、当初のデッサン時の鉛筆よりも2段階明るい鉛筆で、優しく描き込みましょう。

 あなたが当初、2Bの鉛筆でデッサンしていた場合には、HBの鉛筆で優しく輪郭を整えるということです。濃い鉛筆で、しっかり輪郭を取ってしまうと、不自然な作品になってしまうので注意が必要なのです。

ステップ3 – ディテール(詳細)を追加する

      第1回個展出品作品 ノスリ 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 下描きが終わりましたら、次はディテールを追加していきます。目、鼻、口などの特徴的な部分を描き込み、さらに毛の質感や陰影を加えていきましょう。

 この段階では、鉛筆の濃淡を使い分けて、立体感を出すことがポイントです。細かい部分まで丁寧に描くことで、よりリアルな鉛筆画やデッサンが完成します。

 尚、動物の毛並を初心者の人が鉛筆だけで描き込むことは、慣れていないので厳しい部分だと思われますので、そこで「颯爽と登場」するのが「練り消しゴム」です。^^

 毛並みの必要なところを、優しいタッチの縦横斜めの線で埋めて、練り消しゴムを練って、先端を細く鋭いプラスドライバーのような形状にして、毛並みを描き込んでいきます。

 このテクニックは、人の毛並や、静物画のビンなどの光を描き込む際にも活かせます。関心のある人は、次のURLをクリックしてください。

練り消しゴムで可能性を引き出す!陰影を劇的に変える描き方とは? – アトリエ光と影

ステップ4 – 仕上げを行う

      第1回個展出品作品 ペンギン 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 最後に仕上げを行います。全体を見渡して、不自然な部分や描き忘れた部分がないかを確認しましょう。必要に応じて修整し、最終的なタッチを加えます。

 完成度を高めるためには、背景や影の処理も重要です。これにより、鉛筆画やデッサンが一層引き立つのです。

 完成に近づいた際には、あなたの描いている主題(主役や準主役、以下主題)のモチーフが引き立つように、背景をさらに濃くすることを考えたり、ハイライトの部分を改めて練り消しゴムで丹念に拭き取るなどを行います。

 そして、「もっと光と影を強調できないか?」と自分自身に何回も問いただしてみましょう。この一連の確認作業が、作品の完成度を高めるコツです。

効果的な練習方法

         第2回個展出品作品 寂夜 1998 F10 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画やデッサンの基本ステップを理解できましたら、次は練習を重ねることが大切です。毎日少しずつでも描き続けることで、観察力や描写力が向上します。

 毎日、10~20分で完結できる速写(クロッキー)や、時間をかけて、制作する作品を少しづつ描き進むなどをしながら、週に一度はたっぷりとあなたが楽しめる余裕のある「制作時間」を造りましょう。

 筆者の場合には、平日は毎日9:00~11:00までの2時間と土日祝祭日盆暮れ正月はすべて「絵が描きたくて目が覚めてしまい」am4:00頃から描いていました。疲れるたびに家事を挟めば、休憩や気分転換にもなって一挙両得です。

 尚、異なる種類の動物を描くことで、さまざまな形や特徴を捉える力が養われます。定期的に自身の作品を見返し、改善点を見つけることも上達の鍵になります。

よくある失敗とその対策

    フクロウのいる風景 2019 F1 鉛筆画 中山眞治

 初心者の人が、鉛筆画やデッサンで陥りがちな失敗には、次のようなものがあります。

  • プロポーション(比率)が不正確になる:全体のバランスを意識し、何度も見直すことで防げます。
  • ディテール(詳細)にこだわりすぎる:最初の段階では細部よりも大まかな形を捉えることに集中しましょう。
  • 陰影が不自然になる:光の方向を意識し、影の付け方(強く光の当たっている影は濃くくっきりと、弱い光の当たっている部分の影は淡く影を描くなど)を工夫することで改善できます。

 これらの対策を講じることで、より正確で魅力的な動物の鉛筆画やデッサンが描けるようになれます。

なかやま

鉛筆画やデッサンの基本ステップを理解し、実践することで、初心者の人でも確実にスキルを向上させることができます。楽しみながら描くことを忘れずに、継続的に練習しましょう。

動物の鉛筆画や鉛筆デッサンに必要なツール一覧

       第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅢ 1998 F10 鉛筆画 中山眞治

 動物の、鉛筆画やデッサンを始めるには、適切なツールを揃えることが重要です。

 本章では、初心者の人にオススメなツールを紹介し、それぞれの役割と選び方について解説します。

基本的なの鉛筆画やデッサンのツール

    フクロウのいる風景 2021 F1 鉛筆画 中山眞治

 まずは、鉛筆画や鉛筆デッサンに欠かせない基本的なツールから始めましょう。

  • 鉛筆セット:鉛筆画や鉛筆デッサンには、H(硬い)からB(柔らかい)までの鉛筆が揃ったセットが便利です。硬い鉛筆は細かい線を描くのに適しており、柔らかい鉛筆は陰影をつけるのに適しています。最初に揃えるべき鉛筆の種類は、同じメーカーの2H・H・HB・B・2B・3B・4Bの合計7本あれば充分です。
  • 消しゴム:消しゴムも重要なツールです。一般的なプラスチック消しゴムの他に、練り消しゴムがオススメです。練り消しゴムは柔らかく、「消しカス」も出ず、紙肌を傷めないので細かい部分の修整に適しています。前述の関連記事を参照してください。
  • スケッチブックや紙:鉛筆画やデッサン用の紙は、スケッチブックや画用紙が一般的です。目の細かい紙を選ぶと、滑らかな線が描けます。初心者の人には、中目のスケッチブックや紙が扱いやすいでしょう。

補助的なデッサンツール

  次に、の鉛筆画やデッサンをより効果的に行うための、補助的なツールを紹介します。

  • 鉛筆削り:鉛筆の芯を適切な長さに保つために、鉛筆削りも必要です。鉛筆削りは手間がかからず、均一な削りができるため便利です。しかし、鉛筆削りで削れないほど短くなった鉛筆は、「鉛筆ホルダー」に入れてカッターなどで削れば使い切ることができます。上の画像の製品がそうです。
  • 定規:正確な線やガイドラインを描くために、定規も役立ちます。透明なプラスチック定規は、スケッチブックや紙の上の、他の線を確認しながら描けるためオススメです。

追加の便利なツール

  さらに、鉛筆画やデッサンを一層充実させるための追加ツールを紹介します。

         チャコールペンシルの画像です

  • チャコール(木炭)ペンシル:チャコールペンシルは、鉛筆よりも柔らかく濃い線を描くことができます。とくに、陰影を強調したい部分や、力強いラインを描くときに役立ちます。ただし、木炭は鉛筆よりもトーンが濃いので、使う場所とタイミングには、全体のバランスを崩さないように注意が必要です。
  • フィキサチーフ:完成した、鉛筆画やデッサンを保護するための、フィキサチーフスプレーも重要です。フィキサチーフを吹きかけることで、鉛筆の線やチャコールが紙に定着し、作品の劣化を防げます。冬場などにはバケツや洗面器にお湯を入れて温めて、良く振ってから使いましょう。また吹き付け過ぎは、「少し黄ばむ」ので、適度な吹付を心がけましょう。
  • イーゼル:鉛筆画やデッサンを行う際に、スケッチブックや紙を安定させるためのイーゼルがあると便利です。とくに、大きなスケッチブックや紙を使う場合や、立って描く場合にも役立ちますが、小型の製品でも充分役に立ちます。筆者は、下のイーゼルを使っていますが、高さ86cmほどの製品でもF30号まで対応できます。

     筆者の使っている「徳用」フィキサチーフの画像です

       筆者の使っているイーゼルです

最初の内は、いろいろ揃えずに、あなたが鉛筆画やデッサンに長く取り組む意思が固まりましたら、少しづつ揃えていきましょう。^^

初心者向けの簡単な動物の鉛筆画やデッサンテクニック

       第3回個展出品作品 心地の良い場所 2023 F4 鉛筆画 中山眞治

 初心者の人が、動物の鉛筆画やデッサンを始める際には、簡単なテクニックを知っておくことで、描く楽しさとスキルの向上を両立できます。

 本章では、効果的なテクニックを紹介します。

基本形を使って構造を捉える

        第3回個展出品作品 兎の上り坂 2022 F4 鉛筆画 中山眞治

 動物の鉛筆画やデッサンを始める際には、まずシンプルな基本形を使って構造を捉えましょう。円、楕円、四角形などの簡単な形を用いて、制作対象の体を分割します。

 たとえば、猫を描く場合、頭は円、胴体は楕円、脚は円柱で表現できるのです。

 これにより、全体のバランスを保ちながら描くことができます。

補助線を描く

           ふと見た光景Ⅰ 2024 F4 鉛筆画 中山眞治

 次に、正確なプロポーション(比率)を保つために補助線を描きます。

 頭から胴体、脚にかけて中心線を描き、左右の対称性を確認するのです。

 また、目や鼻、耳の位置を決めるために水平と垂直のラインを引くことも重要です。これにより、各パーツの配置が正確になり、自然な鉛筆画やデッサンが完成します。

観察力を養う

           ふと見た光景Ⅱ 2024 F4 鉛筆画 中山眞治

 観察力を養うことは、鉛筆画やデッサンの上達に欠かせません。動物の写真や実物を観察し、細部の特徴や動きの流れを捉えます。

 とくに、毛の生え方及び流れや筋肉の動き、影の付き方などを注意深く観察しましょう。

 これにより、描写にリアリティー(現実性)を持たせることができます。

シンプルな線で描く

     黄昏 2024 F4 鉛筆画 中山眞治

 初心者の人は、シンプルな線で描くことを心がけましょう。細かいディテール(詳細)にとらわれず、全体の形と動きを捉えることが大切です。

 初めは軽いタッチで描き、形が整いましたら徐々に線を濃くしていきます。

 シンプルな線で描くことで、鉛筆画やデッサンがスムーズに進み、修整も容易になるのです。

グラデーション(階調)を使って陰影を表現する

            あのね…。 2020 F4 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画やデッサンに深みを加えるためには、グラデーション(階調)を使って陰影を表現します。鉛筆の濃淡を使い分けて、明るい部分と暗い部分を描き分けます。

 光源の位置を意識し、どの部分に影が落ちるかを考えながら描くと良いでしょう。

 陰影を効果的に使うことで、立体感のある鉛筆画やデッサンが完成します。

練習を続ける

      第3回個展出品作品 憤怒の猛牛 2020 F4 鉛筆画 中山眞治

 継続的な練習は、鉛筆画やデッサンの技術向上に不可欠です。毎日少しずつでも描き続けることで、観察力や描写力が向上します。

 異なる種類の動物を描くことでも、さまざまな形や特徴を捉える力が養われるのです。

 定期的に自身の作品を見返し、改善点を見つけることも上達の鍵になります。

インスピレーション(ひらめき)を得る

            迫る危機 2023 F10 鉛筆画 中山眞治

 本章の最後に、インスピレーションを得るために、他のアーティストの作品を見ることも大切です。

 プロの鉛筆画やデッサンを観察し、その技術やスタイルを参考にしましょう。

 展覧会及び美術館やオンラインギャラリーで、さまざまな作品に触れることによって、自身の表現方法を見つける手助けになります。

なかやま

これらのテクニックを実践することで、初心者の人でも効果的に動物デッサンを描くことができます。楽しみながら描くことを忘れずに、日々の練習を続けていきましょう。

動物の形を捉えるポイント

    第3回個展出品作品 静かな夜Ⅴ 2024 F10 鉛筆画 中山眞治   

 動物の、鉛筆画やデッサンを成功させるためには、適切に形を捉えることが重要です。

 本章では、物の形を適切に捉えるためのポイントを紹介します。

基本的な形状に分解する

        第3回個展出品作品 静かな夜Ⅲ 2023 F10 鉛筆画 中山眞治

 動物を描く際には、先ほどの章でもお伝えしていますように、まず基本的な形状に分解することから始めましょう。

 動物の体を円、楕円、四角形などのシンプルな形に分けることで、全体のバランスを把握しやすくなります。

 たとえば、犬を描く場合にも、先ほどの猫を描く時と同じく、頭を円で、胴体を楕円で表現し、脚を円柱や四角形で描きます。これにより、複雑な形も理解しやすくなるのです。

プロポーション(比率)を確認する

    第3回個展出品作品 静かな夜Ⅳ 2024 F10 鉛筆画 中山眞治

 動物の鉛筆画やデッサンでは、正確なプロポーション(比率)を保つことが重要です。

 動物ごとに異なるプロポーションを理解し、それを適切に描くことが求められます。

 たとえば、猫と犬では脚の長さや胴体の幅が異なります。観察を通じて、各部位の相対的な大きさや位置関係を把握しましょう。

アクションライン(動線)を使う

        静かな夜Ⅵ 2023 F10 鉛筆画 中山眞治

 動物の動きを表現するために、アクションライン(※)を使うことが有効です。アクションラインは、動物のポーズや動きを示すシンプルな線で、体の流れや重心を捉えるのに役立ちます。

 たとえば、走っている犬を描く場合、背骨に沿ったアクションラインを描くことで、動きの方向とダイナミズムを表現できるのです。

※ アクションライン(動線)とは、山型やスラッシュ型など、躍動を感じる単純な線を基にキャラクターの動きを組み立てていく技法であり、「動きの方向」「勢い」「感情」などが明確にできます。

対称性を意識する

 対称性を意識することで、バランスの取れた鉛筆画やデッサンを描くことができます。動物の顔や体はほとんど、左右対称です。

 この対称性を意識して描くことで、自然な仕上がりになります。中心線を引き、その両側に対称的なパーツを描くと良いでしょう。

特徴的な部分を強調する

 動物には、それぞれ特徴的な部分があります。これらの特徴を強調することで、個性豊かな鉛筆画やデッサンが完成します。

 たとえば、ゾウの大きな耳や長い鼻、ウサギの長い耳や短い尾など、特徴を的確に捉えましょう。

 これにより、描いた動物が何であるかを一目で理解できるようになれます。

簡略化して描く

 初心者の人は、動物の形を簡略化して描くことから始めると良いでしょう。

 複雑なディテールにとらわれず、シンプルな形で全体像を捉えることが大切です。

 シンプルな線や形を使って描くことで、鉛筆画やデッサンがスムーズに進み、修整もしやすくなります。

観察と反復練習

 観察と反復練習は重要です。動物を観察し、その形や動きを理解することで、より正確な鉛筆画やデッサンが描けるようになれます。

 定期的にさまざまな動物を描く練習を行い、自身の技術を磨きましょう。

 観察力を養いながら、繰り返し描くことで、自然と形を捉える力が身に付きます。

これらのポイントを実践することで、動物の形を正確に捉える鉛筆画やデッサンが描けるようになれますので、日々の練習を通じて、スキルを向上させていきましょう。

鉛筆画やデッサンの練習方法と上達のコツ

 鉛筆画やデッサンのスキルを向上させるためには、効果的な練習方法と上達のコツを知っておくことが重要です。

 本章では、具体的な練習方法と上達するためのポイントを紹介します。

毎日のスケッチ習慣をつける

 鉛筆画やデッサンの上達には、継続的な練習が欠かせません。毎日少しずつでもスケッチをする習慣をつけましょう。

 毎日の練習を通じて、観察力や手の動きを鍛えることができます。

 小さなスケッチブックを常に持ち歩き、日常の中で見つけたものを描いてみると良いでしょう。

さまざまなモチーフを描く

 同じモチーフばかり描くのではなく、さまざまなモチーフを描くことで、鉛筆画やデッサンの幅が広がります。

 動物だけでなく、人物、風景、静物など多様な対象を描くことが大切です。

 異なる形や質感を描くことで、観察力と描写力が向上します。

ステップバイステップで進める

 鉛筆画やデッサンは、一度に完璧に描こうと思わないことが大切です。ステップバイステップで進めることが上達の鍵なのです。

 最初は大まかな形を捉え、次に細部を描き、最後に陰影や質感を加えるといった手順を踏みましょう。

 段階的に進めることで、全体のバランスを保ちながら描くことができます。

他のアーティストの作品を研究する

 他のアーティストの作品を研究することも上達に役立ちます。プロの鉛筆画やデッサンを観察し、その技術やスタイルを学びましょう。

 展覧会及び、美術館やオンラインギャラリーで作品を見たり、アーティストの制作過程を動画で観ることも効果的です。

 自身の鉛筆画やデッサンに応用できる、新しい技法やアイデアを見つけることができます。

フィードバック(批評)を受ける

 第三者からのフィードバックを受けることで、自身の鉛筆画やデッサンの改善点が見えてきます。

 絵画教室や、オンラインコミュニティーに参加し、講師や仲間からアドバイスをもらいましょう。

 客観的な視点からの意見を取り入れることで、より良い作品を描くためのヒントが得られます。

時間をかけてじっくり描く

 鉛筆画やデッサンは、時間をかけてじっくりと描くことが大切です。

 焦らずに、細部まで丁寧に描くことで、完成度の高い作品が仕上がります。

 とくに、初心者の人は、一つの作品に時間をかけることで、技術を磨き、観察力を養うことができるのです。

自身の進歩を記録する

 自身の進歩を記録することもモチベーションを保つために有効です。

 定期的に自身の鉛筆画やデッサンを見返し、初めて描いた時との違いを確認しましょう。成長を実感できることで、さらに練習を続ける意欲が湧きます。

 また、日記やブログに練習過程を記録することで、自身の学びや気づきを振り返ることができるのです。

なかやま

これらの練習方法とコツを実践することで、鉛筆画やデッサンのスキルを効果的に向上させることができます。楽しみながら描くことを忘れずに、日々の練習を続けていきましょう。

よくある初心者の失敗とその対策

 鉛筆画やデッサンを始めたばかりの初心者の人が、陥りがちな失敗には共通のパターンがあります。

 本章では、これらの失敗を避けるための、具体的な対策を紹介します。

プロポーション(比率)の不正確さ

 初心者の人によく見られる失敗の一つに、プロポーションの不正確さがあります。

 動物の体の部分が、不自然な大きさや位置に描かれることがあり、これを防ぐためには、基本的な形を描いてから各部位の比率を確認することが重要です。

対策:

  • グリッド(格子)を使う:スケッチブックや紙に軽くグリッドを描き、全体のバランスを取る。
  • 参照写真を使う:適切なプロポーションを把握するために参照写真を使う。
  • 定規やガイドライン:定規やガイドライン(補助線)を使って、各部位の位置とサイズを測る。

ディテール(詳細)にこだわりすぎる

 細部に過剰にこだわると、全体のバランスが崩れがちです。

 とくに、初心者の人は、全体を描く前に、細部を描き込もうとする傾向があります。

対策:

  • 大まかな形から始める:全体の輪郭線を捉えた後、徐々に細部に移る。
  • タイマーを使う:一定時間ごとに全体を見直すためにタイマーを使う。
  • ステップバイステップ:大きな形→中くらいの形→細部の順に描く。

適切なツールの選び方

 適切なツールを使わないと、思うような効果が得られません。

 たとえば、硬すぎる鉛筆や、粗すぎる紙を使うと描きづらくなります。

対策:

  • 鉛筆の種類を選ぶ:HからBまでの硬さを揃え、使い分ける(2H~4Bを基本セットにしてみましょう)。
  • 適切なスケッチブックや紙を選ぶ:スムーズな描写ができる中目の紙を選ぶ。
  • 道具を定期的に見直す:使いやすい道具を見つけるために、定期的に見直す。

練習不足

 上達には練習が欠かせませんが、初心者の人は練習量が不足しがちです。

 継続的な練習ができていないと、スキルの向上は遅れます。

対策:

  • 毎日のスケッチ習慣:毎日少しでも描く習慣をつける(※)。
  • 練習の計画を立てる:週単位で練習計画を立て、進捗を確認する。
  • 目標を設定する:短期的・長期的な目標を設定し、達成に向けて努力する。

※ 短時間の練習については、次の関連記事を参照してください。

観察力の不足

 動物の特徴を捉えるためには、観察力が重要です。

 初心者の人は、制作対象を充分に観察せずに描き始めることが多いものです。

対策:

  • 観察時間を増やす:描き始める前に、制作対象をじっくり観察する時間を取る。
  • 細部に注意を払う:毛の生え方や流れ、筋肉の動きなど、細部に注意を払う。
  • スケッチブックにメモ:観察したことをスケッチブックにメモする習慣をつける。

モチベーションの低下

 初めは熱心に取り組んでいても、上手く描けないとモチベーションが低下しがちです。

 これが続くと練習を続けることが難しくなります。

対策:

  • 小さな成功体験を積む:小さな制作画面で簡単なモチーフを描き、成功体験を増やす。
  • 絵画教室やコミュニティーに参加する:他のアーティストと交流し、モチベーションを維持する。
  • 進歩を記録する:自身の成長を記録し、振り返ることで自信を持つ。
  • 目標を持つ:あなたの住まいの自治体が開催する、公募展への出品の計画を立ててみる。

 これらの対策を実践することで、初心者が陥りやすい失敗を避け、鉛筆画やデッサンのスキルを効果的に向上させることができます。

継続的な練習と適切なアプローチで、着実に上達していきましょう。

プロのアドバイス:動物の鉛筆画やデッサンを極めるために

 動物の、鉛筆画やデッサンを極めるためには、プロからのアドバイスが非常に役立ちます。

 本章では、プロのアーティストが教える、動物の鉛筆画やデッサンの上達方法と秘訣を紹介しましょう。

解剖学を学ぶ

 動物の鉛筆画やデッサンを極めるためには、解剖学の知識も必要です。

 骨格や筋肉の構造を理解することで、よりリアルな描写が可能になります。解剖学書やオンラインリソースを活用して、各動物の内部構造を学びましょう。

対策:

  • 解剖学書を活用:動物の解剖学に特化した書籍を参考にする。
  • オンラインコースを受講:解剖学に関するオンラインコースやチュートリアル(個別指導)を受講する。
  • 実物を観察:動物園や博物館で実物の骨格標本を観察する。

実物を観察する

 実際の動物を観察することは、鉛筆画やデッサンの質を大きく向上させてくれます。

 動物園やペットショップに足を運び、動物の動きや表情を観察しましょう。静止画だけでなく、動画を活用することもオススメです。

対策:

  • 動物園やペットショップ:実際に動物を観察し、スケッチする。
  • 動画を活用:YouTubeやドキュメンタリーで動物の動きを観察する。
  • スケッチブックを持参:外出時にはスケッチブックを持ち歩き、気になる動物を描く。

光と影を理解する

 鉛筆画やデッサンにおいて、光と影の理解は非常に重要です。

 光源の位置を意識し、どの部分が明るく、どの部分に影ができているかをしっかりと観察してから描きましょう。陰影を効果的に使うことで、立体感のある鉛筆画やデッサンが完成します。

対策:

  • 光源を設定:鉛筆画やデッサンを始める前に、光源の位置をしっかりと確認する。
  • 陰影の練習:さまざまな光源の下での鉛筆画やデッサンを制作し、陰影の付け方を練習する。
  • ハイライトとシャドウ:明るい部分と暗い部分を強調し、コントラスト(明暗差や対比)をつける。

多様なテクニックを試す

 一つのテクニックに固執せず、多様な描き方を試すことで、自身に最適なスタイルを見つけることができます。

 鉛筆、チャコール(木炭)、インク、ボールペンなど、異なる画材を使ってみましょう。

対策:

  • 異なる画材を使用:鉛筆だけでなく、チャコール及びインクやボールペンなども試す。
  • テクニックの研究:クロスハッチング(縦横斜めの4種類の線を用いて面を埋める手法)や点描など、異なる描き方を学ぶ。
  • 作品を分析:他のアーティストの作品を分析し、自身の作品に取り入れる。

定期的にフィードバックを受ける

 自身の、鉛筆画やデッサンに対して、客観的なフィードバックを受けることは、成長の鍵です。

 絵画教室に参加したり、オンラインコミュニティーで作品を共有したりして、他のアーティストからの意見を取り入れましょう。

対策:

  • 絵画教室に参加:定期的に絵画教室に参加し、講師からアドバイスを受ける。
  • オンラインコミュニティー:SNSやオンラインフォーラムで作品を共有し、フィードバックを求める。
  • 自身の作品を見直す:過去の作品と比較し、自身の成長を確認する。

忍耐力と継続が重要

 鉛筆画やデッサンのスキルを極めるには、忍耐力と継続的な練習が必要です。すぐに結果を求めず、長期的な視点で取り組むことが大切です。毎日の練習を続けることで、着実にスキルが向上します。

 尚、楽しんで描き進むことが最も重要な点です。苦しいことを乗り越える修行のような気持では、良い作品は生まれません。^^

 そのためにも、取り組みの最初は、難しいことは考えずに、とにかく楽しんで描くことだけに集中して5作品ほど制作しましょう。^^

 そして、少し慣れてきたところで、「もっと魅力的な作品を描きたい」あるいは、「描く以上は各種展覧会や公募展にも出品したい」と考えるのであれば、「構図」や「構想を練る」ことが重要になってきます。

 関心のある人は、この記事の最終部分に、関連記事を掲載しておきますので参照してください。

対策:

  • 練習時間を確保:毎日一定時間を鉛筆画やデッサンの練習に充てる。
  • 長期的な目標設定:長期的な目標と短期的な目標を設定し、達成に向けて努力する。
  • ポジティブな姿勢:上手くいかないときでもポジティブな姿勢を保ち、楽しみながら続ける。

 これらのプロのアドバイスを実践することで、動物の鉛筆画やデッサンスキルを着実に向上させることができます。

なかやま

継続的な努力と適切なアプローチで、プロフェッショナルな鉛筆画やデッサンを目指しましょう。

まとめ 

 動物の鉛筆画やデッサンを始めたい初心者の人に向けて、基本ステップから上達のコツまでを詳しく紹介します。このガイドを参考にして、誰でも簡単に動物の鉛筆画やデッサンを楽しめるようになれます。

 まず、動物の、鉛筆画やデッサンを始めるための、基本ステップを理解しましょう。鉛筆画やデッサンを始める際には、まず観察が重要です。

 動物の全体の形、プロポーション、特徴的な部分をしっかりと観察しましょう。たとえば、猫であれば耳の形や尾の長さ、体の柔軟なラインを観察します。

 次に、観察した情報を基に鉛筆で軽く下描きを描きます。この段階では、大まかな形を捉えることがポイントです。目、鼻、口などのディテールは後から追加します。最後に、全体を見渡して不自然な部分を修整し、最終的なタッチを加えて完成度を高めます。

 鉛筆画やデッサンを始める際には、適切なツールも必要です。基本的な鉛筆セット、消しゴム、鉛筆画やデッサン用のスケッチブックや紙を揃えることが大切です。さらに、鉛筆削りや定規などの補助的なツールも用意すると便利です。

 初心者向けの簡単な動物の鉛筆画やデッサンのテクニックも紹介します。まず、動物に基本形当てはめて構造を捉えます。円や楕円などのシンプルな形を用いて、動物の体を分割します。また、正確なプロポーションを保つためにガイドラインを引きましょう。

 観察力を養うためには、動物の写真や実物を観察することが重要であり、シンプルな線で描いたうえで、陰影を使って立体感を出す練習も必要です。

 鉛筆画やデッサンの上達には、継続的な練習が不可欠です。毎日少しずつでもスケッチをする習慣をつけましょう。

 異なる種類の動物を描くことで、さまざまな形や特徴を捉える力が養われます。さらに、他のアーティストの作品を研究し、フィードバックを受けることで自身の技術を向上させることができます。

 また、「人生が充実する、鉛筆画やデッサンがもたらす驚きのメリットと魅力!」という次の記事もありますので、関心のある人は参照してください。^^

 ではまた!あなたの未来を応援しています。